電子書籍「私の知らないオツキサマの話」描き下ろし付(安堂友子:著)感想! | 子宮を取る権利

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子宮内膜異型増殖症になり、子宮全摘した人の体験談。

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生理用品専門店「ガーネットムーン」のmiyaです。

当店では生理ナプキン補助製品である「シンクロフィット」や、吸水サニタリーショーツの「ガールズリープ」「ムーンパンツ」を取り扱っています。

ぜひともよろしくお願いします。

 

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吸水ショーツブランド各社様、紹介記事を書きますのでぜひご連絡ください!

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今回は、電子書籍「私の知らないオツキサマの話」【描き下ろし付】(安堂友子:著)の感想を書いていきます。

 

 

 

 

 

結論を先に言うと、紙の書籍で出して欲しかった!

そして図書館や保健室や病院の待合室に置いてて欲しかった!

 

前にも分冊版の「私の知らない月経の話」は読んでいて、基本的な内容が重複するんですが描き下ろし部分も充実してました。

 

分冊版の感想はこちら。

 

https://ameblo.jp/garnetmoonkm/entry-12677986183.html

 

 

 

 

https://ameblo.jp/garnetmoonkm/entry-12689098330.html

 

 

 

 

作者の安堂友子先生は、生理(月経)の辛さを長年抱えていて、月経の歴史や雑学などを調べていきたいというところからこの本は始まっています。

 

安堂先生は小学生の頃から生理痛が辛くて、

【食べることはおろか、立つこと、動くこともままならない痛さ】(【】内、本文引用、以下同)

とのこと。

わたしも月経が辛かった時は、日常生活に差し障るほどに痛く、かつ過多月経のための出血量が半端なかったです。

 

しかし、病院へ行っても子宮に異常はなく【人体のバグ極まれり!】だとのことで、確かに動物としてのヒトは進化しているし文明も発達はしているのに、月経痛の酷さの理由も判らず解決方法も判らないとなると、本当に「進化」しているのか疑問に思うときも。

 

現代人の月経回数は、生涯で450回とも言われています。江戸時代までは生涯で100回以下とも50回とも言われていて(資料によって回数は様々)、現代人には月経回数が多いことにより子宮への負担が大きかったり、ホルモンバランスが崩れたりと一昔前では考えられなかった病気や不調が増えてきました。

 

昔の人の生涯の月経回数が少なかった理由(栄養不足、多産など)や、現代人の月経回数が多い理由(栄養状態の良さ、初経年齢が若くなっている、出産回数が少ない、長寿)などもありますが、環境の変化のスピードが早過ぎて、人間の寿命からする進化のスピードがおいついてないともいえます。

 

本文にも【月経のきすぎ】【少子化でその(妊娠・出産後の月経の)休止期間がほとんどない女性が増えたため、(子宮が)稼働しっぱなし、と不調(ガタ)や病気(バグ)が出やすくなったのだとか】とあります。

 

しかしたくさん産めばいいというものでもなく、産むことによる身体の不調も当然ありまして、出産における死亡率は昔の方が圧倒的に多かったですし、【亡くならないまでも「出産時の大ケガ」で後遺症に苦しむ女性は大勢おり】【今だと治せることがたくさん】どっちにしろガタやバグに悩まされてたのだと。

 

そういう「身体」の不調だけでなく、社会的な無知や偏見による「月経を持つ体」に対する差別も扱っており、【(月経があるのは)男より劣っているから】【女は呪われているから】という女性(月経を持つ体)からしたら不愉快極まりない【各宗教の皆様】のお言葉が残されていたとのこと。

【なんでここまでけなされにゃならんのか】ですよ。

 

21世紀の近年になっても、ニュースサイトでも「月経小屋」だったり、映画の「パッドマン」でも「月経中は外廊下で生活」という表現があったりと、最近になっても不条理極まりない状況があります。

 

