いかに「美しく勝つ」とは何か?とを考えさせてくれた試合。
2008-2009 UEFAチャンピオンズリーグ決勝戦(ローマ=イタリア)
バルセロナ(ESP) 2<1-0/1-0>0 マンチェスター・ユナイテッド(ENG)
※バルセロナが3季ぶり3度目の優勝。
前半10分<バルセロナ>エトー
後半25分<バルセロナ>メッシ
フタを開けてみて、全体的を通して見たら、
総合力ではバルサの方が上やった。
クライフ体制下から、いかに「美しく勝つ」とは何か?を追及してきており、
ファン・ハール体制期は”ボスマンルール”(EU加盟国の選手は保有無制限)の恩恵頼み、
ライカールト体制期はロナウジーニョ、デコの個の力に頼りすぎて、
全体力を大きく欠いていた。
バルサを託された若き指揮官、ジョゼップ・グアルディオラは、
クライフが掲げた「美しく勝つ」の課題に一つの答えを見出した。
グアルディオラはピボーテ(パス出し主体の守備的MF)出身であることから、
シャビ、イニエスタに中盤の要を託し、前線のメッシ、エトー、アンリ、ボージャンに
彼らの持ち味を活かすパスを送り出すことで、攻撃的サッカーを魅力あるものに昇華させた。
さらに、(バルサの下部組織出身者を含む)自国育成選手が多いのも納得。
限られた戦力でどれだけ力を引き出すことができるかが指揮官の力量のバロメーターになっている。
トップチーム就任1年目で、リーガを制し、国王杯も制し、
そして、UEFAチャンピオンズリーグを制するという、
ドでかい偉業を成し遂げたゼップ・バルサは、「美しく勝つ」ことを取り戻すことに
成功したといっても過言ではない。
マンUはクリ・ロナとルーニー中心の、個の力に固執し過ぎたことが、
かえって仇になってしまった。