将来性豊かな若手の商品価値を高める努力を。
8月号について語りますが、前置きが長すぎたので2回に分けて掲載します。
この春から手島内閣の体制下になったりぼんは、内容的にも徐々に熱くて面白い作品が揃ってきて、
かつてのりぼんの勢いを取り戻せる体制は整ってきたと強く感じました。
その要因はのヒントは週刊少年ジャンプにありました。
ここ近年、週刊少年マガジンに名手の座を奪われた週刊少年ジャンプは、えんどコイチの担当を勤め、
同氏の作品「ついでにとんちんかん」では間抜けな大富豪キャラでネタにされた茨木政彦が、
前任者である高橋敏昌の急逝により編集長に就任(’03年2月)してからは勢いが80年代に近いペースに
回復しつつあるのではないでしょうか。
週刊少年ジャンプになぞらえた点は2つある。
①外見(絵)より中身(ストーリー)。
昨年の酒井まゆと槙ようこを例に挙げるなら、「ピーターパン症候群」と「STAR BLACKS」を連載したものの、
中身が将来のTVアニメ化前提ミエミエで、あまりにもしょっぱくて短命に終わり、
今年に入って、「ロッキン★ヘブン」と「たらんたランタ」が高い評判を受けているのは、
外見より中身(ストーリー)にウェイトを置いたことで、読者の信用を取り戻したのではないでしょうか。
ワタクシに言わせれば「ロッキン★ヘブン」は酒井まゆの最高傑作に挙げたいくらい面白い。
「これまでの酒井まゆは忘れてください」と言わんばかりに面白い。
初めから儲け重視を取っていたら、自分のキャリアに傷をつける原因になる。
ハッキリ言って、漫画家は全然儲からない職業です。手に入れた印税から、所得税だけでなく、
取材経費、文房具の諸費、アシスタントの人件費と夜食代、その他モロモロ引かれて、
最終的に手に入れたのはスズメの涙。いい意味で「悪銭、身に付かず」。印税生活なんて甘い甘い!
余談だが、皮肉な事に「アニマル横町」がTVアニメ化になったのは、
地道にやっていれば、メディアは自然と付いてくる一番のいい例ではないでしょうか。
②勢いのある若手の積極的起用
8月号まで見てみると、藤原ゆか、持田あき、小桜池なつみ、大岡さおり、込由野しほと
すべて将来性の高い人材を連載で積極的に投入し、次号9月号からは
6月号の読み切りの評判が高かった黒崎みのりを巻頭カラーで出す勝負に打って出て、
加々見絵里は「ウルトラマン」シリーズで知られる円谷プロの新作特撮ドラマ「生物惑星WOO」を
コミカライズ。
若手の積極的起用にはこんな背景がある。
■「びっくり大増刊号」改め「チャレンジ大増刊号」で本紙連載権をかけた読者投票企画を敢行し、
冬チャレでは大岡さおり、春チャレでは真城ひなが選ばれた。(真城ひなは10月号より登場とのこと。)
■「出ましたっ!パワパフガールズZ」「生物惑星WOO」はTV番組を基にした原作つきで、
原作つきの作品は若手育成の面から見たらいい薬だし、いきなり漫画からアニメを狙うよりは、
完全ノーリスクではないけど、リスクを最小限にとどめることができる。
この新人戦略はテーマと一貫性がしっかり明確化されており、より実りあるものにしている。
(腐ったミカンの明間内閣下の時はテーマと一貫性がなかった事を考えたら。)
ところが、今の状況は・・・
「ラブ・ベリッシュ!」「紳士同盟クロス」「たらんたランタ」「ロッキン★ヘブン」「アニマル横町」が
カラー扉を独占しており、勢いのある若手の作品は第1話(の大半が)巻頭カラーだったにもかかわらず、
先の5作品がカラー扉を譲ろうとしない。
編集部は将来性豊かな若手の商品価値を高める気がないのか!
漫画雑誌にとって漫画家は商品です。ただの給与所得者と考えてもらっては困ります。
今後10年間、この5作品に働いてもらおうと思っているんですか?
このまま何も変わらない様相じゃ、りぼんは休刊になっちゃうよ!
いっそのこと、毎月の読者アンケートで5作品の”固定メンバー”のうち、最下位はカラー落ちして、
将来性豊かな若手に譲るって言うのはどうか。
本誌全体で競争意識を高めて、漫画家各々の商品価値を高める。いい薬だと思うのだが。
将来性豊かな若手の諸君、飛躍のためなら、種村有菜を踏み台に使ってもかまわない。
春田ななを噛ませ犬にしても構わない。ビッシビシ活躍してもらって、一気に下克上だ!
