雪月花に乗る | gayasan8560のブログ

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趣味の鉄道、街歩きネタを中心としたブログです。鉄道については、主に歴史的視点からの記事が多いです。

 今回はえちごトキめき鉄道が運行する観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」(以下、雪月花と呼ぶ)の乗車体験記です。

 

図 えちごトキめき鉄道路線図(出典:えちごトキめき鉄道HP)

 

 

写真 上越妙高駅に入線する雪月花(ET122形1000番台)

 

 雪月花は、土日を中心に上越妙高駅から糸魚川駅までの往路便と糸魚川駅から上越妙高駅までの復路便が運行されており(冬季を除く)、往路では洋食、復路では和食が車内で提供されます。私が乗車したのは上越妙高駅を10時19分に発車する往路便でした。朝7時台に東京駅を出る北陸新幹線(はくたか)に乗車すれば間に合うので前泊する必要もなく日帰り利用が可能です。

 えちごトキめき鉄道の上越妙高駅改札口で、事前に送られてきた予約確認メールの画面を係員さんに見せて乗車記念証をもらったらチェックイン完了です。この乗車記念証があると、当日のえちごトキめき鉄道が乗り降り自由になるのは地味に嬉しいです。ホームで待っていると発車数分前に直江津駅方向から赤い塗装が目立つ2両編成の雪月花が入線してきました。

 

写真 2号車座席(海側)

 

写真 2号車座席(山側)

 

写真 2号車座席(セミコンパートメント)

 

写真 1号車(フリースペース)

 

 2両編成の雪月花で私が乗車したのは2号車の2人用ボックスシートでした。2号車には、その他に4人用ボックスシートと4人用のセミコンパートメントがあります。1号車は運転席後のフリースペース、座席が日本海側を向いたラウンジ席、車両端にある車いす対応のボックスシートがあります。その他、1号車にはトイレ、2号車にはさくらラウンジというカフェバーコーナーがあります。

 

 定刻に上越妙高駅を発車した雪月花は、終点の糸魚川駅とは反対方向の上越高原駅方向(妙高はねうまライン上り)に向かいます。往路の雪月花は、まず妙高高原駅に向かったあと折り返して直江津駅に行き、そこから日本海ひすいラインに入って糸魚川駅まで、という複雑な運行を行います。途中停車する駅は、二本木駅、妙高高原駅、直江津駅、筒石駅で各駅とも10分以上の長時間停車になりますが、上越高原駅以外の駅で乗車することはできず、あくまでも観光のための停車になります。

 

写真 往路で提供された食事(洋食)

 

写真 往路で提供された食事(デザート)

 

 往路の車内で提供される食事はお重に入った洋食です。雪月花では、車両の電源容量の制約から、加熱を伴う調理が行えないことから、原則として往路も復路(和食)もお重に入った弁当形式での提供となるようです。一品一品は少量ですが、とにかく種類が多いので質量ともに満足できました。雪月花のコンセプトは「all made in NIIGATA」。大は新潟トランシス製の車両から小は金属製箸置き(燕市製)まで新潟製品で埋め尽くされており、食材も当然のように新潟県産が多用されています。

 

 最初の停車駅はスイッチバックで有名な二本木駅。開業当時から残る駅舎など登録有形文化財の建物もあります。

 

写真 二本木駅駅舎(明治44年の開業時の建物)

 

写真 二本木駅ランプ小屋(開業時からの建物、車内灯燃料油の貯蔵用)

 

 次の停車駅は妙高高原駅。えちごトキめき鉄道としなの鉄道の境界駅。構内の融雪溝に鯉が泳いでいるのに驚きました。途中駅で唯一途中乗車が可能な駅。ここまで空席だった隣の4人席や最後尾のセミコンパートメントも、ここから乗車されたお客さんで埋まり、車内はほぼ満席になりました。

 

写真 妙高高原駅(赤い奴らは妖精らしい)

 

写真 妙高高原駅構内の融雪溝(よく見ると赤い鯉が見えます)

 

 3番目の停車駅は直江津駅。ここまでは妙高はねうまライン。ここからは日本海ひすいラインと路線が変わります。雪月花の到着に合わせて駅弁売りのおじさんが立ち売りをしてくれます。とはいっても、雪月花の乗客は車内でたらふく食べているので、半ばパフォーマンスのようなものですが、ホームには雪月花の乗客以外でも入れるので、この時間に合わせて直江津駅に行けば、駅弁立ち売りの人から駅弁を購入する貴重な体験ができます。

 

写真 直江津駅に停車中の雪月花

 

写真 雪月花を見送ってくれる駅弁売りのおじさん

 

 

 最後の途中停車駅はトンネル駅として有名な筒石駅。ただし、停車時間は10分くらいなんおで地上まで往復する時間はなく、階段をちょっとだけ上り下りして我慢です。

 

写真 筒石駅に停車中の雪月花

 

写真 筒石駅のホームと階段を隔てるドア

 

 約3時間かけて無事に糸魚川駅に到着。充分に雪月花を堪能しました。まだ13時過ぎなので、今日中に東京に帰るとしても、あと半日は十分に楽しめます。北陸新幹線の偉大ですね。

 

 

 

 

写真 糸魚川駅広場に建つ奴奈川姫像

 

写真 糸魚川駅に停車中の大糸線

 

 いまや数えきれないほど存在するリゾート列車ですが、雪月花は北陸新幹線を使えば東京圏から日帰りできる(私も今回日帰りでした)のが大きなアドバンテージだと思います。沿線への経済効果を考えると宿泊してもらった方が良いとは思いますが、まずは利用してもらえないことにはどうしょうもないでしょう。不定期ですが、周辺の他社線にも乗り入れることがあるようですし、アイデアマンの有名社長もいることですし、これからの新たな展開に期待しています。