第307回 白血病のこと(治療について) | おおさんのブログ

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日々思っていることを徒然なるままに書いています。

ずっと、書こうと思っているけど、書けないブログがこのブログでした。

池江選手の白血病のニュースにショックを受けた方多かったのではないかと思います。

もちろん私もその一人です。

私自身、白血病とは浅からぬ縁があります。

私の書ける範囲で、白血病のこと書いてみようと思います。

長い付き合いの人は知っているかと思いますが、かつて、私は3年ほど院内学級で働いていました。

いろんな子供と出会ってきましたが、その中で一番多い病気が白血病でした。小児がんの中で一番多いのが白血病です。

白血病というと、ドラマのイメージや夏目雅子さんのことで不治の病というイメージが強いですが(私もそんなイメージでした)、治療して治る病気になってきています。

でも、治癒率は100%ではないんですね。
大体、7割前後。

どうしても、治療が難しいタイプがあるそうです。

関わった中で、無事退院した子供もいれば、亡くなった子もいます。

なので、簡単に頑張れとも言えないし(もう十分頑張ってるだろうし)、絶対に治るよと私は言えません。

悲観するほど治療できない病気でもないけど(他のがんに比べると薬は効きやすいとされてますがあてはまらない場合もあります)、楽観できるほど甘い病気でもない。それが、白血病の怖いところです。

白血病といっても、慢性か、急性かでも全然違いますし、リンパ性か骨髄性か云々だけでも治療法が随分と変わります。

これは、治療を受けた子供から聞いたのですが、検査で白血病の細かいタイプが分かるらしく、再発しやすいかなども分かるそうです。数年前に聞いた話なので、もっと分かるかもしれません。
たぶん池江選手も受けているでしょう。

治療は、抗がん剤治療が中心です。複数の抗がん剤を組み合わせて治療を行います。それを何回か繰り返して、白血病細胞を叩いていきます。
プロトコルというものがあり、どの病院でも共通の治療がされます。

早期発見という言葉が使われていたかと思いますが、血液のがんで血液を通して全身をめぐる病気
なので、通常のがんとあてはまらない部分があります。まあ、早い治療ができるにこしたことがないです。

白血病といえば、骨髄移植が有名ですが、必ず移植しなければいけないわけではありません。

移植なしで、化学療法で退院した子もいます。
初めての発症であれば、移植しないことも多いのですが、移植になることもあります。

化学療法はかなりきついです。
本人はもちろん、周りも。目の前で辛くても、何もしてあげられないので。

治療のつらさとともに外見の変化もこたえると思います。授業中に、子供が抜け落ちた髪の毛を黙々とコロコロで取っていた光景は今でも忘れられられない。それぐらいに容赦なく抜けます。病院食もあまり受け付けなくなるので、かなり痩せます。とにかく、いろんな副作用が出てきます。
明るかった子が何も話さなくなったり、イライラしたり、口内炎がひどくなったりなど。

治療のサイクルもばらばらで、入退院を何度も繰り返します。一週間入院、一週間退院のサイクルが院内学級的には一番大変でしたね。授業がほとんどできなくて。

一時退院は、血液検査の結果次第なんですが、結構急に決まることもありますし、帰る予定が急に帰れないこともあります。また戻るものの退院の扱いなので荷物も引き上げないといけないので、これも大変そうでした。荷物増えますからね。

移植は、ほとんどバンクだったなあと思います。
数年いた間、兄弟からは1回。親から1回。
なかなか、見つからない例もありましたが、最後まで見つからないという例は私がいるときには幸い経験していません。

私が経験した例ではないですが、移植がドナーの都合で流れて、その後、容態が悪くなり亡くなったという話は聞いたことがあります。

私が関わった生徒でも、一番目の候補に断られ、二番目の候補で移植した子もいます。移植後に、その話を知りましたが。成功したからこそ、二番目で良かったと言えますが、もし違うなら…

私自身、目の前で白血病の子たちを見てきたのでドナーになり、救える命があるのなら、いくらでもドナーになる気持ちはありますが、家族の理解は得られていないので、ドナー登録はしていません。

登録していて、断ることはしたくないからです。

なので、これからドナー登録するのであれば、リスク等しっかり考えて、家族とも、話をして欲しいです。

人一人の命と人生を大きく左右しますから。
お互いのために。

これを機会に、白血病についての理解や移植のとき仕事を休みやすくなればいいのですが。

移植するまでには、通常の化学療法以上に、致死量ぎりぎりに近い薬を投与する必要があります。放射線治療も必要となり、放射線も副作用が強いです。

劇的に治すことができる分、その分の副作用や後遺症はとても大きいです。命にはかえられませんが。

なので、白血病の治療において、移植は避けれるのであれば避けたい治療とされています。

移植でなければ、半年。移植が伴えば1年近く、場合によれば1年越えるケースもあります。

退院しても、通院での治療が続いたり、定期的に通院が必要です。白血病は再発もしやすい病気でもあります。

とにかく、長い戦いとなります。

白血病については、ある時期に集中して調べたことがあり、いろんなサイトを見たり、本も読みました。セミナーにも行きました。

テレビで、いろいろ報じられているのを見て、伝わっているようで、伝わっていないなあと感じることがありました。限られた時間で伝えるのも難しいでしょうし、伝えたいことに絞るとこぼれ落ちることもあるのでしょう。

調べているなかでも、いろいろ言い回しや書き方が異なり、何を信じるか難しい部分もありました。

いろいろ自分なりには学びましたが、当事者でもない、医療関係者でもないので、遠く及びませんが、近くで白血病を見てきた者として、伝えられることもあるのかなと思い、悩みながらも書いてみました。

院内学級から離れて数年経ち、変わっていることもあると思います。治療も様々であり、ここで書いていることが全て正しいとは言い切れません。
私の情報も限られますが、何か参考になることがあればと思います。

本当は、今回で終わりにするつもりでしたが、もう少し続けます。