人間ドラマとしては見ごたえ十分! | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

人間ドラマとしては見ごたえ十分!

日曜日、梅田の某映画館で「カポーティ」見てきた。

「ティファニーで朝食を」の原作者である小説家トルーマン・カポーティが、

当時としては新境地といえるノンフィクション小説「冷血」を書き上げるまでに至った経緯を綴った映画で、

単なる伝記モノとは違う人間ドラマ。

’59年、人気小説家トルーマン・カポーティが、カンザス州で起こった牧場主一家全員惨殺事件に興味を持ち、

執筆のため取材に取り組み、やがて実行犯のひとりであるペリー・スミスに接見するのだが・・・。

最もゾクッとしたのは物語の後半部、最高裁での控訴が退けられ、死刑執行の日取りが決まったペリーが

トルーマンに犯行にいたるまでの一部始終を語った場面で、思わず涙腺が緩んでしまった。

己の名声のために、死刑囚のひとりをダシにした小説を書こうと決めたが、

死刑囚との交流で、自分もちっぽけなんだと思い知らされた。


ワタクシがこれ見ようと決めたポイントは、この映画でオスカーを獲得したフィリップ・シーモア・ホフマンの

なりきりぶり。風貌も、しゃべりも、仕草も完全にカポーティそのもの。

この映画の製作総指揮を自ら買って出たのも、作品に対する情熱を感じた。

例え当たらなくてもいい。はずれのない秀作は単館上映館にある。

この部類に当てはまるのではないでしょうか。


ソニー・ピクチャーズの対応は早かった。

フィリップ・シーモア・ホフマンのオスカー獲得で、当初恵比寿ガーデンシネマのみで公開しようとしたが、

レスポンスが大きかったせいで、東宝に助けを求め、日比谷シャンテ・シネで同時期公開し、

順次シネコンで拡大公開。

 同じくオスカー(監督賞をはじめとする3部門受賞)を獲得した「ブロークバック・マウンテン」では

 本年春にシネマライズ渋谷のみで公開するはずだったが、思わぬ吉報に配給元のワイズポリシーが

 急遽東宝に援軍を要請、日比谷シャンテ・シネでも緊急公開が決定。

 秋公開の「カポーティ」とは正反対の対応でドタバタしていた。


追記:梅田ガーデンシネマさん、シネマ2でもデジタル音声対応に更新を!


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