80年前の災害救助派遣 | gayasan8560のブログ

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趣味の鉄道、街歩きネタを中心としたブログです。鉄道については、主に歴史的視点からの記事が多いです。

「平成27年9月関東・東北豪雨」と名付けられた豪雨による水害で被害にあわれた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
先日の水害の際、災害救助活動のために自衛隊が派遣されたように、大規模な災害が発生して通常の警察・消防組織で対応しきれない場合に、軍隊を救援活動に充てるのはどこの国でも行われていることです。様々な輸送手段を持ち自立して訓練の行き届いた組織は、災害時に大きな力を発揮します。
もちろん戦前の日本でも、災害時に軍が派遣されています。今回紹介するのは、今から80年前に行われた陸軍による災害救助派遣に関する文書です。

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昭和10年9月26日に発生した関東地方の水害に対して、茨城県知事からの要請により工兵隊員を200名派遣したという、参謀総長から陸軍省あての文書です。派遣場所は龍ヶ崎付近の小貝川と利根川とありますから、先日の水害のあった場所に近い地域であったようです。80年たっても同じようなことが繰り返されているという治水の難しさを実感します。

派遣された第14師団は、上海事変、満州事変に参加し災害派遣前年の昭和9年に内地に戻ってきたばかりでした。その後、盧溝橋事件発生により、また大陸(主に満州)に派遣されています。ちなみに、第14師団の司令部が宇都宮にあったため、宇都宮には満州帰りの人が多く、その人達が餃子を広めたのが現在の宇都宮餃子になったと言われています。