ありがとう、ユリア。 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

ありがとう、ユリア。

先日発売になったばかりのジェッツコミックス12巻をもって、

原田重光&萩尾ノブト各氏の「ユリア100式」(白泉社・ヤングアニマル)がハッピーエンド(?)で完結した。


思えば、この漫画は(ある意味)エポックメーキングな作品だった。

◆原田重光の漫画原作者デビュー作。

もともと「イッパツ危機娘」(講談社・週刊ヤングマガジン)を代表作に持つ漫画を描く側の人間だったが、

「けっこう仮面P」(講談社・週刊ヤングマガジン)で永井豪の代表作をアレンジするブレーン(脚本)を任され、

この経験が漫画原作者転向のきっかけとなり、

ヤングアニマルに拾われた萩尾ノブトを売り込むために、彼をサポートする意味で原作担当に。

◆業界初(?!)ダッチワイフ漫画。

主人公のユリア100式は、一度陰茎を挿入されると、最後までその陰茎の持ち主の性の奴隷になるという、

汎用人型ダッチワイフ。

それ故に、不器用な面も持ち合わせており、ちょっとしたハプニングから下ネタに持ってくる所が面白い。

◆寸止めラブコメ漫画というジャンルを開拓。

ユリア100式は、大学生の久保瞬介に拾われるが、俊介には中村まりあという婚約者がいる。

瞬介を愛するがあまり、ユリア100式はハプニングから挿入に行こうとするが、

そこは婚約者持ち、自我を維持するためにプロレス技で切り抜ける。

(ユリア100式はドメスティック・バイオレンス対策として、頑丈に作られている。)

後に登場する高性能タイプのユリア105式(通称:ジュリア)は、

瞬介の家庭教師先である良夫に拾われたが、高校生で未成年者であるため、我慢の連続だし、

ロリ体型のユリア108式(通称:ユリン)は、小学校教諭を目指す山本一平に拾われるが、

ユリンの誘惑とイタズラに惑わされて苦悩する。

◆神奈川県を怒らせた。

’06年12月、神奈川県では神奈川県青少年保護育成条例を根拠とし、有害図書類に指定された。

そのためか本屋では、コミックスが成人漫画の場所に置かれている事もある。

◆それ故に、漫画表現の解りやすい境界線を作った。

一般的に漫画単行本は、

一般向けと、「成人コミック」マーク記載を義務付けられている成人向けの2つに分類される。

「ユリア100式」は一般向けである。

その判断基準がこれ。

・乳首は描いても、女性の性器、肛門はおろか、陰毛描写はNG。(一部特例あり)

・陰茎はホワイト消しか、スクリーントーン貼り。

・結合部分は、(いかにも)自主規制マークを張り付けている。

でしょうかね。


ワタクシといたしましては、成人指定スレスレで、自主規制が行き届いている「ユリア100式」は、

すべらない下ネタ満載の、伝説の漫画になるでしょう。

東京都青少年健全育成条例の改悪問題(架空の未成年キャラも処罰の対象)が物議を読んでいるが、

東京都は業界の自主規制が行きとどいていることに気付かないのか。

おまけに、早く可決を迫るPTA団体は、担任いじめが生きがいのモンスター・ペアレントや、

お客さまセンターへのクレームが生きがいのモンスター・クレーマーの巣窟。

政府や行政に丸投げする姿勢は、大人の責任放棄ともとれるぞ!

親は子供の模範たれ。

恥を知るのは、それを怠るお前らだ!



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