日本の能登半島地震に際し、1月5日、
北朝鮮の金正恩は異例の「同情とお見舞い」と岸田首相に見舞い電報。

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【ソウル=甲原潤之介】
北朝鮮の朝鮮中央通信は6日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が5日付で
岸田文雄首相に能登半島地震の被害に対する見舞い電を送ったと報じた。
「あなたと、あなたを通じて遺族と被害者に深い同情とお見舞いを申し上げる」
と記した。

「日本で不幸にも新年のはじめから、
地震による多くの人命被害と物的損失を被ったという知らせに接した」と触れた。
「一日も早く地震の被害から復旧し、安定した生活を回復することを祈る」

と加えた。

北朝鮮は2011年の東日本大震災の際は、
金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長の名義で
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に見舞い電を送っていた。

韓国の聯合ニュースは金正恩氏が日本の首相に見舞い電を送るのは

「異例」と報じた。
「正常な国家指導者として人道主義的な面を強調するためのものとみられる」
との見方を伝えた。

朝鮮中央通信によると、金正恩氏は5日付で、
イランで3日に発生した爆発事件についても
「哀悼とお見舞い」を伝える見舞い電をライシ大統領に送ったという。

首相は拉致問題の解決に向け、
首相直轄のハイレベル協議を進めて金正恩氏との首脳会談の実現をめざす

意向を示している。

日本経済新聞 2024年1月6日 9:05
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2月15日、北朝鮮の金与正が談話を発表。


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北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹、
キム・ヨジョン(金与正)氏が日本との関係をめぐる異例の談話で
「岸田首相がピョンヤンを訪れる日が来るかもしれない」などとして、
日本側の今後の出方を注視する姿勢を示したことについて、専門家からは、
日米韓3か国の連携に揺さぶりをかけるねらいがあるという見方が出ています。

北朝鮮のキム・ジョンウン総書記の妹、キム・ヨジョン氏は15日夜、
国営の朝鮮中央通信を通じて日朝関係をめぐる談話を発表し
「すでに解決された拉致問題を両国関係の障害物としないのであれば、
岸田首相がピョンヤンを訪れる日が来るかもしれない」などとした上で
「岸田首相の本心をさらに見極めるべきだ」
として日本側の今後の出方を注視する姿勢を示しました。

これについて、北朝鮮情勢に詳しい南山大学の平岩俊司教授は
「朝鮮半島情勢をめぐり、日米韓3か国は去年、首脳会談を行って結束を強めている。
また、韓国とは平和統一を否定し、非常に緊張した関係だ。米韓両国とは異なり、
拉致問題という特別な事情を抱える日本にアプローチをかけることで、
揺さぶりたい思いがある」と述べ、
日米韓3か国の連携に揺さぶりをかけるねらいがあるという見方を示しました。

また、キム総書記の妹による異例の対日談話という形をとった思惑については
「権力の中枢により近いメッセージだとアピールできる」と分析しています。

さらに平岩教授は、談話で拉致問題について
「すでに解決された」とする従来の立場を繰り返したことを挙げて
「自分たちが譲歩してまで日本との関係を積極的に改善する姿勢は

残念ながら見えない。
日本としては北朝鮮の従来の姿勢を変化させることが第1の目標になる」

と指摘しています。


@ キム・ヨジョン氏談話 全文


最近、岸田日本首相が国会の衆議院予算委員会で、
日朝間の現状を大胆に変える必要性を強く感じるとしながら、
自分自身が朝鮮民主主義人民共和国の国務委員長と主動的に関係を

結ぶことが極めて重要であり、

現在さまざまなルートを通じて努力し続けていると発言したという。

私は岸田首相の発言と関連して、日本メディアが、
朝日関係の問題について従来と異なる立場を示したものと

評価したことについても留意する。

岸田首相の今回の発言が、過去の束縛から大胆に抜け出し、
朝日関係を前進させようという真意から出たものであれば、

肯定的に評価されない理由はないと思う。

これまで日本がすでにすべて解決された拉致問題や、
朝日関係改善とは何の縁もない核・ミサイル問題を前提として

持ち出し続けてきたことによって、
両国関係が数十年にわたって悪化の一途をたどることになったということは、

誰もが認める事実だ。

日本が時代錯誤的な敵対意識と実現不可能な執念を勇気を持って捨て、
互いを認めた基礎の上で丁重なふるまいと信義ある行動によって

関係改善の新たな活路を切り開いていく政治的決断を下すなら、
両国がいくらでも新しい未来を共に切り開いていくことができるというのが

私の見解だ。

過去ではなく先を見通すことができる賢明性と戦略的眼目、
そして政治的決断を下すことができる意志と実行力を持った政治家だけが

機会をつかむことができ、歴史を変えることができる。

日本がわれわれの正当防衛権に対して不当に食ってかかる悪習を振り払い、
すでに解決された拉致問題を両国関係の展望の障害物としないのであれば、
両国が近づけないわけがなく、首相がピョンヤンを訪問する日が来るかもしれない。

ただ、現在までわが国の指導部は、

朝日関係改善のためのいかなる構想も持っておらず、
接触にも何の関心もないと理解している。

今後、岸田首相の本心をさらに見極めなければならないだろう。

これはあくまでも私の個人的な見解でしかなく、
私は公式的に朝日関係を評価する立場にはない。

チュチェ113(2024)年2月15日 ピョンヤン。



@ 日本政府 情報収集と分析進める

日本政府関係者の1人は
「岸田総理大臣が日朝首脳会談に向けた前向きなメッセージを

送っていることもあり、日本側の出方を探ろうとしているのではないか」

と話しています。

また「拉致問題を解決済みとする北朝鮮側の立場に変化はなく、

単なるけん制に過ぎない」
という声や「北朝鮮問題で連携する日米韓3か国にくさびを打ち込もうとする動きだ」といった見方など、
日本政府内では、さまざまな受け止めが出ています。

