息子のヨシがお気に入りだった
USJのスパイダーマン・ザ・ライド。
来月で閉幕になるらしい。

ヨシと行ったのは
三回だけだったけれど、
光が溢れていた12月のUSJの夜は
特に想い出深い。

クリスマスの特別イベントが
屋外で始まるとき、

もしかしたら、
いまここに大勢ひとがいるので、
スパイダーマンのところは
全然混んでないかも?

という話をすると
「え!じゃあいきたい!」
と目を輝かせたヨシ。

たくさんの人のあいだを
くぐり抜け、

スパイダーマンの
アトラクションへ辿り着くと、
やはり人波が消えていた。

昼間は
90分待ちの行列だった通路を、
ヨシとスイスイ進んでいき

「ヤッター!」

喜びながら小走りするヨシと
手をつないで急ぐその場面は、
今でも何度も思い返します。

⋯スパイダーマンの
アトラクションを楽しんだ後、
クリスマスイベントも
観ることもできました。

巨大なツリーや

楽しそうな人々が

この世の美しい光と

曲に包まれて。


帰り際、ヨシは
「もっと居たい~!!」
と笑いながら
大声で叫びました。



今年も、ヨシの遺影の前に
クリスマスツリーを飾る。

街で綺麗なツリーをみかけて
たちどまったときにも⋯

いつも僕は左手を握りしめる。


それがどんなに悲しくても⋯
その繋いだ手を離すことは
いつまでもないと思います。