花が咲いている人はそれでいいのかもしれない。

でも、彼ら彼女らは上ばかり向いている。
何かが欠けているのではないか。

僕には友はない。
なぜいないのか。興味がないのだ。


まづ第一に言つておかう
僕から世間並の友誼などを
決して望むな
僕は君の栄達などを
決して望まぬ
君のちひさな幸福などを
決して祈らぬ
君は見るだらう
僕が逆境の友を多く持ち
順境の友をどしどし失ふのを
なぜだらう
逆風の時に持つてゐた魂を
順風と共に棄てる人間が多いからだ
僕に特恵国は無い
僕に固定の友は無い
友とは同じ一本の覚悟を持つた
道づれの事だ
世間さまを押し渡る相棒だと
僕を思ふな
百の友があつても一人は一人だ
調子に乗らずに地でゆかう
お互にお互の実質だけで沢山だ
その上で危険な路をも愉快に歩かう
それでいいのだと
君は思つてくれるだらうか
~ 高村光太郎 「友よ」



『法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる』
(妙一尼御前御消息)

 

 

日蓮大聖人ほど、
門下にお手紙を書き送られた宗祖はいないといわれます。

その数は群を抜いており、
“これほどの文書が伝えられる歴史上の人物はいない”
と評価する学者もいるほどです。

この御文は、日蓮大聖人が妙一尼という、
1人のお母さんをはげまされたお手紙です。

妙一尼は、苦難の中で夫を亡くし、
1人で子どもたちを必死に育てながら、純粋な信心をつらぬいていました。

大聖人は、大変な状況で信心に励む妙一尼を、
「厳しい冬も、やがて暖かな春となるように、この仏法を信じているあなたは、
必ず苦難を乗り越えることができますよ」と励まされています。
~ SOKAnet
 

 

 

 

 

一閻浮提広宣流布は間違いない。

僕らが学んでいるのと全く違わずに伝わっている。

これは驚くべきことだと僕は思った。

 

 

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<世界の体験> インドの映像監督――作品が国際的な賞を受賞
 

 

ある日、ディビカ・チャタルベディは家族の前で宣言した。

「私、映画監督になるから」

父親は言葉を失い、母親は怒りに震えた。
無理もない。優秀な大学を出て、安定した企業で働く。
父も母も、それが“成功”だと考えていた。

だがディビカは、敷かれたレールを歩く毎日に嫌気が差し、
新卒で勤めた会社を2年で退職してしまった。

幼い頃から、アートに魅せられてきた。
社会人になり、憧れは、確かな輪郭をもった目標へとふくらんでいく。

「私を突き動かしたのは、19歳の時に始めた創価学会の信仰です。
夢は大きすぎるくらいでいい。そう教わってきました」

何より、小説『新・人間革命』第5巻「歓喜」の章に、大きな影響を受けた。

――周囲の嫉妬や仕事上の困難に屈せず、
芸術の力でキリスト教思想を広げたミケランジェロ。
同章の中で池田先生は、彼の業績を通し、こう記している。

「仏法という生命の大法の世界も、それを表現する技をもってこそ、
共感と理解を広げることができる」

「やがて創価の友のなかからも、
あまたの“妙法のミケランジェロ”が育ちゆくことを祈り、願った」と――。

ディビカは心に決めた。“映像業界で、先生の期待に応えていこう”

まずは家族に認めてもらいたい。その一心で御本尊の前へ。
祈るほどに、親への反発心は薄らいでいった。

ある時、穏やかな気持ちで家族と向き合う。「私の夢を応援してください」
静かにうなずく両親。一番反対だった母は、経済的支援までしてくれた。驚いた。

 

 

その後、ディビカは、チェコのプラハにある映像学校で夏季研修を受講。
帰国後は、映像制作のグローバル企業への内定を勝ち取り、

早速、ムンバイへ移住した。



若者のロマンが交差する映画産業の一大拠点。ここで新たな旅が始まった。

だが職場で任されたのは、短い映像の編集作業ばかり。
“なんで、こんな雑務を?”――パソコンの画面と向き合う心は、鉛のように重たい。
同僚たちは大学院で映像制作を専攻し、経験も実力も十分。

それに比べ自分は……。うつむくディビカに、婦人部の先輩が問いかけた。

「あなたは何のために頑張っているの?
師匠に勝利を報告しようと決めた時、思ってもみない力が出るんだよ」

ディビカは思った。“そうだ、人じゃない。私らしく、誓いのままに生きよう”
どんな業務も、自分を磨く貴重な機会だと受け止め、黙々と取り組んでいった。

 

数年後、ある広告映像を担当するチャンスが。
テーマは「インド共和国記念日」。ディビカは、あえて子どもを主役に立てた。

「なんで、うちのお手伝いさんは、僕たちと違う食器を使うの?」
子どもの鋭い質問攻めに遭い、答えに窮する母親。
ユーモアを交え、社会意識を高めることに成功した。

これがSNSで話題沸騰となり、国内の優れた広告映像に贈られる賞や、
国際的なコンペティションの「プロマックス・アワーズ」で銅賞を獲得。
気鋭のディレクターとして脚光を浴びた。

「人生が、これほどドラマチックに変わるなんて。やっぱり信心ってすごい」
 

2022年、ディビカはフリーランスになる決断を。
だが昨年、厚い壁が立ちはだかる。仕事の依頼がなくなり、収入が途絶えたのだ。
毎日の静けさが身に染みた。

沈むディビカを救ったのは、女子部の仲間たち。
「大きな困難は、大きな勝利の前兆。これからが楽しみじゃない?」

また、ある先輩は、こう確信を込めた。
「御本尊の力は絶大です。びっくりするような信心の実証を示しましょう!」

ディビカの心に灯がともる。
かつてない唱題に励み、メンバーの家庭訪問にも歩いた。
一人一人と語る中で、ふと思った。

“私は池田先生の弟子だ。それが、私の最高の誇り。恐れるものなんてない”

 

 

以来、受け身の姿勢が一変。関係者に熱意を語っていった。
「日常を懸命に生きる人々の姿に、カメラを向けたいんです」

制作現場では上下関係が厳しく、
陰の役割の人に心ない言葉が飛ぶことも少なくない。

ディビカは監督として、全関係者の幸せを祈りながら、

一人一人に丁寧に声をかけた。
すると多くの人が「こんなに楽しい現場は初めて」と喜んでくれた。

結果、昨年は、過去最多の作品を監督。
年収は以前の何倍にもなった。
窮地は一転、さらなる飛躍の踏み台になったのである。

ディビカは、輝くばかりの表情で語る。



「いずれは、世界の人々の心を結ぶような作品をつくりたいです。
難民問題など、社会的な課題にも切り込みたい。必ず、やってみせます。
“祈りとしてかなわざるなし”の信心ですから!」

 

聖教新聞 TOMORROW 明日へ向かって 2024/04/12
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