松山ケンイチの魅力が引き出された「スピンオフL」
前後編合計80億円のヒットを記録した「DEATH NOTE」2部作。
実写映画版が素晴らしい理由は3つある。
①映像化不可能といわれたストーリーを上手に構築。
②お金出すだけのイメージしかなかった製作委員会が、役割分担を明確化したこと。
③主演の藤原竜也を存在を喰ってしまった松山ケンイチの怪演。
で、この③に惹かれて、スピンオフ映画「L Change The WorLd」を観てきました。
物語はロサンゼルスBB連続殺人事件を捜査中の、引きこもり天才探偵・Lが
キラ(夜神月)による連続怪死事件解決のため、日本に乗り込む事を決意したところから始まる。
<ロサンゼルスBB連続殺人事件を描いた西尾維新、初の外部出版社作品。
「DEATH NOTE the Last name」の流れの中で、
Lは月から窃取したデスノートに、23日後に自ら死ぬことを書いた。
それは多くの犠牲を払ってまで、キラ事件の解決に向かう覚悟の表れだった。
結果、キラ事件は月が無の世界に去ってしまったことで終結した。
(デスノートを使った人間は、天国にも地獄にも行けず、無に帰してしまう。)
その見えない所で、Lはもう一つの戦いに挑むことになった。
それは殺人ウィルスによる細菌テロとの戦いだった・・・
「DN」では壮絶な心理戦をスリリングに描いていたが、今回のスピンオフ「L」は
日本のホラー映画の仕掛け人であり、「ザ・リング2」でハリウッド進出を果たした
”日本ホラー映画界の中田ヒデ”こと中田秀夫がメガホンを取ったことで、
ドラマ性を強調した作りと、松山ケンイチの魅力を存分に引き出した作品に仕上がっていた。
あのお菓子好きで猫背の引きこもり探偵が、ママチャリ漕いだり、走ったり、背筋伸ばしたりと
原作見ただけでは冷徹だったLのコミカルな一面を出してくれたことには流石である。
中にはメディアリテラシーの観点から、子供に見せるにはちょっと・・・な場面もある。
まぁ、”日本ホラー映画界の中田ヒデ”の作品だから仕方がないか。
(それにしてもPG-12指定に引っかからなかったのは奇跡。)
他のキャストも凄かった。
中でも鶴見辰吾、高嶋政伸、南原清隆が特に良かった。
「DN」は「L」で更なる進化を遂げた。
救いのあるラストを見て、ワタクシはこの作品に、最高の賛辞を送りたい。
痴呆症が進行している日刊ゲンダイの編集部員どもの様に、
何も知らずに見るとチンプンカンプンになるので、事前に「DN」2部作のDVDを見ることを勧めたい。