読書 清水潔「殺人犯はそこにいる」「騙されてたまるか」 | アンチエイジングや美容のブログ

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ドキュメンタリーや事件ルポものが好きな人にはカリスマの清水潔さん。

この人の1番有名な著書の桶川ストーカー事件の本を読んでから、すっかりファンになりました。

冤罪事件や警察がちゃんと動いてくれず被害者や遺族が泣き寝入りになる事件を、すごい執念で追って、最終的には警察より先に犯人を特定したり、警察を動かしたりするすごい人です。

 


↑この本おすすめです


警察の不祥事隠蔽のクズっぷりや、記者の仕事の裏側もわかったりで読み物としても面白いです。

 

「殺人犯はそこにいる」は、冤罪だった足利事件がメインです。

冤罪、真犯人、警察の怠慢について書かれています。

 

冤罪の恐ろしさと、冤罪であってもそれを認めてもらうまでの壁の高さに恐ろしくて震えます。

そしてこの本も警察のクズっぷりに驚愕します。

救いなのが、菅家さんは冤罪じゃないかと疑問に思って文通や面会で励ます行動に出た近隣の主婦の存在です。

弁護士とか人権団体とかじゃなく、いち主婦なのにすごい。

 

冤罪の被害者の人生を考えてしまうと、読み終えた後もあまりすっきりしない後味は良くない本です。

年老いてからやっと無罪判決が出ても、時間は帰ってこないし、この人の人生ってなんだったんだろうと暗い気持ちになります。

そしてこの本では真犯人にかなりせまっているのですが、記者が捜査してたどりつける犯人を、なぜ捜査のプロの警察が捕まえられないのかというモヤモヤ感も残ります。

 

それでも、読んで良かったと思える本です。

 

 

 

清水さんの本、もう1冊。




この本は、清水さんが追っかけた色んな事件の詰め合わせです。

 

たとえば、日本に来ている外国人労働者(ブラジル人)から轢き逃げや強盗の被害にあっても、加害者はすぐに帰国してしまい被害者は泣き寝入りしているケースが多いそうです。

一人娘を轢き殺されて、ひっそり生活しているお父さんのエピソードとか辛すぎる。

そこで清水さんのすごいのは、ブラジルまで行き加害者ひとりひとりを見つけ出し、どう思っているのかを直接ぶつけているんです。

その時の加害者や家族のケロっとした態度に清水さんは憤慨しているのですが、読んでいても腹が立ちます。

「狭いアパートで暗く独り生活している遺族のお父さんを思うと」みたいに書かれていて、ただ事件をおっかけて成果を手に入れるんじゃななくて、被害者と遺族の無念を晴らすためにやっている感じがすごく伝わってきます。

そしてすごいのが、この現地突撃のあとにブラジルに逃亡した加害者達が処罰されることになったそうです。

清水さんGJ!!

ちなみにこの取材のブラジルの現地協力者の衝撃的な事後エピソードもあります。こわい。

 

 

あと、北海道の図書館職員殺人事件も清水さんが疑問をもって警察に突撃し、解決に至った話も載っています。

この事件は北海道民なので発生後はわりとよくニュースで観ていましたが、報道されているだけじゃわからない裏が色々知りました。

清水さんが疑問を持って動かなければ、警察は犯人を逮捕できず迷宮入りになったかも事件です。

ここでもまた、記者が調べて推測できた犯人を、捜査のプロの警察がなぜ先に見つけらなかったんだと。

ぜんぜん動こうとしない田舎の警察の能力の低さと怠慢おそろしや。

この事件も、犯人捕まえてよっしゃ!じゃなく、一人娘を殺されたご両親は犯人逮捕を待つようにして亡くなり、1つの家庭が事件で消滅してしまったことまでちゃんと書かれています。

やっぱり清水さんは被害者や遺族の立場目線の人なんだな〜と思いました。

 

 

それにしても、いざ犯罪被害者になったときに警察が動いてくれなかったらそんな目の前真っ暗なことないですよね。

警察が真犯人をつかまえようとしない、とりあってくれない、そんなありえない理不尽な事が実際に日本でたくさん起きているという恐ろしい現実を知ります。

そいういう遺族や被害者にとっては、清水さんってきっと救世主だったんだろうな。桶川とか図書館事件なんてとくに、清水さんに救われたはず。

 

かなりの清水推しになってしまいましたが、ただ「これはおかしいんじゃないか」と問題提起するだけじゃなくて、すっぽんのごとく最後までしつこく取材して、なにかしらの成果を出すところまでやりとげるところが本当に神です。

惚れてしまいます。