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アーティスト:Embrace
アルバム名:If You've Never Been
リリース:2001年
オススメ度:★★★☆☆


▽ Review

果てしなき旅路(If You've Never Been)はエンブレイス通算3作目のアルバム。UKロック特有の壮大なサウンドに、結束力を感じるバンド・アンサンブル、優しく甘いメロディーを堪能できる作品です。

オープニングからスローで壮大バラードの連続です。まるで“バラード・ベスト”のよう。M1「Over」は7分超の大作でありながら飽きさせず、M2「I Hope You're Happy Now」はイントロ・スタートから“良曲”だと思える程の極上メロディ。メランコリックでありながら優しく温もっているサウンドは個人的オススメ曲。M3「Wonder」はシングル・カットされたこれまたメロウなバラード・ナンバー。M5の「It's Gonna Take Time」やM7「If You've Never Been In Love With Anything」のようなアップ・テンポな曲を挟みながらもM8「Make It Last」やM11「Today」で再度“必殺”バラードを聴かせてくるあたりが、本当に3作目か?円熟バンドじゃないのか?って思わせる程構成力に長けています。

Review情報ソース:HMV ONLINE
http://www.hmv.co.jp/product/detail/785720


▽Embrace - Biography

エンブレイス(Embrace)は1990年代半ばに英国はヨークシャーでダニー(vo)とリチャード(g)が中心となり結成されたロック・バンド。所謂、時代流行だった「オアシス・フォロワー的」な壮大サウンドが話題を集め、1998年リリースされたのデビューアルバム『THE GOOD WILL OUT』が全英チャート初登場1位を記録、トラヴィス(TRAVIS)と共に「ポスト・オアシス」の筆頭バンド的な存在となる。その後、同世代のUKバンドがサウンド・チェンジや消滅を繰り返していく中、彼らだけは大幅に何も変更することもなく、UKロック特有のダイナミズムを踏襲。それは時に批判され、逆境に立たされることもあったが、ブリット・ポップ全盛期バンドが持っていなかったクォリティーの高さとウマさを武器に、華麗に壮大に美しい世界を演出している。

Biography情報ソース:CDジャーナル
http://artist.cdjournal.com/a/embrace/105362



▽追記 / 私的見解

エンブレイスを知ったのは、コールドプレイ(Coldplay)のクリス・マーティンが作曲した名曲「Gravity」収録アルバムの「Out Of Nothing」(2004年)。そこからファンとなり全作品を購入して聴いているのですが「Gravity」に次ぐ名曲だと思うのが本作に収録曲の「I Hope You're Happy Now」。泣きメロ必聴アイテムで、泣きメロ・ファンのツボを心得ているメロディー、サウンドの抑揚感、間奏のタイミング、文句なし。完璧のタイミングで入ってくるコーラスなんかは彼らの代名詞である強固な“結束力”や“団結力”を感じとれます。

管理人(棚橋伶)的に本作は、良いアルバムだと思うし売れ線だとも思いました。しかし、セールス的には“サッパリ”だったらしく、エンブレイスはヴァージン傘下のHUT(ハット)レーベルと契約を解除され、インディペンディエンテ(たしかトラヴィス(Travis)所属レーベル)へと移籍する事になりました。移籍第1弾となった「Out Of Nothing」(2004年)では全英1位に輝き、結果的には、復活・成功したと云えるのですが、当時の本人達はハラハラだったでしょうね。でもハラハラだったからこそ一切妥協せずに3年もの歳月をかけて超良作の「Out Of Nothing」を作ったのかもしれません。きっとこう思いながら作ったんだろうな。

君が現在幸せだと願う(I Hope You're Happy Now)。


◆Embrace - I Hope You're Happy Now(youtube動画 ※モバイル可)
http://youtu.be/uqJdPjdPrKU

◆Embrace - Wonder(youtube動画 ※モバイル可)
http://youtu.be/Ap3V0HruyeY

◆Embrace - Gravity(youtube動画 ※モバイル可)
http://youtu.be/XuZj_MQ5a6E


<音楽CD Vol,113>