今年の共通テストの日本史Bは鉄道ネタ満載でした | gayasan8560のブログ

gayasan8560のブログ

趣味の鉄道、街歩きネタを中心としたブログです。鉄道については、主に歴史的視点からの記事が多いです。

既に一部で話題になっているようですが、今年の共通テストの日本史Bに鉄道に関する問題が多数出ました。日本史は大問が6つで構成されていますが、そのうち最後の第6問まるまるが鉄道に関する問題になっています。日本史100点満点中、第6問の配点は22点なので馬鹿になりません。何十年ぶりに受験生になった気分で問題を解いてみることにしましょう。

 

第6問

問1

 

 正しい組み合わせを答える問題です。

 これは鉄道の知識が無くても、世界遺産になった富岡製糸工場、日本で石油はほとんど採れないことがわかっていれば簡単な問題ですね。答えは③。

 

問2

 

 

 問2も正しい組み合わせを答える問題です。

 開業時に電車が無かったことがわかれば選択肢cは簡単に除かれるので、正解は②か④になります。両者の違いは鉄道開業時に太陽暦が既に採用されていたか否かです。問題文に、「1872年に出された改暦の詔書」、「同年に開通した新橋-横浜間の9月の時刻表」とあり、改暦の詔書の日付が11月であることから、鉄道開通は太陽暦への改暦前であることがわかるので正解は②。現在の鉄道記念日10月14日は、旧暦の明治4年9月10日を新暦換算したものなんだな、というトリビアネタも仕込めるお得な問題でした。

 

問3

 

 

 問3は選択肢の中から選ぶ問題です。日本初の民営鉄道である日本鉄道が、政府の財政窮乏により官営での鉄道建設が遅々として進まず、民間資本を投入して鉄道建設を促進させようという流れで生まれた経緯をわかっていれば、正解は①ですね。

 

問4

 

 問4は出来事を年代順に並び替える問題です。満州事変のきっかけの1つともなった張作霖爆殺事件と、日露戦争により取得した満州における鉄道利権により誕生した南満州鉄道会社設立の前後関係は容易にわかります(南満州鉄道会社の設立が先)。戦前の日本が中国に対して多額の経済借款を行うタイミングとしては建国直後の中華民国以外に無さそうなので、それを考慮して選択肢を見てみると正解は④です。

 

問5 ※Bの文章は問5~問7共通です。

 問5は、写真とそれに関する文章の組み合わせを選ぶ問題です。三鷹事件、下山事件とともに戦後国鉄の三大事件である松川事件と、食糧難による買い出しの知識があれば、正解の②はすぐに導き出せそうです。

 

問6

 問6は選択肢の文から正しいものを選ぶ問題です。表2から1975年から1980年にかけて鉄道旅客輸送が減少していること、自動車旅客輸送は一貫して増加していることを読み取れて、あと第1回東京オリンピックの開催年が1964年であること、この3点がわかれば正解の④は簡単に導き出せますね。

 

問7

 

 問7は4つの選択肢から正しいものを選ぶ問題です。今の受験生にとってNTTも国鉄民営化も歴史の中の出来事なんですね。どちらもつい昨日の事のように覚えているおじさんは簡単に正解の②を選ぶことができます。

 

 ただでさえコロナで大変なのに、東大での不幸な事件や津波警報など気持ちを動揺させる出来事が連続で起きてしまい、本当に受験生の方々には気の毒でなりません。共通テストは今日までですが、それ以外の試験も含めて、すべての受験生がこれから最後の試験が終わるまで全力を尽くすことができるよう願ってやみません。