ドイツ鉄道旅行(その5:メクレンブルグ・ボンメルン軽便鉄道) | gayasan8560のブログ

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5.メクレンブルグ・ボンメルン軽便鉄道
 メクレンブルグ・ボンメルン軽便鉄道は、ベルリンから北に約130㎞離れたメクレンブルク・フォアポンメルン州にある全長2.6㎞、軌間600mmの保存鉄道です。
 もともとは、当地にあった製糖工場への農産物運搬用の農業用軌道として1888年に一部区間が開業しました。その後、旅客輸送も行うようになるとともに路線の延長を行い、最盛期には路線延長200㎞近い規模を持った軽便鉄道となりました。一部の支線は個人(地主)所有で収穫時のみ馬力での運行が行われていたそうです。かつて北海道にあった殖民軌道のようなものだったのでしょうか。第二次世界大戦終戦に伴い全線が運行停止、賠償のための資材撤去が行われましたが、道路未整備で充分な自動車輸送が行えなかったことからソ連軍の命令で一部区間の再建が行われ、ドイツ国鉄(東ドイツ)により運行が行われました。しかし、徐々に沿線地域の道路整備が進み、段階的に路線が廃止されていき、最後の区間も1969年を最後に廃止になりました。
 その後、1999年に鉄道愛好家団体の手でシュヴィヒテンベルクとウーレンホルストの一駅区間の整備が行われ、保存団体(博物館)による運転も行われるようになり現在に至っています。運転は蒸気機関車による場合もあるようですが、私が訪問したときは入換用のような小型ディーゼル機関車が3両の客車を牽引して行っていました。




1944年時点の路線図。赤い区間が保存鉄道として現存している区間

出典:Mecklenburg-Pommersche- Schmalspurbahn のHPより

写真1
 車庫のあるシュヴィヒテンベルク駅にて。留置線のは蒸気機関車が1両停まっていました。保存団体のHPによれば廃止時に在籍していた6両の蒸気機関車が保存されているそうですが、この日は1両しか見かけませんでした。写真の99-3461号機は、1925年製でもともと造船所の中で働いていた機関車のようです。


写真2
 シュヴィヒテンベルク駅構内にて小型SLと小型DLの並び。

 

写真3
 車庫の中にも入れて頂けましたが、何両かの小型DLや客車が整備中?でした。

 

写真4
 ウーレンホルスト駅方面から回送されてきた本日の営業用列車。小型DL牽引の3両編成(客車+無蓋貨車改造の屋根無し客車+客車)です。

 

写真5~8
 線路はシュヴィヒテンベルク駅からウーレンホルスト駅の区間に加えて、途中から大きな岩が複数展示されているボルダーガーデンへの線路がデルタ線のような形で分岐しています。ボルダーガーデンへの線路は、もともとの軽便鉄道時代の線路ではなく、保存鉄道となってから2004年に整備された区間のようです。