くれぐれも、ちゃぶ台返しはマネしないように!
この後ワタクシは同じシネコンで「自虐の詩」を見てきた。
堤幸彦監督が、自身のTVシリーズ代表作である「ケイゾク」の中谷美紀と、
「トリック」の阿部寛を主演に起用し、同名のごくフツーな4コマ漫画を映画化。


薄幸な妻・幸江と、無口な夫・イサオ。まだ籍を入れていない夫婦の破天荒な生活を描いていますが、
数々のエピソードをつむいで形成されており、4コマ漫画が原作でありながら、
絶妙の間の取り方と展開の組み立て方が優れており、約2時間の作品に集約されている。
「何でそうなるの!」的な中谷美紀の薄幸の女性ぶりに、パンチパーマの阿部寛のダメ男ぶり、
さらに拍車をかけるカルーセル麻紀、遠藤憲一、西田敏行、竜雷太ら競演陣とのやり取りが笑いを誘う。
前半は怒涛のお笑いパートですが、幸江の妊娠から泣ける回想エピソードで占められた後半部に
流れてゆき、展開が見事なまでに上手に組まれており、涙を誘う。
特にスゴかったのは、スーパースローで流れるイサオのちゃぶ台返し。
たとえ特上にぎり寿司を置いても、台をクギで押えても、イサオは豪快にちゃぶ台返しを敢行する。
(更に幸江とイサオのアパートの一室のTVではMBS「せやねん!」 が流れていた。)
まさに堤幸彦の集大成というにふさわしい”人生どん底コメディ”に仕上がっていた。
TV局主導の映画にあきあきしている人は絶対に見るべきだと思うね。
あと、エンドロールが流れても席を立たないように!
流れ終わった後に感動的なシーンが出てきます。