[決勝直前企画・後編]”恨みっこなし”な理由はトリノにあり!
そこでワタクシはとんでもない共通項を発見しちゃいました。
イタリアが勝っても、フランスが勝っても恨みっこなしな理由。それは・・・
ユベントス
そう、スクテッド獲得暦(04-05シーズンまで)28回を誇っている、イタリア北部のトリノをホームタウンとする
ビアンコネロ(白黒)の名門クラブである。
何でユベントス?なんかというと、両チームの登録メンバー計46人のうち、ユベントス出身者が多い!
【イタリア】[現役]ブッフォン、カンナバロ、デル・ピエロ、カモラネージ、ザンブロッタ
[在籍経験あり]ペロッタ、ペルッツィ、インザーギ
【フランス】[現役]テュラム、ビエラ、トレゼゲ
[在籍経験あり]ジダン、アンリ
現役と在籍経験あり合わせて13人と全体の約4分の1(28%)を占めている。
しかも今のアズーリの監督マルチェロ・リッピは’94年~’99年と’01年~’04年の2期、
ユベントスで指揮を振るっており、在任中はイタリアの主要タイトルを多数獲得し、
’98年にはUEFAチャンピオンズリーグとトヨタ・ヨーロッパ・サウスアメリカ・カップを制覇。
アズーリ前任者のジョバンニ・トラパットーニも’76年から’86年にユベントスの黄金期に
指揮を振るった人間で、その時の中心選手が、フランスの”将軍”ミシェル・プラティニである。
どうでしょう。奇妙な偶然が生んだ今回の決戦。
ユベントスは現在、審判員指名操作による不正疑惑が持ち上がっており、
この容疑が”クロ”になると、タイトル剥奪、勝ち点没収だけじゃ済まされず、
これまで守ってきたセリエAの座からセリエBを超えて、セリエC1(3部リーグに相当)に降格。
ユベントスはおろかイタリアサッカー界にダメージを与えた今回の不正工作の中、
FIFAワールドカップ(TM)4度目の優勝は、トリノだけでなく世界中のユベンティーノ(ユベントスのサポーター)に
希望を与える薬なのだ。
’82年のスペイン大会はイタリア代表がエース・ストライカーのパオロ・ロッシの活躍により制したが、
パオロ・ロッシ自身、’79-’80シーズンのセリエAで八百長疑惑がかかり、
2年間の出場停止処分を食らわされた。大会直前に処分が解けたばかりで勝負勘に疑問がありつつも、
2次リーグ初戦のブラジル戦、”黄金のカルテット”の前でハットトリックを記録。
準決勝のポーランド戦で2得点、決勝の西ドイツ戦で1得点を挙げ、
イタリアに44年ぶりのトロフィーをもたらし、ロッシ自身も得点王になり、イタリアサッカー界の信頼を回復させた。
なんだか、イタリア寄りの説明になってしまったが、どっちが勝っても世界中のユベンティーノに
希望をもたらしてくれる事は間違いないだろう。