日本橋は小津和紙ビルでの教室が月に一度開催された。10人程だがほとんどの人は
休まない。仕事で医者の方、旅館のおかみさんが時々休む。みな熱心だ。
課題の雪山二種類と自由課題の流鏑馬図を前に貼る。
特に流鏑馬の図は評判が良かった。雪山は一枚目は山の稜線をどう描くかで、
肌は揉み紙といって紙をくしゃくしゃにして伸ばして表面をなでるように筆を動かし
墨が不規則に残るのを山肌に見立てるやり方だ。水面を描く時にも使う手法だ。
しかし私は余り好まないので逆筆で描いた。筆を逆さに逆毛を立てるやり方だ。
墨流し法なども偶然の出来に期待する方法であまり好きでない。
次の小川と針葉樹の森の雪景色は針葉樹の雪の積もった様子を主題にした。
いかに雪が積もって見えるか、普通に描くと雪が見えてこない。今回は良くできたと
思っている。そして流鏑馬は臨場感、特に馬の蹴り飛ばした土煙、背景に薄く残る
土煙と今まさに蹴り飛ばした黒い土を上手く描き分けられるか気にして描いた。
先生は駄目だとは言わない。ほめて伸ばす方だ。全体をかなりお褒め頂いた。
そしてその日の課題は絹本にクリスマスローズを描くという。
顔彩で色を入れる。綺麗なグラデーションで素晴らしい画だ。
これは次回描いたものを載せたいと思う。
ここでM氏に差し上げた落款をM氏が先生に見せた。どうしたのですか?で始まり
たちまち誰が作ったのか、注文できるのか、とかみんなが興味を示す。
これだ。秀岳という文字だ。これをケースに入れて差し上げた。
いかにも高そうなけーすがあったが、これが500円足らず。
あわてて、もう二度と作る気はしないと言って、それでもという方は一本5万円で
と言い、注文が来ないようにした。原価は1500円くらいだろうか、何しろ目が疲れる。
作るのに半日くらい。肩は凝るは目が疲れるはでやる気はもう起きない。
消しゴムハンコなら楽だが。石材は駄目だ。
さてクリスマスローズをどう描くか。次までに仕上げねば。