学術的な難しいことを考える必要はない。
奴らはただの人間だからだ。

 

外部の敵が現れるとき、内部は結束する。
それを知っているからこそ、独裁者はそのときを待っている。

内部で多くの問題で行き詰まっているときほど、
奴は、小さな敵の蠢動も見逃さない。

眼を外に向けさせることに成功すれば、
権力基盤が揺らぐことを防ぐことができるからだ。

敵を過大に大きく見せることが出来れば、内部の結束はより強まる。
 

その時が、自らの権力を強大化させる最高のチャンスなのだ。

プーチンも習近平も同じ道を進んでいる。

唯一の違いは、プーチンは形式上は直接選挙で選ばれた最高権力者であり、
習近平は、共産党一党独裁官僚機構の上に乗った最高権力者であるということだ。

その違いによって、闘いの戦術は変わらざるを得ないかもしれない。
けれど、戦略は同じだ。

奴らの権力は極限まで肥大化している。
強大な権力を手中にした者は、それを手放すことはできない。
少しでもスキを見せれば、内部の反乱分子からいつ倒されるかわからない。
もし、権力を手放せば何をされるかわからない。

徹底した情報統制、治安維持、密告社会の行きつく先を、
人類はすでに数千年の間、数え切れないほど知っている。

ヒトラーの最期はどうだったか。
スターリンの最期はどうだったか。

 

プーチンはヒトラーと同じ道を、
習近平はスターリンと同じ運命を突き進んでいる。

 

奴らは、
自らの為したことの報いを、自ら受ける恐怖に怯えるから、
どこまでも権力を強大化しつづけ、
内部では粛清によって反乱分子を殺害しつづける以外なかった。

逆にいえば、それが奴らの最大の弱点なのだ。

つまり、奴らのまわりには無能な人間しか残らなくなる必然がある。

 

奴らには、通常の人間の論理は通じない。
なぜなら、奴らは常に内と外から襲ってくる2つの恐怖の中にいるからだ。

奴らは、もう引き返すことはできない。

なぜなら、奴らは本当の自分に生きているのだから。

 

孤立するとき、奴らは同じ恐怖の中にいる者と繋がろうとする。

自ら為した悪に恐怖する者は、結託する以外生き延びる道は見出せない。

同じ穴のムジナは互いに語り合うときのみ安息を得ることができる。
これは歴史が示す法則のようなものだ。

 

圧倒的な世界が非難するなかで、2匹の犬が吠えている。

「両国の関係が国際情勢を安定化させる要因となっている」


プーチン、習近平にとっての安定とは力による侵略と威嚇なのだろう。

 

軍需産業による国力発展の相互互恵関係により、

西側民主主義国を共通の敵とすることが奴らを結びつけている。

 

皇帝が支配してきた歴史が、どこまでも権力に執着させるのだろう。
親殺し、子殺し、兄弟殺し、権力掌握のためなら何でもやってきた国だ。


「偉大なロシアの復興」「中華民族の偉大な復興」

 

奴らの独裁もそのDNAの上にある。

 

かつて皇帝が支配した、無意味に広大な国土を統治するには、
強大な権力を希求するともいえるのかもしれない。
経済、国力、民意が離れたとき、奴らの精神は錯乱し凄惨な最期を迎える。

ソ連が崩壊したように、

無意味に広大で民族・文化抑圧の中国も崩壊させなければならない。

中国を崩壊させる思想は、中国共産党内部から生まれなければならない。

 

奴らの権力を極限にまで高めざるを得ないところまで、
奴らを追い詰めていくことによってのみ、奴らを破滅させることができる。

それが人類の歴史が示している、唯一の道なのだ。

奴らがどういう破滅の最期を迎えるのか。
それはわからない。

奴らの権力を極限まで高めざるを得ないところまで、
どんな手段で追い詰めることができるのか。

 

 

青い奇跡の生命の星。

けれど、きれいごとではない。
生命の世界は食物連鎖、生存競争、適者生存、厳しい淘汰の世界でもある。

敵が軍事的に襲い掛かるなら黙って殺される者はいない。
それ以上の軍事力によって叩き潰す以外、生き延びる道はない。

忘れてはいけない。それが当たり前の大前提だ。

文民統制はその前提の上にのみ現実となる。
 

 

国連安保理がパーマネント5によって無能となるなら、
国連総会決議によって、独裁者を人類・民衆から孤立させていく。

国家を相手にするのではなく、独裁者を相手にする。

ならば、権力とは無縁の一人一人には何ができるのか。

ここに、ひとつのヒントがある。

 

あらゆる力の構造を超えることができる唯一のもの。

一人一人が自分の言葉で、声を上げつづけること。

 

 

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@ 紙が神を広めた

中国に後漢(都は洛陽)という時代がありました。約2000年前です。
蔡倫という人が繊維くずやボロ布を水中でたたきつぶし、網ですくい上げ、
シート状にして紙をつくり、105年に皇帝に献上しました。製紙法の誕生です。

製紙法は、751年の中央アジア河畔の戦いで、
唐の時代の中国からアッパース朝の時代のイスラ―ム世界に広がります。

「シルクロードの顔」といわれる街サマルカンドを経て、
今のイラクの首都バグダード、エジプトのカイロから、地中海を横切って
南イタリアのシチリア島から1390年にドイツのニュルンベルクに伝わります。

そのドイツのマインツでゲーテンベルクがラテン語の聖書を

活版印刷したのが1450年頃です。

そして、1520年代にルターはザクセン候フリードリヒの保護のもと、
ウァルトブルク城で『新約聖書』をギリシャ語からドイツ語に翻訳します。
この聖書は2ヶ月で500部、12年間で20万部売れました。

聖書を読めるようになると、人はじかに神を感じます。
神の是認のほほえみにも、長い御手の保護にも、良心の痛みにも敏感になります。
わざわざ教会に出かけていって神父に告白し、
神との和解をとりなしてもらう必要も薄れます。

近代西洋が産み落としてきたもの、それは個人主義です。

貴族や地主や教会など、
神と個人の中間にある組織から解き放たれた社会階層が織りなす精神状態です。

「世界一わかりやすい 世界史の授業」村山秀太郎
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