いつものようにそこにあるはずのものが無い時。
それはちょっとした驚きと、軽い戸惑いと、僅かな焦りと、そして多大な
不便を伴う。
それは何のタイミングだっただろうか。
仕事が一段落ついた時だったか。
客先へ向かう電車の中だったか。
単にお腹が空いてきただけだったか。
もしくは、そのどれでもなく単なる無意識の行動だったか。
何はともあれ、目を腕に落とした時にそれに気付いた。
あれ・・・？
そこにあるはずの物が無い。
いつものようにそこで時を刻み続けているはずのもの。
時折自己主張をするかのように手前に顔を出しては、チャラという軽い
音と共に元に戻されたり。
引っ込み過ぎていたと思ったら、自分の痕跡を腕に残していたり。
既に日常の一部と化していたと言っても過言ではあるまい。
それが・・・無い。
・・・腕時計忘れた。
気付いてしまうと逆に気になるものと言うのはよくある。
今回も、正直気付くまでは全く持って気付かなかった。
まずはちょっと驚いた。
朝、いつもの流れで半分無意識のように装備していたはず。
それが無いのである。
一応ポケットとかを探ってみたりするが、当然無い。
自分の意思で置いていった、という事はあるがここまでスッキリと
抜けていたのはなかなか珍しい。
そして戸惑う。
時間が気になるといつもの感覚でどうしても腕をみてしまう。
しかしそこに回答は無く。
仕方が無いので携帯で時間を確認する訳なんだが、これがまたうまく
感覚に合わないと言うか。
どうしても、違和感を感じてしまう。
忘れてきたはず、という焦り。
もしかしてどこかで落としたんじゃ無いだろうか・・・。
ちゃんと家のいつもの場所に置かれたままになっているだろうか。
ましてやこんな時に限って夜は飲み会となっている。
気になって仕方が無い。
そして何より。
・・・一日不便だったなあ(^^;)