カフネの作家さんです

 

 

少し前に

 

 

2025年の本屋大賞の受賞作を読みました。薫子さんとせつなさんが男前で「これは本屋大賞の選者さんの好み」と思いました。

私も楽しく読ませてもらって、同じ阿部さんの本を読んでみたくなりました。しかし、図書館の蔵書ではシリーズ物以外は出払っていました。この本は棚に残ってました。ラッキー。

 

 

 

 

あらすじは

 

 

ある秘密を抱えた月ヶ瀬和希は、知り合いのいない環境を求め離島の采岐島高校に進学した。采岐島には「神隠しの入り江」と呼ばれる場所があり、夏の初め、和希は神隠しの入り江で少女が倒れているのを発見する。病院で意識をとり戻した少女の名は七緒、16歳。そして、身元不明。入り江で七緒がつぶやいた「1974年」という言葉は? 感動のボーイ・ミーツ・ガール!

 

 

 

 

離島の高校、しかも寮生活

 

 

離島の高校が舞台です。登場人物の多くは寮生活の高校生。登場人物は多めに感じました。カフカが主たる人物が2人だったのに比べて多めなのですが、高校生が主体ですから、しかたないですね。

 

そして、この離島(モデルは壱岐か隠岐かな)も魅力的です。どちらも数多くの神様が祀られている島らしいです。離島なので、俗世から離れているイメージもあって、普通だと「それって変」と思えるような場面もそれなりに納得してしまいますね。

 

高校生のキュンキュンした場面も有りますが、これだけのページ数(文庫で317頁)の割りには、そっちの分量は少な目ですかね。(2017年の高校生と1974年の七瀬との違いかな)

 

あらすじにもあるように、主要な役割を果たす、七緒が「1974年」という言葉をつぶやきます。(お話は2017年が舞台)これだけで、「タイムトリップ物」だなぁ~と想像できますよね。

 

「タイムトリップ物」となると、数多くあるじゃないですか。実際には、あり得ない設定(タイムトリップとかは無いと信じているし)ですが、この設定だから、この小説のラストのちょっとキュンってなる感じにつながります。

 

 

現役の高校生さんに読んでもらいたいかな

 

 

主人公達が高校生です。寮がある離島の高校を選んだってことは、それなりに理由があります。すこしづつ解明されていきます。リアルの高校生さんがこの本を手に取るでしょうか。是非、読んでもらいたい、と思いましたね。

 

これを書いているのは、八月も終わりの時期になりますが、毎年夏休みが終わって新学期が始まると、目にしたくない報道があったりしますね。この時期が一番多いとか。

 

リアルで悩みを抱えている高校生さんに、「時が解決してくれるよ」と言っても、それを今、頭に描くことは難しいでしょうか。でも、この小説のように、この世界は、長い年月が繰り返し繰り返し流れていて、そういう流れを感じてもらえないかな、と思いました。

 

過去に戻ったタイムトラベラーが将来に向けて奮戦する様子は、確かな目標を持った歩みは「強い」と感じさせてくれました。

 

 

 

 

スペシャル短編と続編

 

 

webでスペシャル短編が公開されていました。

 

 

続編は

 

 

残念、当市の図書館には蔵書は有りませんでした。