11月号(前編)
9月に発売されたRMC「アリスから魔法」2巻の巻末で
今の「漫画家・松本夏美」が誕生するまでの努力を綴った漫画が掲載されていた。
70年代後半の大分県、幼稚園児の頃、母親が買ってきたりぼんに出会い、衝撃を受けた。
一条ゆかり、池野恋、弓月光、山岸涼子、のがみけい、清原なつの、土田よしこ・・・(敬称略)
まさに一目ボレ。”りぼんジャンキー(中毒者)”になった少女・夏美は、
近所のおねーさんからりぼん本誌のバックナンバーをもらい夢中に。
これがきっかけで漫画家を志すが、一度就職するも、夢をあきらめきれず上京。
漫画家のアシスタント回り、投稿作執筆、バイトの繰り返し。
ようやく、漫画スクール投稿生となったものの、もうひと息賞の連続。
結果が出ずにヤサグレていた頃、アシスタント先の漫画家、
おおにし真(代表作「光と闇の方程式」)からの一言が、一筋の光となった。
新人の作品はね、その人らしい光る部分が一ヶ所あればいいのよ
これ以来、好きなものを詰め込んで、’93年オリジ4月号掲載「偶然じゃないよ!」でデビュー。
憧れのりぼんの漫画家になった。
ワタクシの見解からみたら、これは松本夏美からの、読者に対する見えない怒りに思えた。
なぜここまで努力してきたのに、読者はここまで侮辱するのか。
なぜ批判するのか分からない。批判する理由が理由になっていない。
何も知らないくせに。
(批判されたら即逆ギレなんて、玩具を取り上げられ、泣きじゃくるガキと同じだ!)
いや、これは松本夏美だけに限らない!他の同じ状況に置かれている作家にも言える。
特に中堅層と、くすぶっている作家に。
王・長嶋時代に見た巨人にあこがれて、巨人に入団したのに、使ってもらわれず、
出場経験なしでクビになり、辛い残り人生を過ごすことになった元・巨人の選手と同じだ。
(あくまで推測だが、)巨人出身or経験の選手OBの中には、
現在ホームレス生活を送っている人間だっている。
しょっぱい内容の漫画を描く特定の作家だけ偏る、知能の低い読者諸君よ、よく考えてみろ。
君たちの漫画視力はメクラです。
好きな作品を支持するのはいいが、本質を見ず、
「○○の作品分、金返してくれ」とほざく位なら、最初から雑誌買うな!
糾弾された漫画家の立場はどうなんだ。
これじゃ、本年2月、サポーター批判発言を言い、チームに激震を走らせた
レアル・マドリッドの主力ストライカーであるロナウドと同じだ。
【本年2月のロナウドの”爆弾発言”の内容】
「ファンはぼくを認めてくれない。
こんな対応をされるなら自分の将来を考え直さないといけない。
ぼくは自分が愛されていないチームではプレーしたくない。
ベルナベウでは一度もリラックスできたことがなかった。
ファンは愛情を持ってぼくを迎え入れてくれなかった」
結果はキチンと残してあるのに、こんなにまで批判で突き落とすとは、不愉快極まりない。
これが原因で”りぼん潰し”のため、他のライバル雑誌に移籍したらどうするんだ。
言った側の君たちは腹切って、死んで詫びるか?
(ま、最近の知能の低い読者は反省の色無しやからな。)
りぼん人気の低迷の原因は「人材難」とされているが、このことに不満を感じている。
特定の作家だけプッシュしたことや漫画スクールの規制緩和による乱発デビューで
中堅層が”宙ぶらりん”の状態にある。
おまけにりぼんオリジナルが事実上の廃刊で活躍する機会が減り、他のところへ飛ばされる。
仮にちゃおかなかよしに移っても「ヤツはりぼんで育った人間。敵だ!」と激しいブーイングが待っているし、
放出したら、りぼんの売り上げがさらに落ち込むリスクが待っているのだ。
いずれ編集部は粛清リストラに踏み切るだろうが、
国民から預かった国民年金の掛け金や社会保険の保険料を、
無駄な公共事業につぎ込んだ果て、
医療費負担の引き上げやリハビリ日数制限などと、患者が苦しむことを次々と招いた
厚生労働省とその外局である社会保険庁と同じだよ。
読者に言いたい。
発行部数の低迷は編集部の手腕の責任。
漫画家を責めるのは、自分の本心で、本当に作品がつまらないときだけにしろ。
「売れる漫画=勝てる漫画」は間違っている。
正しく言えば「売れる漫画≠勝てる漫画」。売れる漫画と勝てる漫画は別物なのだ。
オイ!手島!!これまでの失敗を、テメェの手で取り戻せ!
プロの編集スタッフらしい仕事をしろ!
2007年”美しいりぼん”の実現に向けて、編集部へ以下のマニフェストを突きつける。
「満月をさがして」以降、ドロドロ化したりぼんを、美しくサラサラにさせる。
これはりぼんを愛する人間からの業務改善命令だ!
