セックスシーンが先行しているが、中身は濃厚で衝撃的。 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

セックスシーンが先行しているが、中身は濃厚で衝撃的。

【はじめに よいこのみなさんさんへ】

こんかい しょうかいする「ラスト、コーション」は えいりんかんりいいんかい から 

あーる18していのつうちをうけており、18さいみまんのかたの かんらんには 

てきしていないため ごらんになれません。

ほうりつてきに おっけーなとしになってから みましょう。


「さぁ明日は日曜だ」が仇で土曜の深夜までテレビを見てしまい、

寝不足気味でTOHOシネマズなんばまで足を運んだ。

そこで見た映画は「ラスト、コーション」でした。


2年前の同じ頃、梅田の映画館で見た「ブロークバック・マウンテン」は

カウボーイ映画の仮面を被った薔薇族映画として、ある種のカルチャーショックを受けた。

あれから2年、この映画を撮ったアン・リー監督は、母国・中国に戻って、

決死の覚悟で撮影した(米・中・台湾・香港合作)衝撃的な問題作をベネチア映画祭に送り出し、

「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」を差し置いて、グランプリを獲得した。

それが「ラスト、コーション」(原題:色・戒)だ。
<写真は原作本。


第二次世界大戦下の1940年前後、抗日運動に翻弄され、

抗日運動家の青年と、弾圧する側の特殊機関のリーダーの狭間でゆれる、1人の女スパイの物語。

特殊機関のリーダーを色仕掛けで罠にはめ、暗殺するという目的のはずが、

そのリーダーと逢引を重ねるうちに、”禁断の愛”に陥り・・・


このお話は愛欲が思想を凌駕する。

男にとって女は魔物。

女にとって男は魔物。

タン・ウェイとトニー・レオンのカラミがあってこそ、この映画は成立していると思う。

セックスシーンの面では大島渚監督の「愛のコリーダ」以来の衝撃。


決死の覚悟の面では、中国本土での公開の際、合計7分間カットされたセックスシーンだけでなく、

なぜ、中国は日本を嫌うのか?の疑問に、

中国人監督が真っ向から立ち向かった映画であると言うことを。


最近の中国製毒入りギョーザ事件が、世間を騒がしている最中、

抗日問題を扱ったこの映画は、時間を忘れさせてくれる快作でした。

殿方諸君、くれぐれも館内では、セックスシーンでマスをかかないように・・・。


追記:「ブロークバック・マウンテン」で、自分の生活に執着するカウボーイを演じたヒース・レジャーが

先月22日に急性薬物中毒で急死した。まだ28歳だという、早すぎる死でした。ご冥福を祈る。合掌。