浄土 【沼津/雅心苑/菓子】
浄土 【沼津/雅心苑/菓子】
今日から3連休です。
お彼岸の3日目でもあります。
明日の中日までおはぎを販売してます。
西方にあると言う極楽浄土。それは阿弥陀如来が支配する世界です。
真西に日が沈む秋分の日、春分の日に極楽に往生している先祖を思い、阿弥陀如来による救いによって自らが極楽に往生できることを願うのがお彼岸なわけです。
もちろん、お釈迦さまのオリジナルな教えには存在しません。
大乗仏教、阿弥陀信仰から生まれてきた考え方です。
浄土系じゃない仏教にはお彼岸は関係ない?
日本で一番信者が多いのがその浄土思想を元にした浄土宗、浄土真宗です。
そんなことを言ったら、お寺の数が一番多いのは曹洞宗だ、怒られたことがあります。あなたの街に浄土真宗の寺がいくつある?曹洞宗の方が全然多いだろうと。
確かにこのあたりは浄土系はあんまり多くないです。日蓮宗も多いし。
ですが日本全体では浄土宗系のお寺が一番多いみたいですよ。
と言うわけで、浄土思想について書かれてあるこの新書を読んでみました。
昨年でた本です。平安時代の次は鎌倉時代というわけでもないですけど。
中国に浄土思想が伝わって、それが広がったのが唐の時代です。唐の善導が広め、それが日本に伝わって日本独特の宗教になっていくわけです。
飛鳥時代には入っていたようですが、平安時代に比叡山でも広まり、源信から法然を経て鎌倉仏教の時代へ。
この本で一番ウェイトが置かれているのはもちろん親鸞です。
法然の弟子の中では、個人的に共感したのは聖光です。理性的で分かりやすい。親鸞になると象徴的に過ぎてよく分からない。哲学です。
この本は、親鸞の時代から室町・戦国・江戸時代を通り過ぎて、明治へ跳びます。その先は手塚治虫さんの「ブッダ」もとりあげてます。
西洋思想が一般化する中での浄土思想の捉え方が興味深いです。
この本、明治になるまで、歎異抄がほとんど出て来ません。それまでほとんど読まれていなかったそうです。読ませないようにしていたのだとか。
阿弥陀仏の名前を唱えれば、輪廻から逃れ、極楽に往生すると言うのはどの浄土系の宗派でも同じです。本来の浄土思想では阿弥陀如来の力で極楽に往生しても、それがゴールではなく、そこから阿弥陀さまと一緒に修行して仏になることを目指しましょうって話だったはず。
ところが、浄土真宗では極楽浄土に往生したら、すぐに仏陀になれるのだそうです。つまり成仏。
そして此岸に戻って皆んなが往生できるよう手伝いができます。
イージーです。仏の道が簡単過ぎますね。
だからこそ、多くの人に救いを差し伸べられ、信仰する人も多いわけですね。
知らなかったことも多く勉強になります。