「R」物語 第二話 | Revにおまかせ!!

Revにおまかせ!!

Rev.from DVLの大ファンです。彼女達の認知度を上げる為、日々応援しています。
不定期更新のRev4コマを中心にアップしていきます。下手な絵ですが、Revの雰囲気が伝われば幸いです。彼女達のブログにアクセスしてもらえると、もっと嬉しいです♪

2014年5月5日 
Rev.from DVLどんたく祭りwithきゃら♥ふる



はっ。はっ。はっ。

上川端の表通りから二つ程裏に入った通り。
今全力で駆ける少女にとっては、何度も通った通い慣れた道だ。
しかし、今日はいつもより遠く感じる。

「やばい、やばい、やばい!」

ツインテールがトレードマークの少女だが、余程慌てたのかぼさぼさのストレートに申し訳程度のキャップをかぶった、いかにもやらかした感が溢れていた。

見慣れた建物が近づいてくる。
入口をくぐると、受け付けには誰もいない。
集合は11時だった。
現在は11時30分
思ったより遅れてないじゃないか。
30分位なら大丈夫!
心にそう言い聞かせながら、事務所へのドアノブを捻ろうとするが、なかなか体が言うことを聞いてくれない。
長く感じた心の葛藤だったが、実際は10秒も満たしていない。
不意に扉が開く。

「み、美紀ちゃん!!」

扉の中では壁と見間違える位の、屈強な少女が眼前を睨んでいた。

「ゆっきー!遅い!何時だと思ってるの!」
「ごめんなさい、ごめんなさい!
目覚ましが誰もいなくて、家族が気づかなくて!」
「ゆっきー。何言っとるか分からんって」
苦笑いを浮かべながら、奥にいた少女がみっきーの肩をたたく。
みっきーも軽くため息をついて下がった。
「ほら。もうすぐ事務所出るから、必要なもの準備して」
「瞳ちゃんごめんなさい!みんなもごめんね!」
「緊張感が足りないよ、ゆっきー!」
「・・・環奈もギリギリだったじゃない」
「美穂ちゃん!バラさない!」
慌てて環奈が口に指をあてる。
「あたしはちゃんと、ベル5個目で起きました!」

2014年5月5日 快晴。
ライブスタートは17:30~。
入りは13時。
リハーサルと通しで1回やる予定。
いつものリバレインホールと違って、座席で350と規模がちがう。
香盤もいつもと違いチャレンジ的。
新メンバーの早希も当然足りない所は多いと、課題たっぷりだ。

「おはようございます。宜しくお願いします」
各々スタッフさんに挨拶しながら控室に通される。
「では、13時30からステージディレクター達との面通しと、打ち合わせがあります。そのあとリハと通しですね。今日は宜しくお願いします」

控室はそこまで広くない。12人もいるときつめだ。
「はい!みんな準備に入って!」
『はーい!』
「この始まる前が苦手っちゃん」
「ちかななは弱いよねー。でも本番に強いやん?」
「そうかなー?帆南ちゃんはトーク大丈夫?今日あるけど」
「やばいっちゃん。よくかむんよねー⤵」
「あっ!そうそう。ブログの更新増やしてね。マネージャーが少ないってぼやいてた」
「そうだよ。こうゆうイベントの時がネタのチャンスだからね」
「いや。優菜。あんたのことだよ!」
「ひ・と・み・ん

今回のライブの見せ場として、タップシーンがある。しかも音無し2分ちょっとのいってこいパフォーマンス。
その為、ステージはタップ用の板が敷かれている。滑りやすくもあるので十分注意しないといけない。

リハと最終確認の通しが終わりあとは本番を待つだけ。

チビッ子組が集まっている。
「タップやばいっすね」
「奇遇やね、あたしもタップやばい」
「なっちもなっちも♪」
「ゆっきー達はまだましよ。あたし達5人はフリーのソロがあるから大変よ!」
なぎさが水分補給しながら話に加わる。
「でもタップって、みんなで揃ったら楽しくない?一体感凄い!」
と、若干ピンぼけした意見を帆南が述べる。
「まあ、大丈夫よ。タップはずっとやってきてるから。練習は結果を裏切らないでしょ?」
「おおー!流石リーダー。まとめる~♪」
「環奈ー!みんな特技にタップって書いてるから、出来ないと詐欺よ」
一同笑
「じゃあ、準備いける人はメイクと着付けに入って」
『はーい!』


16時30分頃から、入場の整列が始まっていた。先行販売のA列と一般販売のB列。
長い列ができている。
この頃は荷物検査もなく入場でモタつくこともなかった。

入場も終わり、開演を待つのみとなった。

「はい。はい。わかりました」
ひとみんがディレクターとの最後の打ち合わせを終えて戻ってきた。
「大体300人位だって。お客さん」
「多い!」
ゆっきーが驚く。
この頃のRev.はリバレインがメインで、しかも埋まる程ではなかったので、メジャーデビューしたとはいえ、地下アイドルと大きな違いはなかった。メンバーにとっては未知の数だ。

