屁をすると金をもらう犬は?・・・プードル。(byプードル雷太)
日曜日「陰日向(かげひなた)に咲く」観にいってきたぞ。
芸人本ブームの先陣を切った劇団ひとりの処女小説を映画化。
原作から「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「Over run」「鳴き砂を歩く犬」の別々のエピソードを
金子ありさが舞台を台風接近直前の東京に設定し、ジグソーパズル感覚で構築。
ギャンブル癖の抜けないシンヤの話(「Over run」)を軸に市井の人々のエピソードが交錯します。
「Over run」
ギャンブル癖の抜けないシンヤは、借金の返済を迫る高利貸しに恫喝され、
オレオレ詐欺に手を出すが・・・
「鳴き砂を歩く犬」
寿子は、母親・鳴子が若かりし頃、浅草のストリップ小屋で売れない芸人と漫才コンビを
組んでいたことを知り、その相方である雷太を探しに浅草に来たが・・・
「道草」
日常に疲れたエリートサラリーマン・リュウタロウは、大ボラ吹きのホームレス・モーゼを見て、
ホームレス生活を志すが、モーゼの過去を知ったリュウタロウは・・・
「拝啓、僕のアイドル様」
売れないアイドル・みゃーこを敬愛してやまないゆうすけは、みゃーこがゴールデンの番組に
出演することを知り、その番組を見たゆうすけが・・・
オレオレ詐欺の相手が**だったり・・・
リュウタロウがホームレス生活に転じた理由が**だったり・・・
モーゼは実は**だったり・・・
ゆうすけの初恋の相手が**だったり・・・
さすが劇団ひとり!って感じました。
劇団ひとりはさまざまなキャラクターを演じる一人コントを芸風とし、
本名の川島省吾を座長とし、川島演じる数々のキャラクターを団員と呼んでいるが、
まさに洗練された一人コントの手法が、小説にきっちりと現れており、
これまで芸人の出す本は主にネタ本か、ラジオ番組の企画コーナーを集めた本だけだったことを考えたら、
この作品は、お笑い芸人の書いた本の枠を超えた泣ける作品に仕上がっていた。
お笑い芸人の映画だと、芸人ならではのこだわりが度を大きく過ぎて、監督や主演を務め、
これが仇となるケースが多いが、劇団ひとりは原作を提供するだけに留まり、
あとは日本テレビと東宝に託したお陰で、秀作に仕上がっていた。
もうひとつの成功例としては、昨年公開された「大日本人」がいい例だろう。
「大日本人」はテレビ局&広告代理店からの資本に頼らず、
吉本興業が松本人志のわがままと期待に出来るだけ応えようと一蓮托生したことが成功を生んだ。
一番当たっている作品は、作品内容のすばらしさがカギ。
「陰日向に咲く」刊行後、麒麟の田村裕が自身の中学時代を描いた「ホームレス中学生」がバカ当たりし、
これまた東宝が映画化の権利を獲得したものの、台本はおろか、キャストとスタッフの選定作業が難航し、
公開が延期になった。
作品内容のすばらしさをどうやって伝えるかは、まさに産みの苦しみに似ている。