本田親徳翁の「鎮魂法と帰神術」について考察したいと思います。

 

 

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肉体感覚の消失とは、無重力の空間に自分の一霊四魂だけがぽっかりと浮かんでいるような状態だ。意識は判然としているが、手を動かそうとしても、手があるという感覚が全くない。


そのレベルを「完全なる肉体感覚の消失を伴う霊肉分離」というわけだが、「感覚を蕩尽し」がそこまでを要求しているとは思えない。なぜなら肉体と周囲の空間の境はなくなっても、自身の存在感が消失していないからだ。つまり霊肉分離は、先の7項目全てが達成された時に起きるのだ。

鎮魂法に戻るが、他感法でこのような「感覚を蕩尽」する感触が得られたら、鎮魂法で身体の中府にある一霊四魂と鎮魂印、そして天宇受賣大神の鎮まり坐す鎮魂石の「ムスビ」で得られた天宇受賣大神の神気に自分を委ねる。すると徐々に肉体感覚が希薄になってゆくのがわかるだろう。

鈴木廣道翁が本田翁から頂いた伝授状に、「皇法、神憑、鎮魂」の順で書かれているが、これは学びと修行の順序でもある。皇法で信念を確立し、神憑(他感法)で祓いと神気を感得し、鎮魂で霊魂の運転活用を学んでゆく。そしてそれらを極めてゆく過程で霊肉分離による神人合一を得ようというわけだ。