もう少し詳しく申し上げます。
①解凍系は、
嫌気性といい、酸素なしでエネルギー代謝をします。
つまり、「瞬発的な動き」で行われます。
早くエネルギーが作られますが、量は少ないです。
同時に、ピルビン酸(焦性ブドウ酸という毒素を出します。
この毒素は、神経をマヒさせたり、筋肉をケイレンさせたりします。
この次の段階で働くはずの②クエン酸回路が不調の場合、このピルビン酸は、乳酸に変わり
体内に蓄積され、悪さをします。
ちなみに、この乳酸が体内にたまっておこる有名な病気は「脚気」です。
昔、江戸時代に“江戸わずらい”というのがあり、地方の人が
江戸に来て、白米を食べていると脚気が起こったそうです。当時、死に至ることもあったようです。
地方に帰ると治ったそうです。なぜなら、地元では玄米を食べていたからです。
つまり、「脚気」は、ビタミンB不足からおこる病気だったのです。
現代では、ほぼ見られなくなりましたが、インスタント食品の食べすぎや
アルコールの飲み過ぎで、脚気予備軍の方が増えてきているそうです。
②クエン酸回路は、
①解凍系と逆で好気性で酸素を沢山必要とします。
長時間かけて、「ゆっくりとした動き」でエネルギー代謝をし、
大量のエネルギーを出してくれます。
タンパク質は分解され、オキザロ酢酸になり(一部、αケトグルタル酸にもなる)
脂肪は分解され活性酢酸となり、
この二つが反応しクエン酸ができます。
このクエン酸から7種類の酸を経て再びクエン酸に戻る回路を構成します。
この際に、水と二酸化炭素を出すと同時にエネルギーを出してくれるのです。
ここで
おもしろい実証例を申し上げます。
体は糖を分解する時、余分な糖を緊急時に備えて
「グリコーゲン」という形にして肝臓や筋肉中に
蓄えます。
運動後に、糖を補給する場合と
糖とクエン酸を同時に補給する場合で
比較すると、
まず、1、グリコーゲンから糖への変換速度は、
糖とクエン酸を同時摂取した場合の方が速かったのです。
さらに、
2、毒素である乳酸消失速度も、糖とクエン酸同時摂取の場合の方が
速かったのです。
また、
3、糖とクエン酸同時摂取の場合の方が
血液凝固に関係するカルシウムイオンと結合する性質が増加し
血液がサラサラになったのです。
昔から伝えられているように、甘いもの(糖)とすっぱいもの(クエン酸)、
は、同時取るほうが体に良いのですね。
昔の方々は、それを経験から知っていたのですね。
素晴らしい!!
最後までお読み頂き誠に有難うございました。
やはり、私たちのご先祖様はすごいですねえ。
科学信仰が強い時代で、理論ばかり追い求める傾向が強い世の中ですが
古人の知恵に耳を傾けると、とても大切なことが沢山見えてくると思います。
皆様も、もしよろしければ、身近なところで見つけてみてくださいね。
とっても楽しい時間が過ごせると思いますよ。v(^-^)v

「クエン酸で医者いらず」参照
クエン酸で医者いらず―新健康法/長田 正松

¥1,050
Amazon.co.jp