”アラフォー”になった青島の黄昏。
織田裕二の代表作であるドラマ「踊る大捜査線」の映画版第3弾「ヤツらを解放せよ!」を見に行ってきたぞ。
”本線”では、前作「レインボーブリッジを封鎖せよ!」以来、7年ぶりの新作という事で、
(その間、スピンオフムービーが2本作られた。)
設定も前作より7年後に設定し、青島俊作以下、健在のメインキャストの出世に加え、
いかりや長介の逝去に伴い、和久平八郎もこの世を去った。
さらに和久平八郎の甥っ子・伸次郎(伊藤淳史)、管理補佐官・鳥飼(小栗旬)といった、新キャラクターを投入。
ドラマからのキャストは、あえて若作りしない、時がたてば、背負う責任も重くなるし、
新たな血も投入しなければならないことを実感。
湾岸署が、要塞型の新庁舎へお引っ越し。
開所式までの間で繰り広げられる8つの事件。
それに奔走される湾岸署の面々を描いておりますが、
何より驚いたのが、”脱サラ刑事”青島俊作の”アラフォー”ぶり。
作中ではそれらしき兆候が大きく見えており、それを露呈したことで、
副題の「ヤツらを解放せよ!」というよりは、「青島俊作の黄昏」にした方が良かったのでは。
良心的存在だった和久平八郎を失った事と、
敵対しつつも青島とは見えない絆で繋がっていた室井の存在が薄かった事が凶。
ドラマの時のクオリティをそのままって言われても無理がある。
あと音楽が菅野祐悟に変わっていたことも足かせになった。
(松本晃彦作曲のオリジナルテーマ曲は尊重したものの・・・)
これでも、公開から4日目で100万人突破。
その背景には、同時期にジブリ作品の「借りぐらしのアリエッティ」公開が控えており、
これで、「踊る」フジvsジブリの日テレの構図がミエミエ。
フジにとっては、ゲテモノ同志の共食いになるより、
7月16日までに100万人動員というロケットスタートを切る必要があった。
そのため、作る側も、製作準備と宣伝戦略に取り掛かる時間が短かったし、
ポストプロダクションが公開1週間前までかかっていたことも災いに。
もっと時間があれば、脚本の練り直しもできたのに、
青島が捕まえた犯人の全員釈放要求という形はどうかと思う。
「昔の名前で出ています」的な事は、無茶に等しい。
台本に自身のある脚本家と、日本人を無視する監督が、今の日本映画界には必要やね。
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