明治の元勲にして本田親徳翁の高弟であった副島種臣翁の「蒼海窓閑話」(明治31年12月)を御紹介したいと思う。解説については自説であり、本田霊学としての公式見解ではない。
 

 

 

蒼海窓閑話卷之上

『八岐大蛇一段、葢虛談ナリ。大蛇トテ其樣ナ者ハアル可キ筈ナシ。』(『副島種臣全集3』)

 

八岐大蛇の段も勿論「説神理」だが、天叢雲剣を登場させるために必要だったのだろう。

三種の神器(八咫鏡・天叢雲剣・八尺瓊勾玉)を本田翁は「鎮魂の器械」と言われた。

 

「鎮魂ノ祭ハ人間霊魂ノ作用一大事件ニシテ、三種ノ神宝卜共二皇孫命二大御神ヨリ御伝授アリシモノニシテ、三種ノ神宝卜雖モ天祖ノ御霊ノ憑リツキ坐サズバ何ノ益カアラム。然レバ三種ノ神宝ハ天皇ノ御宝ノ至極上等二位スルモノト雖モ、強テ之ヲ申シ上ゲンニハ鎮魂ノ器械トモ唱ヘテ大イニ違フ処ナシト思ハル、也。此フ善ヘテ云ハムニ、天祖天孫ノ霊魂ハ活物ノ最大要ニシテ、玉餌鏡ハ神工人エニ掛ルモノナレバ也。尤モ此ノ鎮魂ノコトハ三種ノ神宝ノコト至尊ノ御為皇国人民ノ為大事件ニアレバ、別二又委シク申スペシ』(「古事記神理解」『本田親徳全集』)