それでも【蔑視は論外にしても、実際問題「血って不浄」なんですよね(衛生面の話)】【生理は汚いことでも恥ずかしいことでもないです。でも清潔にしましょうね!この区別と両立が大事なんですよね】とのことで、生理用品が進化したことで現代人が助かっている部分も取り上げています。

 

【えーまず日本人女性の昔の下着は…ないです】【昭和初期まで!?】

ということで、生理の時は【つど、ぬぐう、吸収体をあてる、またはつめる!!】その栓も【葉っぱや干し草】【ボロ布、古紙】【海綿】【コケ】【羊毛】など金を貰ってもやりたくない方法ばかり。

【ただ昔のこういう処置事情って「女同士の秘密の口伝」状態で、記録が少なくて専門家も困るとこなんだそうです】【(昔の)一般人は字書けない、地域差大 史料ほぼナシ】とのことで、本来なら歴史に残していてくれれば月経処置も医療としても助かっていたことが、世代を交代するごとに最初からやり直しになっていたこともあるんでしょう。

 

なお、江戸時代の紙ナプキンにあたる「お馬」や、明治・大正時代に普及した「ゴム製月経帯」もわたしが過去読んだ月経などの歴史本にも載ってましたが、マンガの良さは図として視覚的に判りやすいところ。

 

なお、日本で初めて国産紙ナプキンが販売されたのが1961年。わずか60年前の話。

ということは今生きている人の中にはナプキンが発売される前のことをリアルタイムで知っている人もいるということです。

(これは田中ひかる先生の名著、「生理用品の社会史」にも詳しく載ってます。図書館には大体あると思うのでぜひ一読を)

今やナプキン・タンポン以外の生理用品もたくさんあるのに、なんで最近までなかったんでしょうね。ナプキンのある時代に生まれてきてよかったです。

 

【連載中感じたのは、どんどん進歩する医療や技術!】

【…と全ッ然進歩してないとこある感覚や社会!場合によっては後退!】

という悲しい現実。

月経に偏見を持っているのは一部の人だと思いたいですが、その「一部の人」の偏見が

【極端な例とは思いますが、婦人科の病気は全部「性病」だと思っている人がいるって話が】

【子宮筋腫を治療中と報告したアイドルが勘違いされてたたかれたとか】

とかあると、いい大人がちゃんと学校へ行って勉強して社会生活してるはずなのに、保健体育の時間寝とったんか!としか思えないひどい状態

【うちの人類成長性E】

という安堂先生の気持ちも判ります。

 

【現代社会における生理、ぶっちゃけいって明確にハンデですよ!不便だししんどいしお金はかかるし、月イチで体調不良とか社会人として不利すぎ!!】

これ、わたしも過多月経で苦しんでいた時、何度も思いました。

世界から月経がなくなればどんだけ楽に暮らせたことか!

(色々無理ですけど)

だからうちのブログのタイトルも「子宮を取る権利」なんですよ。

 

【栄養が足りず生理不順が普通だった時代は「生理があるのは健康の証明」でした】

【しんどくても「ありがたいこと」「女性にしかないすばらしいもの」と位置付けてた面もあるのでは】

【気持ちの上で「大切なこと」と思ってないと耐えられなさそう】

だから子宮を取らないまでも【とめてていいなら絶対とめる‼︎ 出産予定のないうちから人生を犠牲にしたくない こういう主張だって大事な権利だと思います】

そう言ってくれる人がもっと増えると嬉しいです。

 

安堂先生と同じ

【自身のつらい経験があったからこそ気づけたと】

【こういう流れでオチにつきがちな「だから今思えばよかった」かと聞かれたら それはない

月経そのものの辛さ、それによる社会的なハンデや偏見などを考えるとホントに同意です。

 

【女性が生理を含めたくさんのものから解放されますように】

わたしもその「解放」について何かしら力になれたらいいなと常々思います。

 

 

 

 

 

 

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