計算に求められるのは「正確性」と「迅速性」ですが,前者の方が圧倒的に大切です。制限時間内に10問解いて5問しか合わない人に仕事を任せるわけには行きませんが,同じ時間で6問解いて6問合わせる人になら任せることができます。極端な話,4問しか解けなくても全問正解している人の方が,10問中5問の人よりも良いでしょう。10問中5問の人の仕事は別の人がチェックしなければならないからです。
これは道路交通において「交通の円滑」よりも「交通の安全」の方が大切なのと同じことです。「安全」あっての「円滑」,「正確性」あっての「迅速性」です。
計算のスピードをつけるのは比較的容易ですが,正確性をつけるのは非常に時間がかかります。正確性は性格,生き方の問題でもありますのでなかなか修正が効きません。
中学受験時に私は珠算,暗算とも一級を取っていましたが,入試などでは絶対に使いませんでした。暗算は絶対に使ってはいけません。暗算の検定試験では80点90点取れればいいかもしれませんが,数学のテストにおいて計算の確実性9割なんて論外なのです。