りぼんスペシャル冬休み大増刊号(5)
続き!
◆「1月のメリーゴーラウンド」(水沢めぐみ)
”りぼんレジェンド”の凄味、見せていただきました。
今回選んだ題材は歳の差恋愛。
童話に出てくる王子さまはお姫様より年上だよね?
と、そんな恋にあこがれる奈月ちひろ(高1)。
ある(中学生向けの)学校見学会の日、ある中2の少年と再会してしまうんだよね。
それは、ちひろが中2の頃、近所のペットショップでドッグフードを買いに来たんですが、
お目当ての商品が棚の高いところにあり、足を延ばしても届かない・・・
そこに来たのが、その少年・碧(あおい)だった。
容姿を見て、年上かな・・・と思ったちひろは、ここから、ペットショップに通う日々。
ところが、ちひろは驚愕することに。
帰り道、小学6年生の集団の会話の中で、碧が隣の市に系列店ができ、
碧の母親が店長になったことから、引っ越しをすることを聞いたんだけど、
碧が・・・
ランドセル!!?
2つも年下の 小学生・・・・・・!?
後ろめたさを残したまま、新しいお店には1度も顔を出さないまま、3年の月日が流れた。
あれ以来3年ぶりに、そのお店に顔を出した。
碧に視線をあわさなかったんですが、ある犬用の服から話が進むことに。
それはメリーゴーラウンド柄の服を手にしたことから、
メリーゴーラウンドの馬車に
大好きな男の子と乗るのって憧れなんです
自分が童話の中の主人公になってるみたいな気がしそうで・・・
と、口走っちゃうんだよね。
思わず赤面。
そこに、ちひろはスタッフ募集の告知ポスターを見て、承諾するですが、
碧は「・・・・・・あ」と一瞬困った顔をする。
スタッフのバイトも順調だったんですが、
ある日碧が通学する中学校まで来たんですが、碧がクラスメイトの女の子を連れている光景を目にし、
ちひろの後から付いてきた大悟が火に油を注ぎかねない失言を言い、ちひろは困窮することに。
1月の大雪の日のペットショップ、情緒不安定で碧を避けようとするちひろに対する、
碧のモノローグが物語をキチンと締めてくれたんですよね。
読みごたえ満点。「少女マンガってこうでなきゃ!」な作品でしたね。
例えで言うなら、ドリー・ファンクJr.がスピニング・トー・ホールドをかけられたと言えばわかるかな?
(分かるわけねーだろ!!!)
近年、春田ななが「チョコレートコスモス」を発表したとき、「何を血迷ったんだ!?」と言わんばかりに
「ラブ・ベリッシュ!」までのギトギト感から、一転あっさりテイストで挑んだ姿勢に心を打たれ、
元気系が売りの込由野しほが、まさかの”乙女ちっくイズム”継承宣言ともとれる作品を
発表するという(いい意味で)暴挙を成し遂げ、
こういった回帰傾向が強くなりつつある中で、水沢めぐみの読みきり掲載は
この回帰傾向を加速させてくれるかもしれない。
その背景には現在募集をかけているりぼん小学生まんが大賞の存在。りぼん小学生まんが大賞の機運を高めるために、審査員に名を連ねている水沢めぐみ自らが登場し、
「少女マンガとはこういうもんだ!」と見せつけてくれたのではないでしょうか。
今年のFIFAクラブワールドカップを制したマンチェスター・ユナイテッドは
スペインに行ったデヴィッド・ベッカムが、オールド・トラッフォードでの凱旋セレモニーを開いたり、
”バズビー・ベイブス”期の名選手、サー・ボビー・チャールトンをVIP席に招待するなど、
OBを大事にしている。
りぼんもOBを大事にする機会を与えるべきだと思うね。
しっちゃかめっちゃか首を切っちゃったらダメだよ。
昔の日本企業は社員を家族のように大切にしていたことを考えたら。
◆「せいしゅんライン」(立野マミ)
思わず、「柴崎コウ」?って思ったわ。
彼女のデビュー作、一言で言うなら、
破天荒って感じ?
このハイテンションを武器に行かせ!
◆「あめっチュ▽」(萩わら子)
「キスの味ってどんな味?」を実証するための作品でしたね・・・
しかしさぁ、ヒロインの名前が完路麻実って・・・
しかも苗字に「完」って、縁起悪っ!
◆「シュガーレス・キス」(雪丸もえ)
りぼん漫画スクール最高賞の金看板も(あいな紗月の登場で)曇りかけてきた雪丸もえ。
大好きな先輩と旧校舎の応接室でなんて、こんなにメロメロキュ~な感じがイ~ねっ!
このまま宝の持ち腐れにはしたくない。
雪丸~もっと奮起しないとアカンでぇ~!
続く!