中学受験は・・・長すぎます(№2) | 中学受験を見直したい(隊)+α

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このブログは、中学受験を考えているけれど、『少しおかしいぞ』とか『問題ありでは?』とお感じの方には役に立つブログです。偏差値をあげたい、〇〇中に合格するにはどの塾がよいか?…そのような方のお役は立てそうにありません。

子どもにモノを教える身としては

そもそもカリキュラム、つまり講義内容の学年配当自体に

正当性があるのか?と思います。

 

また、中学受験に出題される内容は

時として“違反”している内容も少なくありません。

 

この稿の#1で、受験勉強が長すぎると指摘しました。

長い事の何がダメなのかということを

しっかり見極める必要があると思います。

 

“早くから、難関に向けての準備をする。”

こう聞けば何の違和感もないが

実際に低学年に実施している講座のテキストを見ると

要は以前の高学年用に使いまわし?

と思ってしまいます。

 

勿論、これは算数に多くみられる現状ですが。

 

原点に返って考えて見れば

低学年から中学年までの算数は、具象が中心です。

4年生の後半くらいから、徐々に抽象的な内容を盛り込まれてきます。

 

ところが、塾の低学年の難関クラスのテキストは

こういう主旨が全くありません。

多分、説明会などでは

『できる子はどんどんさせればいい!』

と説明(煽って)いるんだろうと思います。

 

で、実際にそれができる“早熟な思考”も持ち主がいるのです。

ただ、少なからず居るのであって、皆が皆そうではありません。

 

3年生に難度の高い場合の数をさせます。

できる子も居るでしょう。が、できない子も多いはずです。

 

でも、復習テストがある。

 

悪ければ、クラスが落ちる。

 

いつもトップに居なければ灘には合格できない!

 

毎日子どもの勉強を見ているお母さんとしては

気が気ではありませんね。

 

このようなことが小1からずっと続きます。

 

子どもは小さいうちは従順ですから

覚えろと言われればそのようにします。

 

テストなど、ほとんど記憶勝負ですから

記憶の上手い子にはそれができます。

 

そうやってそこそこ良い点数が取れたとします。

塾のセンセイに

『これならば灘に行けますよ』などと囁かれたら

殆どの人は信じ切ってしまいます。

 

4年生くらいまではそれでなんとかなります。

ところが時間的にも内容的にも

お母さんが付き合いきれなくなってくる時期が来ます。

そうなると本来の自力が成績にモロに出てしまいます。

 

これを見て、

『前はできたのに、なぜ?!』

と思うのは当然の感情です。

 

そうなれば、どんな手をうちますか?

 

もはや、母と子ではなくなっていきます。

 

ファストフード店で

子どもに勉強、いや宿題をさせている風景を見かけます。

そもそもその日のテストに出ることを

その日にやっている時点でアウトなのですが・・(^^;

子どもは半べそかきながら“やらされている”のです。

 

これはもう本来受験が持っている

人を鍛えるとか育てるという意味合いを

完全になくしています。

点数こそがすべてになっていますから

 

極端だと思われますか?

 

私はこういう親子が少なからず存在していると

実感し、危惧しています。

 

そして、これではだめだと

例えば私のようなものに

セカンドオピニオンを求めて来る方もいらっしゃいます。

そういうケースの子に当てはまる共通項があります。

 

それは

当たり前にできていてほしいことが

できていないということです。

それは字であったり

ノートの使い方であったり

時間の使い方であったりします。

 

なぜか?

簡単です。

そんなことに頓着している時間より

一問でもたくさん解け、

一つでも多く覚えろ!式の

“勉強”しかしてこなかったからです。

これは勉強とは言えないのですが・・。

 

大手塾に通っている子達に

このような現状を抱えながら

誰からも指摘されずに時間だけがどんどん過ぎさっていく・・・

そんな子がたくさん居るはずです。

 

それでも、すいすい泳げる子は良いのです。

 

私も、部分的に飛び級したり

“反則”したりをします。

でもそれは全体ではありません。

常時でもありません。

 

可能だと判断した時だけに

限定して行います。

 

勉強は本来、個別的指導しなければいけない部分を持っています。

全体に対して

講義というプレゼンは必要としても

その後や周辺のことは

個別的に見てあげる必要があります。

みんな同じではうまくいきません。

 

そして何より

“させすぎ”は子どもにとって

決していい結果をうみません。