<1>ゴリ押し政策に頼らない、「女の子向け」にこだわらない、個性的なラインナップの充実。
<2>発行部数押し上げのため、販売促進活動に力を入れる。
<3>りぼんは漫画だけで勝負すべし。付録は別冊漫画だけに留める。
<4>無論、掲載する漫画は、絵柄より、ストーリー&ギャグ重視。
<5>内外問わず、中堅層と、くすぶっている人間に再挑戦の機会を。
<6>スカウティング(新規人材獲得)とマーケティング(顧客動向)を積極的に行う。
<7>編集部の意図を伝える、編集部ブロクの開設。
<8>新人漫画家の社会研修の一環として、販売促進活動参加の義務。
<9>読者説明会を全国各地で開催し、よりよい雑誌作りのための対話を行う。
りぼんはメジャー、ナンバーワンでなきゃアカン。
読者が本当に読みたい、熱くなれるものを提供するのが、漫画家と編集部の使命。
TVアニメ化は2の次。地道に連載を続ければ、オファーは自然と来る。
事実、現在の地上派TVアニメの状況は、マニア向けが多く、家族で楽しめる作品がゼロに近い。
その反響からか、ゴールデンタイムからの撤退が目立ち、深夜枠や週末の早朝に追いやられている。
いい作品でもCS&ケーブル放送やブロードバンド配信に回されることが多い。
作るとしても日本側の作画担当の人材が不足し、他のアジア地域の会社に発注しているのが現状。
単行本を買うためのカタログ雑誌ではなく、
ページをめくると、「いいなぁ」という不思議な雰囲気のする雑誌にしてほしい。
◆「青空ポップ」第6話(小桜池なつみ)
「今月号宝物です。応援ありがとうございます!」
これは520pの「先生よりひとこと」の欄に書かれた小桜池なつみのコメントである。
この作品が好調なのか、今月号は表紙&巻頭カラー。
絵の荒さも慣れてきたし、ようやく主力作家の仲間入り。
同時期に連載を始めた、藤原ゆかと持田あきを蹴落として。
モデルになってから半年、織花も高校生になった・・・って早っ!
織花に訪れた新たなる試練。それはコスメブランド「HEAL(ヒール)」のモデル・オーディション。
母親の一番最初の大きな仕事に娘も挑むとは・・・。
矢野兄妹の視線は救いなのか、悪意に満ちたのか。
そのヒントが、49p~51p、織花に足りない何かを見つけた所。
矢野美都が大きな壁になって立ちはばかる。織花は乗り越えることができるのか。
◆「C▼C▼C(チュ・チュ・チュ)」第1話(中島椿)
”つるぺた”の幼児体型にコンプレックスを持っている小島蜜(通称:はにぃ)。
市立花山中学校1年になって初の学園祭。はにぃのクラスではメイドカフェをやるのだが、
開催当日の追い込みで、幼児体型ゆえ・・・
◇パンツがコドモっぽい。
◇小さめに作ったメイド服もズル落ち。
大きく露呈してしまい路頭に迷っていたはにぃの前に、イケメン吸血鬼のロビンが現れ、
ファーストキス!
この影響ではにぃは一気にぱーふぇちかるなエロカワボディに変身!
いとこの小島ばにぃであることをごまかして、そのまま実行。
こりゃウヒョウヒョだわ。
<中島椿ディスコグラフィー>
①「カウント10!」オリジ05年2月号
10秒でヘアアレンジしちゃう男の子との出会い
②「ぱにっくプールん♪」オリジ05年8月号
プールで年上の男の子たちと水着でドッキン♪でも主人公はスク水。
③「トイレの花男くん」本誌05年9月号
学校のトイレにイケメン男子3人組がいる!!怖くなかったホラー漫画。
④「ダンXボーイ!」06年冬チャレンジ増刊
通販大好きな少女に好みの男の子が届いてきちゃった!
⑤「イケないv保健室」06年オリジ4月号
カッコイイ先生と保健室でドキドキの放課後
⑥「ワッショイ!!」06年夏びっくり増刊
浅草で幼馴染の2人に小さな恋が生まれる!自身の浅草育ちを生かした読みきり。
個人的な見解だが、この中でマトモな作品は①と⑥。
②~⑤の方は、ティーンズラブ漫画誌に載っている作品を連想させ、場違い。
ただイケメンを前面にしただけで、話がしょっぱかった。
だが、手島新体制になった06年春以降は、「ワッショイ!!」と、今回の「C▼C▼C(チュ・チュ・チュ)」が
前書きのマニフェスト「<4>無論、掲載する漫画は、絵柄より、ストーリー&ギャグ重視。」を
実践していて、例えエロくても、ストーリーがよければ読者も入り込めやすい。
あれはあれで面白いと思うんだけど、徹底的に「寸止め」してくれることを望む。
だが、作中のはにぃの下着には、喝だ!。中島よ、上には上がいることを。
続く・・・