良い感覚が得られると頭の中がすっきりしてくる。
この渋野日向子の言葉の意味が、いまの僕にはよくわかる。

 

迷わず、いまの自分にできる最高のプレイに集中する。

それができれば、次のステップアップはその先に必ず来る。

僕はゴルフではなくてテニスだけれど。

6年前に、30年ぶりにテニスを再開しようと、
近くにあるインドアハードコートのテニススクールに通いはじめた。

僕のテニスは30年前のフラット・スライス系のままだった。
それをコーチは下から上へのスイングへ変えようとした。

それが僕にはどうしてもなじめずに数年が過ぎた。

フェデラーのスイングは下から上へのスイングではなかった。
僕は、フェデラーやデミトロフのテニスが好きだった。

数年前から、時代は変わってきた。フェデラーの次の世代が台頭してきた。
彼らは下から上へのトップスピンは守りの場面でしか打たない。
彼らのゾーンは、ボールをつぶすような強烈なフラットスピンだ。

彼らのような150km/hのストロークは打てないけれど、120km/hなら打てる。

どうやれば自分のフォアハンドを打てるか。
テニススクールのコーチのフォアハンドストロークは、どれも好きになれなかった。

男子プロはスピードが速すぎて、とてもそのままでは参考にはできないので、
スロー映像を参考にイメージを得て、それ以外は主に女子プロを参考にしている。

男子プロなら、今井慎太郎やB・ナカジマやジャン・ジジェン。
女子プロなら、内島萌夏やムチョバやパブリチェンコワ。

フットワーク、早いタイミングの高い打点でのボールの後ろへの入り方、
両手を添えラケットを立てた小さなテイクバック、
体の捻転からの戻し方、柔らかいリストワークからのラケットヘッドの回し方、
ラケットの重さを利用したスイングスピードの出し方。

サービスはさらに迷路に入り込んでしまっていた。

コーチは、トスの安定、トスの位置、スタンス、

インパクトでのラケットワークなど、細かい部分的なことばかりを指摘するので、
自分のスイングをいつまでも確立できずにいた。

サービスとフォアハンドストロークはテニスのなかでも、
体の動きが複雑になるので難しいショットになる。

テニスエルボーになって、一か月休んだため、
たまった振替を今まで受けていなかったコーチのレッスンを受けることで、
とても感覚的なのだけれど、重要なヒントが得られた。

フォアハンドもサービスも利き腕が打つ方向の後ろ側にあるので、腕の力ではなく、上体の捻転とその解放という大きな力とラケットの重さを利用する必要がある。

上体の捻転からの解放を先にして、ラケットの動きを少しだけ遅らせる。
そこから一気にラケットヘッドの回転をその重さを利用して、
正面を向かせた上体を一気に追い越させる。

インパクト直後には、体は完全に打つ方向である正面を向いている。

このヒントは、トッププロの体の使い方そのものだった。

 

 

6年かかって、やっとたどり着いた。
イメージと感覚は体で覚えるしかないので、
まだ、ぶれて運動連鎖がバラバラに分解してしまうことはあるけれど、
何が悪かったのか、次のプレーまでには修正できるようになってきた。

コーチの言うことは、彼のプレイでしかなくて、
自分が一番必要としていることとはずれていて、迷路に入ってしまう。

大事なのは、イメージと感覚なのだ。

それには、どんなプレーをしたいのか、好きな選手の動きを繰り返し見ること。
その動きと、小さなヒントから自分の感覚を掴むのが一番いい。

そして、それを自分の実体験からくる言葉で言語化できるかどうか。
それが出来れば、頭はすっきりしてくる。

 

 

ゴルフでは、渋野日向子が、全米女子オープンから、それまでの不調から、
まるで別人になったかのように調子を取り戻している。

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
@ 渋野日向子は好調に手応え
「全米女子オープンで少し良い感覚を持てた。頭の中もすっきり」

◆米女子プロゴルフツアー メイヤー・クラシック
13日開幕(米ミシガン州ブライズフィールドCC)

2週前の全米女子オープンで2位、前週は21位と好調をキープする
渋野日向子(サントリー)が大会を前に
中継局WOWOWのインタビューで意気込みを語った。

渋野は「月曜日は休んで、(体力的には)ちょっとずつ回復している。
全米女子オープンで少し良い感覚を持てたので、
ちょっとずつ自分の頭の中もすっきりしてきている」と現状を語った。

YAHOO!JAPANニュース  2024/06/13
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・


全米女子プロでも、さらに凄みを増しているように見える。

 

 

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
「気持ちで負けないように」 渋野日向子は“超狭い”コース攻略し上位フィニッシュ

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 初日◇20日◇
サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

パー5で2オンのバーディ。12メートルを沈めたバーディ。
ピンチで決めた2.5メートルのボギーパット。
渋野日向子が4バーディ・2ボギーのプレーで、2アンダーでホールアウト。
上位争いのなかで、2日目を迎えることになる。

前半の5番で3メートルのパーパットを沈めてしのぐと、

続く6番パー5で2オンに成功。
しっかりと2パットにおさめ、この日はじめてスコアが動いた。
その後はボギーもありながら、終盤で連続バーディ。
15番では12メートルを沈めてみせた。

最終18番ではディボット跡からピンそばに寄せてバーディ締め。
ホールアウト後には大会を中継するWOWOWのインタビューに答えた。
「(フェアウェイが)すごく狭いから

ちょっとメンタル的にも怖いなと思う部分はあるんですけど、
そこをしっかり気持ちで負けないようにと思って最後まで振れていた」。
木立でセパレートされた狭いホールの攻略には、満足げな表情を浮かべる。

YAHOO!JAPANニュース  2024/06/21
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 

 

けさ、第2日のWOWOWオンデマンド解説で、田中泰二郎プロが語っていた。


全米女子オープンは、アンダーパーが(笹生と渋野の)二人しかいなかった。

(5年前、渋野が勝った)全英女子オープンは、グリーンはボサボサしていた。

何の芝か表記がなかったり、そんなところでも、そんなにストレスを感じずに、
目の前のこの芝をどう読んで、どこのラインを通したら入るのかなっていう、
そちらへの集中力が凄い。

我々などはポアナまじりの芝を見た瞬間にどこか跳ねそうだと、
そこで気持ちが折れて、結果も出ないわけですよ。

でも渋野さんは、ここに打って、このポアナに当たって一回左に跳ねてから、
まっすぐに抜けていくんじゃないかとか、
そこまで読んでるのかな、というくらい入りますよね。

それがパーパットだろうが、バーティーパットだろうが、ボギーパットだろうが、
この一打へのこだわの強さが難コースに対する強さですね。

ピンチになったときのパーパットに対して集中力が落ちない。

あっさりボギーにして、次のバーディチャンスをものにすればいい、
というような感じではなくて、
もう目の前のグリーン上の一打に対するこだわり、成功率というのは、
ちょっと群を抜いているところがある、と私は思っています。

肝が据わっている。凄い選手ですよ。驚かされます。