Key/ビジュアルアーツが再び放った「愛」と「救い」の話。
美少女ギャルゲーメーカーのKey/ビジュアルアーツが送る作品は「愛」と「救い」に焦点が当てられている。
(樋上いたるの生み出したキャラクターの萌え具合もいいが)
北国の町を舞台にした「Kanon」は、ヒロインたちのバックボーンに感動し、
海辺の町を舞台にした「AIR」は翼の姫君の神話と現代をリンクした物語に感動した。
両作とも18歳未満禁止商品だったが、麻枝准(まえだじゅん)が作り出したシナリオの完成度の高さから
シナリオを改訂した全年齢対象版(PC&PS2)も発売され、ファン層を増やした。
そして、2004年8月に発売された「CLANNAD」は、初めから全年齢対象で作られた。
火曜日、ワタクシはちょっとした所用を済ました後、なんばパークスシネマまで劇場版「CLANNAD」を鑑賞。
普段、美少女ギャルゲーをプレーしないワタクシですが、先の「Kanon」は深夜の関西テレビで放送された
(東映アニメーションによる)第1次TVアニメ版を毎週見てたし、
「AIR」は3年前、心斎橋のビッグステップにある映画館・パラダイススクエア(現:シネマート心斎橋)で
劇場版を見ました。
で、今回の「CLANNAD」は最初から全年齢対象版で発売されたことと、
前の2作で”泣ける美少女ギャルゲー”というジャンルを確立したことから、これは期待できる!と確信し、
頭の中を空っぽにし、見ました。
で、本編上映前にヒロインの古河渚(CV:中原麻衣)が鑑賞時のご注意をアナスンス。
いきなり脱力じゃん!
気持ちが入る前に脱力してどうするんだ。
で、本編突入。
目的もなくダラダラと生きていた高校生・岡崎朋也は、満開の桜が舞い散る春の日に、
高校へ続く坂道の途中で、古河渚と出会ったことから、朋也は渚に振り回されることに。
この作品のヒロインである渚は、病弱で長期欠席を余儀なくされ留年し、2度目の高校3年生を
迎えることになったが、前年に演劇部の入部届を出したが、長期欠席中に部数減で廃部になり、
再び演劇部を立ち上げようと彼女が東奔西走するんですが、その理由に強く惹かれた。
高校編、幻想世界編、その後編と基本構造はゲームと同じですが、すんなり入り込めた。
この作品でも結末まで「愛」と「救い」が本質だったことを知ることになるだろう。
シナリオのクオリティの高さもさながら、劇場版「AIR」も手がけた出﨑統(でざきおさむ)監督の
東京ムービー(現:トムス・エンタテイメント)時代から続く風格と手腕も
この作品で健在振りを見せてくれました。
劇場版は上映時間の制約がある以上、他の肝心なキャラクターが出ていなかったため、
この秋から始まるTVアニメ版(京都アニメーション製作)で深く掘り下げてくれるだろう。
で、最新作「リトルバスターズ!」をもって麻枝准がシナリオ製作から引退。
この後のKeyが気になるわ。