明治37年御製

 

大空に そびえて見ゆる 高嶺にも

 のぼれば登る 道はありけり 

 

明治神宮の「365日の大御心」では、次のような口語訳になります。
「大空に高くそびえ立っている険しい峰々にも、意を決し登ろうとすれば、登り得る道はあるものである」

 

「やまと心 明治天皇御製謹註」(佐佐木信綱著)では、

「いかに困難なる事業にも志だにあらば成功すべき手段は必ずあるべきよしをたとへ宣へるなり」

 

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ロシアとの戦争では、戦費の調達にも苦労し、まさに総力戦の様相になりました。

諦めることなく全力で道を探し、なんとか調達できましたが、次から次へと難題が続きます。

「のぼれば登る 道はありけり」一つ課題をクリアする度に、天皇も安堵されたことでしょう。

 

戦争が始まると、今度は難攻不落の旅順要塞の攻略、最強を謳うバルチック艦隊との海戦など連日、薄氷を踏む思いだったと思います。さらに毎日報告されるあまりに大きな犠牲者数も、天皇を悲しませ、苦しませたはずです。天皇の心痛は翌年迄続きました。