幼い息子とよく遊んだ公園の近くに
坊主BARという処がありました。

飲食店の多い通りから

外れた場所にあり

外観も古びた町屋で、

ドアなんか特にオンボロで。


店にも見えず住宅街の中に
溶け込んでいるせいか
いつも混んでいなくて静かだったので

ひとりでお酒が飲みたいときに
利用していました。

当時、息子を亡くしたばかりの僕に

浄土真宗の僧侶(兼エンジニア)でもある

同僚が紹介してくれた店だったのですが


店主も浄土真宗のお坊さんで、

時には袈裟を着たままの若い僧侶の団体も

(勉強会の後?)、

奥の席を利用されるのを見たこともあります。


そういう店なので
死別の悲しみや苦しみについて
相談しに来られる方も
いらっしゃるんだろうとは思いましたが

カウンターに座っていても

不思議にそんなお客さんを目にしたことは

ありません。


ただ、どれだけ悲しそうにしていても

違和感なく接したり、

そっとしておいてくれる


「悲しさを知っておられる方々」


が集まる店である気がして

それが居心地良く気に入っておりました。
(ヨシの命日に投稿する文章の
いくつかも同場所で書いたもの)

・・・コロナ渦後は行ってないですが
ここまで書いたお勧め記事を

「全て過去形に直した」のは、


念のためネットで調べたら

店の名前と外観が

変わってしまったようなのです。

(次の店名も仏教用語samghaらしい

ので引継がれてるかも)


コロナ渦の影響で

多くの良店が失くなってしまったのは

残念です。