キュリオシティ 【沼津/雅心苑/菓子】
キュリオシティ 【沼津/雅心苑/菓子】
文化の日です。
ずっと好天が続いていたのに、今朝は雨が降ってました。
亥の子餅は好評のうちに売り切れました。ありがとうございます。食された方に幸運が訪れますように。
このミス1位ということで、最近文庫になって平積みされていたので買ってしまいました。
ジャンルとしては「本格」になるのでしょうね。しかしなかなか話が進まない。なと言っても殺人事件が起こるのはけっこう厚めの文庫本の真ん中あたりです。
1人称の主人公はフリーになったばかりの女性ジャーナリスト。時代は21世紀になってすぐ。場所はネパール、カトマンズ。背景にあるのはネパール王国で実際に起きた王族大量殺人事件です。
突然の大事件にたまたま巡り合わせた主人公がジャーナリストとして取材するうちに起きた事件の謎を解明するとともに、ジャーナリストの意義について煩悶するという内容です。社会派ミステリーでもあります。社会派で本格。松本清張さんかいとも思うのですがさらに国際派です。
面白くないわけではないですが、好みではないですね。
謎解きよりもメインのテーマはジャーナリズムの意義についてです。なんかタイムリー。
結局、知らせなければという義務感よりも、何より自らが知りたい、という意志というか欲望こそがジャーナリストの根幹なのですね。
しかし、その情報を娯楽として消費してしまうのが先進国の社会。あるいは現地の現実を慮らない同情としての消費。それがタイトルのサーカスが意味することであり、それへの批判も含まれています。
かと言ってジャーナリズムを否定するわけではなく、注意深さを持って報道するべきだという事なのでしょう。
安田さんの件についても、自己責任だし自業自得なわけではありますが、本人がどういう考えを持っていようと国は国民を助けるべきです。
けっして英雄だとは思いませんが、真摯にジャーナリストとしての使命に挑んだ結果なのだから生きて帰って来れたことをまず喜ぶべきだし、敬意を持つべきだと思います。
たいしたエビデンスもない陰謀論に、話半分に乗っかるならともかく、真剣に信じて怒ったりするのはどうかしてると思います。
この記事は良いですね。すっきりします。
しかし、この自己責任論やら自業自得やらが続くと、そのうち政権にたいして批判的なことを言うのもまずくなるかもしれないです。周囲から嫌われたり、炎上したり、警察に目をつけられたりするのは自己責任、自業自得。最悪、仕事を失ったり、生命の危険を生じたりするのも自己責任、自業自得。誰も助けてくれなくなったりとか。