G.I. Joe Profit Director Destroへと至る歴史 | トイ&コミックのガリンペイロ

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Pimp Daddyという言葉をご存じだろうか?

良い子も読んでいるガリンペイロのブログでは詳細に説明するのが憚られるので、

詳しくはGoogle先生に訊ねてみるといい。

マイルドに説明すると、成金や社会的地位の高い人に対して「クール」の代わりに用いて揶揄するための言葉だ。

 

さて、このPimp Daddyだが、前述の通り良い意味で使われることはまずない。

しかしながらこのPimp Daddyの悪名を与えられてしまったアクションフィギュアが存在する。

G.I.ジョーのとあるキャラクターである。

 

時は1997年。G.I.ジョー アクションフィギュアシリーズは当時3.75インチが主流であった。

G.I.ジョーのアクションフィギュアシリーズが度々サイズを変更しており、

かつては12インチであり、やがて原材料費の高騰であったり消費者の動向によって3.75インチへと変遷していった旨は、以前にも語ったと思うし、

G.I.ジョーマニアには今更説明するまでもないだろう。

G.I.ジョーが3.75インチへと変遷した年は1982年であり、1997年は3.75インチG.I.ジョー15周年であったのだ。

 

しかしながら1997年は時節が良くなかった。

G.I.ジョーのアニメは1985年(日本では1986年放映)で、10年以上が経過している。

後に実写映画化されるものの、それは2007年で10年も先のことである。

 

世間一般的にはG.I.ジョーは下火であったのだ。

 

故にG.I.ジョー15周年の玩具展開はひっそりと行われた。

Anniversaryなセットなども発売されたが、それは数少なく、真新しさもなく、極々一部のマニアが入手したに過ぎないセットであったのだ。

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▲そのひとつがこのコブラコマンダーとバロネス、そしてデストロのセットだ。

 

程なくして世紀末。インターネット界隈が賑わう黎明期に突入すると

コレクターたちは挙って自分のコレクションをネットで公開するようになるのだった。

そしてそれはG.I.ジョーコレクターにとっても例外ではなく、インターネット上ではありとあらゆるG.I.ジョーコレクションが閲覧できるようになったのである。

そんななか、今となっては誰がアップロードしたのか、誰が最初に騒ぎ出したのかも不明となってしまったが、

とんでもなく下品なデストロがいる!

と話題になるのに時間はかからなかった。

それが

Pimp Daddy Destroである。

先に挙げた3.75インチG.I.ジョー15周年アニバーサリー「COBRA COMMAND TEAM」セットの

デストロだけがまるで…それこそPimp Daddyのように奇抜なヒョウ柄の塗装がなされているのである。

後述するがこのPimp Daddy Destroは伝説級に希少な存在なので現在では解像度の高い画像が残っていない。

各自検索して確認してほしい。

 

当時のG.I.ジョーコレクターたちはこのPimp Daddy Destroについて

「タチの悪いリペイント品だ」

「海賊版だ」

「ヴァリアントだ」

と様々な議論を交わすこととなり、現実にPimp Daddy Destroを捜索するチームすらも結成されるが、

極々稀な目撃証言があるくらいで店頭でPimp Daddy Destroを確認すること叶わず、

永い間伝説となっていたのである。

 

結論から言ってしまうと、Pimp Daddy Destroは

仕様変更によるヴァリアント

に分類されるものだったのだ。

当時、ロードアイランド州には製品開発部門の「Hasbro Direct」があったのだが、

そこにはペイントおよびモデリングを専門とする分野があり、

そこに属していたジョン・ボイスという生産責任者兼デザイナーとスティーブ・マッソというアーティストの悪乗りの結果誕生してしまったのがPimp Daddy Destroなのだ。

ジョンがPimp Daddy DestroにGOを出してしまったのだからもう止めようがない。

工場ではPimp Daddy Destroが試作されることとなった。

試作されたPimp Daddy Destroのうち、一部はサンプルとしてハズブロに送り返され、

そこでPimp Daddy Destroを初めて目にしたマーケティングマネージャーによってダメ出しをされ、

以降の生産分からはいつものデストロとなったという。

しかし先にも述べたように当時の3.75インチG.I.ジョーは下火であった。

工場の管理体制は緩く、試作されたPimp Daddy Destroの一部が誤ってパッケージされて流通に乗ってしまったのだという…

 

さて、話はここで終わらない。

時は流れて2007年。3.75インチG.I.ジョー25周年である。

当時IT情報社会の発展により、そして面白半分にPimp Daddy Destroの存在は伝説と化していた。

ネットオークションでは数十万から3桁万円に届くかというレベルで真贋不明のブツが横行し、

折しも実写映画「G.I.ジョー」の公開もあり、マニアたちのなかでG.I.ジョー熱が過熱していたのだ。

 

そこに目を付けたというわけではないだろうが、

3.75インチG.I.ジョー25周年でもあることだし、と

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▲コミックコンベンション限定でPimp Daddy Destroが単体でリリースされたのであった。

※こちらのPimp Daddy Destroの素体は新規に設計されたもので1997年当時のものとは異なる。

 

これで皆がPimp Daddy Destroを手に入れることが出来て万々歳だね…というわけにもいかなかった。

 

このコンベンション限定Pimp Daddy Destroにはヴァリアントが存在したのである。

それが

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▲Gold Mask Pimp Daddy Destro

だ!

 

デストロと言えばシルバーのマスクが印象的だ。

Marvelのコミックでは1988年の

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▲G.I.JOE #69

でゴールドマスクになったりしているが、それは自身の権威を誇示するためのものであった。

それはさておき、Pimp Daddy Destroでの悪乗りに悪乗りを重ねた結果誕生したのがこの

Gold Mask Pimp Daddy Destroだったというわけだ。

 

さすがにこちらは元祖Pimp Daddy Destroほどの希少性はなかったようだが、

後年まで語り継がれることとなるのは当然であったといえる。

 

さて、そして2020年である。

 

G.I.ジョーのアクションフィギュアは6インチ、CLASSIFIEDシリーズとして再始動を始めた。

その記念に、というわけではないが、

このゴールドマスクでヒョウ柄マントのデストロがお札を燃やすという更に下品なエフェクト付きで再登場したというわけだ。



 

こちらのデストロにはさすがにPimp Daddyという文言を使用するのが憚られたのか


PROFIT DIRECTOR DESTRO

という名前になっている。


Pimp Daddy Destroを追い求めたG.I.ジョーコレクターたちは Pimp Daddy Destro を PDD と略して呼ぶことが多い。

この PROFIT DIRECTOR DESTRO も PDD と略せるのは中々に粋な計らいではないか。

G.I.ジョーコレクターなら避けては通れないPDDが簡単に手に入るようになったのだ。

PDDを追い求める旅はこれにて幕を閉じるのであろう。めでたしめでたし。

 

PROFIT DIRECTOR DESTROのヴァリアントは2020年11月5日現在確認されていない。

 

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