水田監督が仕掛けた「泣き」のエンタテイメント!なんですが・・・
火曜日、有休&所用ついででミナミの某シネコンまで「252 生存者あり」見に行ってきた。
2003年4月期の日テレ土9枠ドラマ「ぼくの魔法使い」の主演&監督コンビ
伊藤英明&水田伸生が再びタッグを組んだ作品は、
コメディ色なし。泣きのエンタテイメント。
主人公はかつて東京消防庁ハイパーレスキュー隊隊員だった男。
同じ隊員だった兄の背中を追って、隊員になったものの、
人命救助を巡る選択を躊躇し、同僚隊員を殉職させたショックで辞職し、外車販売店の社員に転職。
聾唖の娘の誕生日を祝うために銀座で妻と娘を待ちあうことに。
ところが、小笠原沖での地震の影響により、海水の温度が急激に上昇して出来た
巨大台風が発生。
大粒の雹(ひょう)の大群が落下し、やがて大型の津波が発生し、一気に都心は水没してしまう。
(印象的だったのが大型の津波がフジテレビのあるお台場を直撃したところ。科学上被害を被りやすい)
パニックに陥った群衆が地下に逃げ込むも、津波の水圧が地上を支えきれず、
大量の水が地下を直撃。
かろうじて、主人公と娘は助かったものの、同じく研修医の青年、
大阪から営業に来ていた中小企業の社長、出稼ぎで来ている韓国人ホステスと遭遇することに。
ここで、肝心のキーワードは・・・
①幻の新橋駅
東京メトロの新橋駅には幻の新橋駅ホームが存在しており、
ここでは逃げ込んだ主人公たちの避難場所として使われた。
②逃げ込んだ面々は心に傷を負っている。
主人公は同僚を救助活動で死なせるという現実から逃げた。
研修医の青年は、同じ医者の父親による医療事故が原因で、
患者側からバッシングを受けてしまい、医者になることに悪意を感じている。
大阪の社長は、熱帯魚用水質循環器を借金をしてまで3000万円かけて作り、
会社の存続をかけた。
韓国人ホステスは、同じ日、兵役から帰ってきた兄が交通事故死し、ショックを受ける。
このドラマは逃げ込んだ面々の再生と希望を込めて作られたといっても過言ではない。
③252
これは東京消防庁の通話コードで、本来は「要救助者」の意味でつかわれる。
生存が確認できるだけでなく、生死未確認の場合でも使われるのだ。
ハイパーレスキュー隊の活躍だけでなく、
心に傷を持つ者の希望、再生、絆を大きく説いた作品でしたが、
イケなかったのがラストのあのシーン。
いくら何でも、あれはないだろ・・・
配給元がワーナー・ブラザーズだからって、
ハリウッド製の大作映画を意識した作風をしちゃダメだろ!!
日本テレビ開局55周年記念作品なんだからさぁ、
日本なら、日本ならではの作風で勝負すべきだった。
消化不良なら、同じく日テレ開局55周年記念作品の「K-20 怪人二十面相・伝」を見れば?