口腔ケアで誤嚥性肺炎防止 | Bitter & Sweet~膠原病・プレドニン歴34年

Bitter & Sweet~膠原病・プレドニン歴34年

日々の記録と雑感などを気ままに…

誤嚥性肺炎
避難所で心配されている高齢者の体調管理。
阪神・淡路大震災では心不全や腎不全など持病の悪化や急変で900人以上が関連死しており、死因の最多は肺炎(24%)。
この中には誤嚥性肺炎が相当含まれているとみられる。
誤嚥性肺炎は食べ物や唾液が食道ではなく誤って気管に入り、細菌などが肺で増殖することによって起こる。
加齢に伴い、のみ込む力が弱くなった人に多い。
肺炎で亡くなる高齢者の多くは誤嚥性肺炎とみられる。

口腔ケアを怠ると口の中に細菌が発生し、誤嚥性肺炎を招くことがある。
神戸常盤大学短大部口腔保健学科の高藤真理助教(口腔衛生学)のお話より。
※参考・神戸新聞 04/05

岩手県内の避難所で歯ブラシの配布などをした。
避難所には支援物資として飲料水は届いていたが、ショックや混乱から口の衛生を気に掛ける人はいなかった。
充分な数や広さの洗面所が整っていない。
普段通り磨かないと、口の中にばい菌がたまり、肺炎を起こす。

本来ならば、毎食後の歯磨きが望ましいが、難しい場合はどうするのか。
1日1回、寝る前に磨けば、就寝中の細菌の増殖を防ぐことができる。
歯ブラシがない場合は、食後にうがいをすれば食べかすや舌への付着物を除去できる。
水が限られる場合は、少量でできるだけうがいの回数を多くすること。
歯が少なくい人は、歯ブラシの代わりに綿棒を使い、食べかすをなで取るようにしてもよい。

義歯については、避難所では人目を気にして、汚れても外さない高齢者がいらした。
毎日の洗浄が難しい場合は、週2、3回でも構わないので水洗いを。
水がなければティッシュなどで拭くだけでも良い。
口の中を清潔に保つことが感染症などを防ぎ、体全体の健康維持につながる。

災害関連死。
地震や津波を生き延びたのに、充分な医療が受けられずに病状が悪化したり、厳しい避難生活で体調を崩したりして命を落とす。
そんなことがあってはならない。
健康な人であっても寒さと不自由な暮らしで体調を崩す。
余震や原発事故への不安などストレスもある。
高齢者や障害のある方、乳幼児など「災害弱者」と呼ばれる人たちの中には、迷惑をかけないようにと気を遣うあまり、症状が悪化することもあるそうだ。
避難所以外の場所に身を寄せている人たちには公的な支援や必要な情報が届きにくく、孤立しやすい。
避難所ではインフルエンザや感染症の心配もある。

「助かった命」をどうか大切に。