全く社交ダンスに関係ありません

 

私は18歳で私立の薬学部に入学しました。大阪万博のあった年です

それまでは小学校から鹿児島で育ちました

父は転勤族でした

いまは首都圏と地方の差・情報差というのはほとんどありませんが

当時の情報源は3つしかチャンネルのないTVや新聞、週刊誌でした

 

大学入学と同時に一家そろって上京したのです

まあカルチャーギャップの大きかったこと

 

入学時の同級生は男3~4割,女6~7割と女子のほうが多かったのです

男子は医学部受験をしたものの望かなわずに医療系というので薬学に来た人

浪人経験者はほとんどがそれでした

それと家が薬局をやってる人です

女子は様々な家庭の子でしたが親が医者や薬局の子も少なからずいました

 

女の子の場合は、手に職をつけておいたほうが将来が安心というのもあったし

それと上手くいけばお医者さんのお嫁さんになれるかも

お医者さんの家の女の子は薬剤師免許をもっていれば

お医者さんのお婿さんをゲットするのに有利かもって目論見ですかね

 

女の子にとっては嫁入り道具の役割での薬剤師免許というのもあったのです

お茶やお花より実用的ですからね

 

今のようにお医者さんにかかって処方せんをもらって薬局に

という医薬分業はあまりなくてお医者さんに行くとお会計時にお薬もでる

そんな時代でした

 

私の場合、薬学部は化学をやれるからという単純な理由で化学がやれれば

学部はどこでもよかったのです

 

幸いに2年生の時に師匠にであって3年生で師匠の研究室に弟子にしろ!って

押しかけてそのまま大学院まで進学しちゃいました

 

大学院1年生から2年生になろうかという2月ごろ

研究室にしばしば現れる先輩がいました

 

当時は薬剤師国家試験は年に2回あったのですが、それでも合格できなかった

卒業生が研究室の先生に勉強を教わりに来たりしてたんです

 

先生だけでなく、研究室の先輩も

ついでに私達のような院生も勉強の手助けなんかしてましたね

 

なぜかその先輩(M先輩)が食事に誘うのですよ

何度も何度も

先輩とご飯なんか食べても美味しくないし夜は漫画やTVを見てた方が楽しい

 

でも研究室の先輩達が一度くらい付き合ってやれと煩いのと

本格中華を食べに行こうというお誘いに負けてご飯に行きました

はじめて本格中華というのを食べたのです

 

でそれをきっかけに何度かデートらしきものにも行ったりしました

デートってのにも興味がないわけではなかった

 

幸いにM先輩も春の国家試験でほぼ合格間違いないとなりました

それでM先輩は郷里(Y県)に帰ることなって、その前日でしょうかね

 

私の下宿にM先輩がきました

 

私は大学院進学を決めた4年生から大学の近くに下宿したのです

4畳半に押し入れと半畳分の流し台、トイレ共同のそんな部屋です

 

一度郷里に帰ってまた来るから待っててね

といわれたのかな?

 

あっさり、じゃあねと別れました。

内心、ああ~清々したってのは酷いですか?だってデートも面倒だったのです

 

その後電話のやりとりは?

部屋には電話はありませんし緊急時には下宿のオバサンが取り次いでくれる

そんな状況で電話なんぞあるはずない

 

2か月後くらいですか?

M先輩が私の下宿にあらわれましたよ、久しぶり~とかなんとか

 

待たせたね、一緒に郷里に帰ろう

はい??なんのこと?何言ってんのこの人

 

私は大学院を辞めて先輩と一緒にY県に行くってこと?

待っててってそういうこと?

 

ヤダ!なんでY県まで行かなくてはいけないの?

大学院辞めなくてはいけないなんて考えられない

研究だって面白いところに来てるのに!

 

M先輩はびっくり、なんでだ!

 

双方が全く意識が違ってたってことですよ

 

M先輩にしたら、彼は手広く展開している薬局の跡取りだから

私が嫌というはずがない

なんせ女の子にとっては薬剤師免許は嫁入り道具

M先輩の親だって薬剤師の嫁は大歓迎

 

私は本格中華に興味があっただけで、M先輩に対して何の思いもなし

デートしたじゃん

まあねえ成り行きだよねえ(冷たい?)

 

その後 事情を知った研究室の先輩にこっぴどく怒られました

アイツの気持ちは分かってただろう、玉の輿だぞって

 

そんなの知るわけないわ、だって男より化学のほうが興味があるし面白い

玉の輿より私が玉だ・・(結果は石だったかもですが後悔はない)

 

そうだよな~~お前はそういう奴だよなあ~

研究室の先輩も呆れたのか、諦めたのか、それでおしまいでした

 

最近のTVで昭和の価値観を見ることがありますが

いまだったら成り立たない話でしょうね、こんな話