◆新増刊「あみ~ご」
春に刊行した「アニマル横町」増刊の評判が良かったせいか、小学生低学年以下向けの増刊が
バージョンアップして夏に登場するのが「あみ~ご」。
角川書店が「少年エース」に連載されアニメも3年目を迎えた「ケロロ軍曹」をフューチャーした
小学生以下向けの「季刊ケロロランド」も評判が高い事から、集英社も新機軸の雑誌を出したのではないでしょうか。
その内容を見てみると・・・
■「アニマル横町」の3D立体漫画、「チョコミミ」のぬいぐるみ漫画
■「出ましたっ!パワパフガールズZ」の特別書き下ろしアニメリポート漫画
■「アニ横」と「チョコミミ」の合作社会見学漫画
■「ちびまる子ちゃん」まるちゃんと自由研究
■お母さんと一緒に読もう!池野恋&水沢めぐみ書き下ろしお楽しみ絵本
その中でもワタクシが「あみ~ご」2冊買いすると決意させたのは・・・
お楽しみ絵本の池野恋パートで、「ときめきトゥナイト」が登場するのだ!!!
今のりぼんっ子の母親は、80年代の「りぼん」を体感していた世代が主。
無論「ときめきトゥナイト」に夢中になっていたに違いない。
ワタクシは今、低迷するりぼんの復興について、頭の中をフル回転させ、その結論が池野恋に達しました。
池野恋の漫画は人間国宝レベル。「ときめきトゥナイト」がワタクシの求めるもの。
リアルタイムで読み、りぼんに目覚めさせるきっかけを与えてくれた、ワタクシの少女漫画の真理は、
”りぼんの原点”を体現してきた池野恋にあったといっても過言ではない。
スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア教会のように、
一条ゆかりが土台(ルール)を作り、太刀掛秀子が骨組み(マナー)を築き上げ、
池野恋が仕上げて昇華したことで、今のりぼんが成り立っています。
だが、完成時期は未定、いや、絶対に完成しないのがサグラダ・ファミリア教会とりぼんですから。
この新増刊を皮切りに、希代のカリスマにして、”恋ちゃま”の愛称で親しまれ、
全てのりぼんに携わる者にとっての”神”と崇める池野恋を、まだ混迷の続くりぼん、いや少女漫画界の
メシア(救世主)として再生させる。
7月18日は”真”のりぼんっ子にとって、インデペンデンス・デイ、決起の日になるに違いない!
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ちなみに「あみ~ご」の由来になったアミーゴはスペイン語で友達の意味。
「おともだち」「なかよし」「フレンド」と友達にちなんだ雑誌名を展開していた講談社にとっては
集英社からの突然の”不意打ち”に痛手を食らわされただろう。
◆夏休みサイン会ツアー&アニ横ショップ
昨年の夏祭りが評判良くても、本誌の売り上げがまったく伸びず、下降線をたどってしまい、
今年は2つのイベントに規模を縮小する形に。でも読者重視の点はしっかりしている。
まず、夏休みサイン会ツアーは6会場で行われます。(いずれも14時~15時)
【対象雑誌:夏休みぴかぴか増刊「あみ~ご!」】
7月30日(日)札幌市豊平区・札幌コーチャンフォー ミュンヘン大橋店
参加漫画家:前川涼、園田小波
【対象雑誌:りぼん9月号】
8月5日(土)滋賀県彦根市・ビバシティ彦根1階 天晨堂 ビバシティ彦根ブックセンター
8月6日(日)大阪府茨木市・マイカル茨木サティ3階 ザ・シティ
参加漫画家:春田なな、藤原ゆか
8月12日(土)神奈川県大和市・イトーヨーカドー大和鶴間店3階 くまざわ書店大和鶴間店
参加漫画家:槙ようこ、持田あき(初の姉妹参加!)
8月13日(日)長野県佐久市・イオン佐久平ショッピングセンター2階 未来屋書店佐久平店
参加漫画家:酒井まゆ、小桜池なつみ
【対象雑誌:夏休み超びっくり大増刊号(8月18日発売予定)】
8月27日(日)熊本県菊池郡・ゆめタウン光の森2階 紀伊国屋書店熊本光の森店
参加漫画家:種村有菜、津山ちなみ
読者とのコミュニケーションが取れることは新たな読者開拓にもつながる恒久的な試みだと思いますね。
次はアニ横ショップ。気になるショップの中身は・・・
■セガトイズ、ショウワノート、コナミ、ジェイ・エフ・エーなどより発売されたグッズを多数用意。
このショップで新登場のグッズもあり。
■帰省みやげにオススメのアニ横クッキー(税込800円)、3種類のアニ横ゴーフレット(税込み各550円)
を販売。
■アニメで使用された設定資料、背景画、名場面スナップを展示。
会期:~9月3日(日)
会場:東京港区・アクアシティお台場3階「アクアアリーナ」
※週刊少年ジャンプのグッズショップ「ジャンプショップお台場店」に併設。
営業時間:7月14日(金)までは11時~21時/7月15日(土)からは10時~21時
とにかく行くっきゃないでしょ!
次は8月号の中身について語りまひょか。