KEIさんの今日のブログの後半に

 

 

小説を書いていきなり出版社にもちこんでもまず採用されないという内容のことがありました

 

出版業界・文筆業も厳しい世界なんですね

 

で、自分の元いた業界の話:今日は明るい話題じゃありません

 

○○博士って言われると、勉強を頑張ったんだね

好きな分野を仕事にしてよかったね・・

ここには おそらくそれで生活できてるという誤解

これが一般的かなと思います、もっと言えば高給取りかもという誤解も

 

「博士号は足の裏の米粒」って古くから言われてます

意味は博士号は取るまでは気になるけど取っても食えないってことなのです

 

博士号を取るには二つのルートがあります

 

1.博士前期課程(修士課程)の後に博士後期課程(3年)に進んで計5年で博士論文を提出する

こちらは最短ルート5年で博士号が取得でき課程博士と呼ばれます

 

2.仕事をしながら博士論文を書いて論文を審査してくれる機関(大学)に提出して博士号を取得する。

こちらは論文博士(論博)と言われます。

多くの場合修士課程(2年)をでてから最短6,7年かかります

仕事をしながらですからかなりの無理をするし精神的にも時間的に厳しいです

 

文科省の博士を沢山作りたいという20年ほど前の方針から

博士課程が充実・拡張しました

日本の学術研究分野を推進するためです

その時はいずれ論文博士は停止されるだろうと言われてました

現在はまだ停止されてません。できない事情が生じました

 

現状は過程博士を出ても研究職の常勤職は本当に限られたものしかありません

大学はもちろん民間や公立の研究所もポストが満タンなんです

現在いる人が辞めないと新規募集はありませんから

 

分野によって違いますけどね

 

じゃあ博士課程を修了してどうするかというと

任期2年程度の博士研究員としてどこかの研究機関に潜り込むか、

大学や専門学校の非常勤講師で食いつなぐってことになります

非常勤講師を5,6か所掛け持ちしてやっと生活できます

どちらも年間に200万~250万程度もらえればよいほうかな

 

大概のひとが在学中に奨学金を受けてますのでそこから返済が始まります

 

どこかで食いつなぎながら常勤職のポストを狙っていくのです。

研究職や大学・専門学校の常勤職員や非常勤職員の職業斡旋のためのサイトもあります

 

後輩君は一時期毎日このサイトをチェックしてましたよ

新に上にきたボス(上司)に移動を迫られてのことです

ボスが変わると研究分野も変わるのでそんなのはよくある話です

 

大学や研究所の常勤になっても気は抜けません

大学では5年任期の任期制を採用しているところもあって、

5年間に一定の業績をださないと再任されないこともありうるのです

 

私は薬学分野でしたので、大学院に入ってくる学生は薬剤師免許をもっています。

卒業後思うような職がなかったら薬剤師として働けばなんとかなる

なんとかはなりますが、その場合には研究のキャリアは捨てざるを得ません

 

いまはどうかというと、薬学は今は6年間で学部の卒業となってます

それから修士課程はなくていきなり博士課程の4年間に進学するかどうかになるんです

でも実際に博士課程に進学する学生さんは多くありません

だって食えないもん

 

昔は学部は4年で修士課程2年がありました。

修士にくる学生さんは多かったですね。でも博士課程まで進学するのはほんの少数であとは皆就職でした。研究を続けるという学生はごく少数です

 

薬局、病院、ドラッグストア、企業に就職

修士課程の修了者は文句を言わなければ就職先はありますが

博士課程の修了者は行先が限られます。

 

なぜかというと博士課程をでると若くて28歳、もうつぶしがきかないのです

博士課程を出て優秀な学生さんは海外に活路を見出そうとでていきます

今は中国ですか?

 

文科省の学術分野の振興という目論見は見事なまでに人材の海外流失という現実と置き換わってしまいました

 

なぜそうなったか?

日本の経済的な理由で大学も研究所も補助金が減ってる現実があります

しかも2年なんかの短期で結果をだすのを求められる

採用する人を減らさざるを得ないし、短期任期になりがちです

 

以前のスタップ細胞の件のあの女性、そんな研究環境の犠牲者かもです

 

高学歴プア:これが現実の姿といえるかもですね

 

今日はあまり明るい話題ではないし、狭い世界の話でした

いずこも自分の志に沿って生きていこうとしたら厳しい世界ですね

 

ダンスの世界も事情は異なれど同じかもしれません