「見に来てくれた人達を満足させること。それが今日の目標よ!」
「なんか緊張してきた。ひとみちゃんアレやって!」
みぽりんが背中を向けてきた。
「あたしも!」「お願いします!」
麗依菜と早希も同じ行動をとる。
バシーン!💥
昔から緊張した時は背中を叩いてもらう。
Rev.の慣例だ。
「本番1分前です」
スタッフさんから指示が入る。

「いくよ!」
拳がつながっていく。
「Rev.from~」
「DVL!!」


場内の照明が落ち、カラフルなスポットライトがステージを照す。
スポットライトがふっと消え、メンバーがポジションにつく。
みぽりんの掛け声からスタート
「まずはこの曲ー!!」
『逢いにきんしゃい!』
白と青の定番の衣装の上に、祭りらしいハッピを着ている。
最初に【逢いにきんしゃい】がきたのは、おそらくこの時だけ。今ではラストを盛り上げる曲を最初で演じるのは大胆なセトリ。

自己紹介のあと、優菜ソロの【花遊び】が入る。
【愛しい剣】【君だけのストーリー】と続き優菜とみぽりんのデュエット曲
【真夜中の日記】が切々と歌われる。二人の歌唱力がダイレクトに伝わってくる曲だ。
舞台演出も、中央に椅子を置いただけで座りと立ちのコントラストが印象的。
【外環状線】でふわっとした気持ちにさせたあと、【永遠パズル】【wanna be】と一気に引き込み、ここで妹組の【らりるれろLOVE】で場を盛り上げていく。

そしていよいよ見せ場。

みっきーセンターでなぎさ、みぽりんが並ぶ。
音が止まり静寂の中タップの音だけが響く。
ひとみん、帆南、優菜が加わる。
人が増えても音は乱れることなく、刻まれていく。
観客も声一つたてず見入る。
そして全員が揃い、タップもミュージカルばりにその美しさを見せつけフィニッシュ!
からの、【Angel voice】のスタート。
この流れは素晴らしかった。この黙っている時間が至福の喜びだった。

【宝物】【JUMP&STOMP】で終了。

アンコールで新曲が発表された。
「ここで皆さんに新曲【Do my best! !】を聞いて頂きたいと思います!」
ひとみんが新曲を紹介する。
「この曲はどんな時でも全力で前に進めば、きっと結果につながるという、応援ソングになっています。」

初披露の時はアクションも少ない、まだ未完の曲だった。サプライズとしてねじ込んだのだろう。

そして最後の挨拶の時、環奈が話し終わるとスタッフから白い封筒を渡される。
「えーっ!?何?怖い怖い!」
恐る恐る開けると・・・そこには、zepp福岡でのライブが決定したことを告げる紙であった。
喜びで泣き崩れるメンバーもいた。
感動のままラストは【LOVE -arigatou-】で終了。
最後は全員とのハイタッチサービス付きだった。

「やったー!!zeppやん!」
感情を押さえることもなくゆっきーが叫ぶ。
控室は明るい笑顔で満ちていた。
ライブが成功した安堵からか、涙する者も。
「いや。驚いたね!何も聞いとらんちゃもん」とセリフとは裏腹にニコニコしながらひとみんが話す。
「zeppって、何人位のハコなんですか?」
早希が不安そうに尋ねる。
「一万人位かな?」
「えええーーっ!!」
「優菜!適当なこと言わないの!確か二千くらいよ?スタンディングかどうかで変わるけど」
ひとみんが皆を安心させる。
「一族みんな呼ばんとね」
みぽりんが本気とも冗談ともつかないトーンで呟く。
「一族呼んでも関係者席じゃあ・・?」
「どうします?お客さんより関係者席の方が多かったら?」
珍しく帆南がつっこんだところに、麗依菜が悪ノリする。
「・・・とかですね?」
場の雰囲気を察知したのか、すぐ折れた。
「麗依菜。危なかったわね。美紀ちゃんからヤられるところだったよ」
環奈がみっきーを指さす。
「なんでよ!」
「気をつけます!」
いつものわちゃわちゃした感じになってきたのを読み取りひとみんが締める。
「ライブについては後日ミーティングします。Do my best!!も発売に合わせて、MV撮影や振り付けも詰めていくから、忙しくなるわよ。あと、学生組は試験も近いだろうから、ちゃんと計画立ててね。分からないところは遠慮せずに聞いて。優菜以外にね!」
「ひとみちゃん?」
優菜を落とし所にもってくるのは流石だ。

「さあ、明日は東京よ!
もうすぐ、車がくるから急いで撤収しましょう。明日遅刻せんようにね!」
『はい!』




「・・・・・」
「?なっち。どうかした?」
「あっ、なぎさちゃん。いや!なんでもないよ!」
「そう?じゃあ早く着替えないと、なっち時間かかるから」
「はーい❤」


続く