高速ドリブラーをどう止めるかが欧州一へのカギ。
いよいよ今週水曜深夜(もしくは、木曜早朝)にキックオフされる
UEFAチャンピオンズリーグ2008-2009決勝戦@ローマ。
今回の顔合わせはシンプルな戦術ながらも、美しく勝つ術を持つ両チーム。
イングランド・プレミアリーグ代表にしてディフェンディング・チャンピオン。
マンチェスター・ユナイテッド。
vs
スペイン・リーガ・エスパニョーラ代表。
FCバルセロナ。
この2チームを比較するなら・・・
<マンチェスター・ユナイテッド>
英国系の生え抜きは減少しつつあるが、いつの時代もファーガソン・イズムは徹底している。
将来性豊かな若手を、移籍で獲得したり、ユースから昇格させたりと、
より高いレベルで戦う事を維持するために、積極的に血の入れ替えをやっている。
このチームは、ベスト、カントナ、ベッカムを超えた史上最高の7番、クリスティアーノ・ロナウドが核で、
脇をルーニー、テヴェス、ベルバトフが固め、
中盤ではフレッチャー、ナニ、アンデルソンといった若いタレントが頑張っている中、
盛りは過ぎたが、ベテランのギグス、スコールズも健在。
連携の良さが、クリスティアーノ・ロナウドの爆発力を支えている。
<FCバルセロナ>
現役時代はバルセロニスタのアイドルとして、中盤の底から華麗なスペクタクルを展開した
ジョゼップ・グアルディオラが監督として、トップチームに帰ってきた。
伝統の攻撃的サッカーの継承と、過密スケジュール対策でのローテーション制導入で、
高水準のフットボールを維持・展開。
下部組織のBチームで育て上げた数々の”ゼップ・チルドレン”を昇格させた反面、
主力としてチームを支え続けたロナウジーニョ、デコに非情の戦力外通告。
これが功を奏し、メッシ、アンリ、エトーの三又槍の爆発力と、
シャビ・エルナンデスを核とした中盤の構成力で、リーガ・エスパニョーラでは電車道独走状態。
特にリオネル・メッシのドリブルは、さらに切れ味を鋭くし、相手守備陣を大混乱。
その活躍はマラドーナ以上で、バルサのエースと呼ぶにふさわしいでしょう。
進化する天才、クリスティアーノ・ロナウド
vs
マラドーナの後継者、リオネル・メッシ
どちらも、高速ドリブルを武器にしているが、
ワタクシのポイントは、守備陣がこの高速ドリブラーをどう止めるかがポイント。
<マンチェスター・ユナイテッド>
ファーディナンドとヴィディッチの2大巨塔と、ベテランGKのファン・デル・サールは盤石。
右サイドバックに定着したブラウンの台頭も見逃せない。
さらに、守備固めで投入するオシェイも”壊し屋”としてメッシ潰しに打って出るだろう。
<FCバルセロナ>
”バルサ愛”の象徴であるプジョルですが、今シーズンは故障による欠場が多かったものの、
ローテーション制導入の恩恵を受けて、
マルケス、ミリート、アビダル、若手のピケ、カセレスがその穴を埋める活躍を見せてくれた。
だが、”三又槍”の爆発力に頼りすぎる点が強く、疎かになっちゃうんだよね。
ワタクシは若手の積極性より、歴戦の経験数が高い方が勝ると思うね。
今シーズンのチャンピオンズリーグを見て、
最少失点の堅守を誇るマンチェスター・ユナイテッドの方が、
チームごとのゴール数が多いバルサを上回っているのは事実。
こりゃ、壮絶なしばき合いの果てに見えるのは、
マンチェスター・ユナイテッドの連覇しかないだろうね。