政府としては、

北朝鮮側から出された今回の談話の意図を慎重に見極める必要があるとして、
情報収集と分析を進めています。

NHK NEWS WEB 2024年2月16日 5時15分
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彼の人は、かつて強大な2つの共産主義国家、
ソ連と中国の最高指導者と語り合い、道を切り拓いてこられた。

誰も為しえないであろうことを、一人成し遂げてこられた。

たとえ、強権国家の最高権力者であろうと
人民を率いる指導者であり、人間だ。
平和と繁栄を求めないはずはない。

いま、ウクライナ、パレスチナと、世界は戦争のなかにある。
民主主義国家 対 専制主義国家という対立の構図だけで、
この終わりのない憎悪の連鎖のどこに希望を見出せるのか。

ロシアも中国も北朝鮮も日本の隣国だ。

日本には、日本にしか出来ないことがあるのではないか。
はじめに結論ありきでは、何も進まないのではないか。

 

(ファウストが、バイブルの「ヨハネによる福音書」を
ラテン語からドイツ語に翻訳しようとするとき)


こう書いてある。
「はじめに言葉ありき」と。
すでにここで、おれはつかえてしまう。
誰の助けをかりて先へすすめばいいのだろう。
おれは言葉をそんなに高く評価することができぬ。
別の訳し方を考えずばなるまい。
おれの心が霊の光に照らされているなら、
何とかうまくできるかもしれぬ。
こう書いてある、「はじめにこころありき」と。
軽率に筆を下さぬように、
第一行を慎重にしなければならぬ。
あらゆるものを創り出し、
あらゆるものを生動させるのが意(こころ)だろうか。
むしろ、こう書いてあるはずだ。
「はじめに力ありき」と。
しかし紙の上にそれを書いているうちに、
どうやらそれも完全ではないような気がしてくる。
霊のたすけだ!おれはとっさに思いついて、
安心してこう書く。
「はじめに行いありき」と。
~ ゲーテ

 

 

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68年9月8日、つまり中日国交回復の4年前に、

池田大作会長が日本大学講堂で開かれた
創価学会第11回学生部総会において1万数千名の出席者に向かって演説をされ 、
その中で、中国問題と日中関係に触れて、極めて重要なポイントを指摘された。
中国問題と中日関係について、池田会長は3つの柱を立ててお話された。

第1は、日中国交正常化についてであります。
池田会長は、演説の中で、戦後日本の自民党政府が一貫して

対米追従主義に終始してきたことに触れた後、
「日本も独立国である以上、独自の信念をもち、

自主的な外交政策を進めていくのは当然の権利であります」と
日本のとるべき立場を強調されて、次のように言われました。

日本政府は、52年に台湾との間にいわゆる「日台条約」なるものを結んで

「日中講和問題」が解決されているとしているが、

これは中国を無視した「観念論」にすぎない。
日中国交正常化の対象の実体は、中国の民衆であり、
「それを無視して単なる条約上の"大義名分"にこだわり、

いかに筋を通したと称しても、
それはナンセンスであるといわざるをえない。
現に、周恩来をはじめ、中国の首脳は、

一貫して中国と日本との戦争関係はまだ終結をみていないとの見解をとっている。
このままの状態では、いくら日本が戦争は終結したといっても、

円満な国交関係が実現するわけがない。
したがって 、なんとしてでも、日本政府は北京の政府と話し合うべき」であり、
「中国政府の存在を正式に認めること」を強く主張し、

明確に中日両国の首脳会談を提唱されました。

第2は、国連における中国の合法的権利の回復であります。
池田会長は、日本はアメリカに加担することなく、

「北京の国連での代表権を積極的に推進すべき」であると主張されました。

第3は、広く経済、文化交流推進することであります 。
池田会長は、演説の中で、

中国の打ち出した「政治三原則」と「貿易三原則」に言及して、
「(日中貿易は)日中両国の相互理解のうえに初めて成り立つものですから、

中国側の主張を一方的に無視して
考えるわけにはいかない」と指摘し、アメリカに追従することをやめ、

日中貿易の発展を妨げる 「吉田書簡」の廃棄を主張しました。
吉田書簡というのは、吉田茂首相が台湾の蒋介石の秘書に宛 てた書簡で、

その中には 、日本と中国との間で行われている貿易に対して、

輸出入銀行などによる長期の政府資金を使用しないなどといったことが

書かれてありますが、これは、まったく私的な書簡であります。
ですから、この「吉田書簡」の廃棄を主張されたのです。

そして、最後に、池田会長は、「今こそ日本は、この世界的な視野に立って、

アジアの繁栄と世界の平和のため、
その最も重要なかなめとして、中国との国交正常化、中国の国連参加、

貿易促進に全力を傾注していくべきである」
と強く聴衆に訴えられました。

30数年前の池田会長のこの提言は、今、見れば、ごく普通であるかもしれません。
しかし、当時の複雑な状況のもとで、このような大胆な提言をするには、
危害を加えられる覚悟をしなければならないほど、大変に勇気が必要であり、
容易なことではありませんでした。

池田提言の歴史的意義と今後の日中関係 一日中国交回復三十周年記念一
劉 徳有
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