<SFドラマ映画>

 

監督:ドゥニ・ヴィルヌーブ

 

悩みを抱えたまま

一人で佇む夕暮れ時のような、

静かで

肌寒く

物悲しいSFファンタジー。

 

この先の未来が見えたら

選択を変えるのか?と

自問自答し

納得して

前に進む主人公に対し

 

個人的に

色々なことを考えさせられ

泣けてきた。

 

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夫と離別した言語学者のルイーズは

一人娘のハンナを愛情深く育てていたが

ハンナは若くして病に侵され

亡くなってしまう。

 

突如地球上の12の地域に

巨大な未知の宇宙船が12機現れた。

 

言語学者のルイーズは

米軍からの依頼を受け

物理学者のイアンと共に

謎の知的生命体の言語を

解読することになった。

 

世界の各国は謎の知的生命体が

地球にやってきた理由を

共同で解明しようとしていたが、

一部の国々が

彼らを侵略者だと見なした。

 

その国々は

自国が収集した情報を隠蔽し

侵略者との戦争準備を開始した為

多くの国々もそれに追随した。

 

世界中では

治安の悪化による暴動が巻き起こっていた。

 

 

 

以下ネタバレ

ルイーズは

亡くなった娘ハンナのことを

いつも

不意に思い出す。

 

幼かった頃のハンナの

何気ない仕草や言葉をヒントに

未知の生命体との接触に

生かすことがあった。

 

でも、実は

未知の生命体とのミッションをしていた時

ルイーズは独身で

娘も出産してはいなかった。

 

未知の生命体は

ルイーズを通して

地球人に

武器=宝物=彼らの言語を

教え、

 

3000年後の未来に、

未知の生命体の惑星に危機が訪れるので、

 

その時、自分たちの言語を理解している地球人に

自分たちの惑星を助けてもらおうとしていた。

 

それか、または

SFによくある設定で

過去の世界に戻り、行動したことにより

未来の状況が変わる、、、

みたいな感じで、

 

今から3000年後、

未知の生命体の惑星に

危機が訪れるのだが、

(それに気付いた)

地球人が助けに来てくれたから

そのお礼として

3000年前の地球にやってきて、

 

地球人に

彼らの言語を理解する筋道を立て

煙のようにゆっくりと

平和的に(友好的に)

消えていったのかも知れない。

 

アメリカ政府に

ミッションを命ぜられた

言語学者のルイーズは、

彼らと接触したことで

彼らの言語を理解するパイオニアとなり、

 

彼らと同じ感覚で

時間の流れを理解し、

未来が見えるようになった。

 

だからルイーズは

同じミッションに取り組んだ

物理学者のイアンにプロポーズされることも、

 

プロポーズを受け入れ

イアンと結婚することも、

 

その後

娘のハンナを授かり、

ハンナが

若くして亡くなることも分かっていた。

 

そして

夫のイアンが

娘ハンナの未来をルイーズに教えられ

いたたまれなくなり、

 

ルイーズと幼いハンナを残し

家から出て行くことも分かっていた。

(イアン、クソだな)

 

映画の冒頭で

ルイーズは

「娘の物語は彼らが消えた日に始まった。

この先、

何が起こるか分かっていても構わない。

どの瞬間も大切にする。」と語っている。

 

あの日

未知の生命体が地球から消えた後、

ルイーズはイアンに

「この先の未来が見えたら

あなたは今の選択を変える?」と訊いた。

 

イアンは

「今の自分の気持ちを

もっともっと君に伝える。

ずっと宇宙に憧れてきたけど

(今回のミッションでの)

一番の出会いは、彼らじゃなかった。

君だ。」と言って

ルイーズにプロポーズをした。

(どの口が言ってるんだろう…)

 

もし私が

未来が見えるルイーズだったら、

イアンと結婚するだろうか。。。

 

だって、

イアンと結婚したら

可愛い娘が生まれる。。。

 

でも、その娘は

若くして(中学生か高校生くらいで)

亡くなってしまう。。。

 

そのことをイアンに教えると

イアンは家から出て行くので

 

自分一人で

働きながら娘を育て、

 

自分一人で

娘の治療に寄り添い、

 

自分一人で

娘の最期をみとることになる。。。

 

そこまで分かっているのに

結婚を選択して

親になる選択をするだろうか。。。

 

そんなむごい選択ってある?

そんな悲しい選択ってある?

 

ルイーズの選択は

3000年後に起こる

未知の惑星の危機を救うために

彼らに選ばれし地球人としての

使命感からきているのかも知れない。

 

3000年後

自分はもうこの世に存在しないのに

未知の惑星と地球ために

そこまで出来るのかな、、、。

 

未来のことは

未来の人に委ねちゃダメなのかな、、、。

 

それと

ルイーズの娘は

全てを知りながら

それでも

自分を生んだ母親を許せるんだろうか、、、。

 

 

ルイーズは

自分の運命を受け入れたから

「何が起こるか分かっていても構わない」と

語っているけど、

 

イアン(夫)は

ルイーズと同じようには

考えられなかったから出て行った。

 

娘は(たぶん)

自分が若くして亡くなることを

母親のルイーズから知らされていなかった。

 

 

なんか

色んなことを考えて、、、

 

ルイーズって勝手過ぎない?とか

 

いやいや、

彼らに選ばれた時点で

もう、

そういう思考になるんだろうな、とか

 

本当は逃げたかったのかも知れない、とか

 

色んなことを考えて、、、

 

悲しくて、、、

 

泣いた。