前回より旧ゾイドのデスピオンをレストアしています。


前回でメカ部分のレストアに目処が 立ったので、今回から外装パーツのレストアを始めます。

①欠品パーツの複製

 ・レジンにより複製した外装パーツ類


ちなみにカメラ窓はクリアーパーツなので、 透明レジンで再度複製中。

使用したエポキシレジンは硬化まで24時間かかるので、しばらく放置します。

着色はタミヤアクリル塗料のクリアーブルーです。


②破損パーツの修復

・ 尻尾を支えるパーツ
折れていたキットパーツを強化して再生し、さらなる強度アップを図るためにシリコン型を製作し、レジンで複製しました。

着色はセミグロスブラックですが、ちょっと入れすぎてしまい、かなり暗いグレーになってしまいましたぁ~
見えないから良いけど。

前回このパーツの設計を酷評しましたが、何故かというと、尻尾パーツに 差し込む際、いったん途中で止まり、さらに押し込むことで尻尾パーツ内部の突起に押されてプラパーツの弾性が作用してへこみ、完全に差し込まれロックされる構造になっています。

これは尻尾パーツを簡単に脱着できるようにするための設計ですが、前回酷評した通り、一番力のかかる部分の肉厚が無いために、尻尾パーツを支える強度が足らず簡単に折れてしまうことです。

また、尻尾パーツを支えるのはこのパーツだけではなく、 胴体後部のシャフトでも支えるという設計になっています。


このシャフトはかなり強度が高いので、簡単には折れないばかりか、基本的にスナップキットなので接着することが無いため、いつでも脱着することができます。
ということは、わざわざ破損しやすい設計を取り入れる必要も無いのですよ。
むしろ強度的なことを考えると、尻尾パーツと取り付けパーツは一体構造にしても、実用上何の問題もありません。

再販する予定があるなら、ぜひとも設計変更をお願いしますよ、タカラトミーさん!

オークションでこの製品の出品状態を見るとわかるんですが、ジャンク品のほとんどは電池ボックスの液漏れで動かなくなっているのと、尻尾が折れています。
これは明らかな設計ミスですねぇ。
前オーナーは修復しようとしたのか、破損部分に接着剤がベットリ!
おそらくですが、「最強の接着剤」 の呼び声の高い、2液混合タイプのエポキシ接着剤でももたないでしょうね。
余計なことをしなければ、破損しやすい製品にはならなかったはずなのに(TOT)。
こういう玩具は対象年齢が低いはずだから、扱いが乱暴な子供達もいるんですよねぇ。
せっかく著名なデザイナーに依頼して良いデザインを採用したのに、蓋を開ければすぐ壊れるなんて、なんともったいない!
人気のある製品だけに、致命的な欠陥と言えると思いますよ、ホント。

【今日の諺】
「蛇足」:余計なことをして、本来の目的や性能を発揮出来なくなること

とまぁさんざん悪口を言ってしまいましたが、 レジンによる複製品は簡単には折れないようになったので、この方法での修復で問題は無いでしょう。


・胴体中央部の動力パイプ
前回にも述べましたが、このパーツは軟質プラで成形されており、軟質プラの可撓性(自在に曲がる性質)により、曲げた状態で取り付けるという設計になっていますが、プラスチック(つまり樹脂製品)は、往々にして経年劣化で硬化していきます。
曲げた状態で取り付けるということは常に軟質プラの弾性が作用しているわけですから、放っておいてもそのうち折れてしまうでしょう。
補修の方法としては、曲げ伸ばしに強い金属材料を採用するのが良いだろうと思ったので、ほぼ同じ外径のコイルスプリングを手配しました。
届き次第、修復しようと思います。

・尾部の動力パイプ
このパーツも胴体中央部の動力パイプと同様に軟質プラで成形されているので、修復としては同じ処理を施すのが良いでしょうね。

・尻尾先端に装備するビーム砲の動力パイプ
このパーツは硬質プラで成形されています。
とりあえず折れた動力パイプに0.5 mmピアノ線で足付けし仮補修して、
尻尾先端に取り付けるとこういう状態となります。
ビーム砲は上下に可動して角度を変えられますが、無理やり下げると尻尾パーツの内部で干渉して折れてしまいます(赤矢印)。
破損の原因はこれでしょうね。
ここも設計段階で何とかなったはずなんですがねぇ・・・
なので、曲げ伸ばしに強い金属材料のコイルスプリングに置き換えるか、動力パイプが干渉する前に止まるようなストッパーを設けるかが必要になります。
 確実に修復するなら、両方の案を採用するのが良いとは思いますが。

・ハサミを可動させる支点となる部分
あと、いろいろイジっているうちに気づいたんですが、 ハサミを開閉可動させるギミックで、ハサミを支える支点となる部分が折れていました。
しかも左右両方とも!
こういう部分の補修って、精度と強度を両立しないとうまく動かないので、確実に作業しなければならないんですよねぇ。
幸い中心に穴が開いていたので、中に丸棒を通して(いわゆる足付け)、瞬間接着剤と流し込み接着剤で固めてやりました。
画像を見てわかるように、左右で強度アップに使った丸棒の材質が異なります。
ハサミの右側は外径2mmのプラ丸棒で、左側は外径1.5mmの真鍮パイプです。
何故こんなことになったのかというと、始めは両方ともプラ丸棒を使い接着剤でガッチリ固めるつもりだったんですが、下穴を開ける際に、左側は1.6mmのピンバイスを通した段階でドリル刃の切り込みに耐えられないことがわかり、急遽下穴開けを断念し1.5 mmの真鍮パイプを使う方法に切り替えました。
おそらくですが左側の方が強度があるはずなので、始めからそうすれば良かったりなぁと思っています。
けっこう力のかかる部分なので、一度動作テストをおこないました。
組み立て時にキツさを感じたので、若干偏心していると思われますが、擦り合わせしてからシリコングリスを塗って抵抗を減らしてみて、それでも新たに破損するようだったら、全体を5mmの丸棒に置き換えるつもりです。

破損の補修要項は以上ですが、補修に必要な材料が届いていないので補修は後回しにして、他のパーツの整形に移りたいと思います。
この個体も例外に漏れず、 パーティングラインやゲート跡の処理がほったらかしなのでね。
また、経年劣化で外装パーツのほとんどが黄ばんでいるので、塗装も施したいですからね。
塗装に関しては色も決めないといけませんねぇ。
前回は「デザートデスピオン」と称して、アーマーパーツはダークイエローで塗装しましたが、今回はイメージを変えたいので、ただいま思案中です。

とりあえず走行メカと破損・欠品パーツは何とかなりそうなので一安心です( ^o^)

次回からは、アーマーパーツとハサミや脚パーツの整形をおこなう予定です。
ということで、今回はここまでとします。
(^^)/~~~