じい散歩の作家さん
少し前に読んだのが、この作家さんの「じい散歩」でした。主人公の爺さんの若い頃は私の親父にそっくりで、現在の散歩を日課にしている爺さんは、今の私と似通っている所が多数。なので、なんだか嫌な気分なのですが、気になる本でした。「あぁ~こんな年寄りになるかな?」
「じい散歩」の後に発表されているのが、この「団地のふたり」です。「じい散歩」はモデルが有ると本の最後に書いてましたが、この「団地のふたり」もモデルがあるのでは?と思わせました。(読後にググってみると、やっぱりモデル有りみたいです)
2024年にNHKでドラマ化されてます
NHKのドラマの方はパスさせてもらってました。面白そうとは思ったのですが、最近は、TVドラマはパスが多くなりました。ただ、本を読む時に、キャストが分かっていると、頭に描きやすくてありがたいです。
左が太田野枝役の小泉今日子さん。右の桜井奈津子役が、小林聡子さん。
後ろに見えている団地は、原作では4階建てですが、5階建てですね。東京周辺では、もう4階建てのタイプは残ってなかったのでしょうか。
本を読むと、こんな短いお話で7話まで脚本を作ったなぁ、と思いました。
でも、ググっていると、続作も出てました。
一度更新してから、「団地のふたり」でググっていたら、再放送情報がありました。
NHKBSP4K「団地の2人」
第1回~5回 2月22日㈯ 14:15~18:00
第6回~10回 2月23日㈰ 14:15~18:00
この「ひろブログ」から由紀さおりさんのblogにリンクされています。
舞台、時代、あらすじ
文中にコロナで行動が制限されている様子がうかがえるので、発表された2022年頃になると思います。場所は、都心からそれほど離れてはいない団地らしいです。
ドラマで小林聡美さんが演じた、なっちゃん(桜井奈津子)は、一時はちょっと売れっ子のイラストレーターだったのですが、今は仕事も少なく、ネットで不用品を売って生計を立てています。小泉今日子さんが演じた、ノッチ(太田野枝)は、大学の非常勤講師をしていますが、ストレス多めのようです。
2人は、この団地で幼稚園からの幼なじみ。小学校も中学行も同じです。そして、共に50歳、独身。親と同居も同じです。この2人が団地を舞台に繰り広げる、なんとも緩い~感じのお話になります。
古い団地は過疎地か?50歳でも「若手」
舞台になる団地は建設されたのが昭和30年代。なので築60年程度。建物としては、かなりロートル。設備とかは古色蒼然でしょうね。四階建てですが、エレベーターは有りません。高齢者には辛い~少し前に建て替えの話が出ていて、以後大規模な修繕工事は止まったままで、簡単な補修のみ実施されている状態です。
まだ土地が安かった時代だからか、各棟の間隔も広めで公園も集会場を有って、しかも駅にも近いし、都心にもそこそこ近いらしい。駅に向かう道には商店街もあって、それなりに便利な立地のようです。
でも、居住者のかなりの割合が、高齢者です。50代の2人は「若手」にあたります。
なんのことはない、山間部の過疎地のようです。2人に「網戸を交換して」と依頼が来ます。しぶしぶやってみると、その話を聞きつけて、次から次と依頼が来ます。どれも、材料費+謝礼+ピザの食事付き。これは、どうも、団地の年寄りの中で、彼女達とお話がしたい、と「網戸交換」を依頼してきているように感じました。
なので、50歳の2人には、なかなか居心地は良さそうなのです。人間、頼られるのは嬉しいですからね。過疎地で移住者さんが大事にされる構図と似ていると思いました。これじゃ、この2人、この団地から脱出しようとは思わないでしょうね。
悲壮感とかぜんぜんの2人
イラストレーターだったけど、今の生計をネットのフリマ(メルカリだな)で立てている奈津子は、その売り上げでその日の食卓が大きく左右します。
収入が多ければ贅沢をするときもあるけど、売れなければ、仕事仲間から「坊さんメシ」と呼ばれる一汁一菜が基本になります。
2人は(何度も書くけど)50歳で、しかも独身。将来どうするの?的な会話は有りません。気にしてないのでしょうか。でも、幼なじみの友人がすぐ近くに居てくれたらそれで良いのかも知れないですね。
有るとしたら、年末に奈津子が来年の目標を考えるシーンでしょうか。
この時に上げたのが、
1.コロナが落ち着いたら、営業日も営業時間もメニューも適当なカフェをどこかで開く(店番ノエチ)
1.ノエチとなんでも屋を仕事にする。
1.空ちゃん(幼くして亡くなった友人)の絵本を描く。
なんだか目標らしいですが、カフェは、全くの無計画、準備ゼロ。しかも店番をノエチにしてもらうなんて他力本願。まだ、なんでも屋の方が少ないけど実績もあるし、需要も有りそうです。そして、絵本の方は、今のフリマ生活をしながらも実行可能でしょうね。
「じい散歩」の主人公は年齢90歳に近いのですが、こうした将来の不安をさほど感じて無かったようでした。「なるようになるさ」とお考えなのでしょう。
この2人はまだ50代だし、暖かい周囲も有ります。まだ分からない将来や未来の事で悩むより、その時が来れば、その時に考えれば良いと思っているようです。この作家さん、セカセカ生活するより、ノンビリとしたら~と言いたいのかな?
おまけ フォークの楽譜販売
ノエチの生家に兄が残したダンボール箱があって、そこに彼の青春時代の遺物があります。これをフリマで売ろうと計画します。この懐かしい音楽の楽譜にちょっと(かなり)魅かれました。一時は硬派だった兄貴もギターをポロンポロンやっていたらしいです。そういう時代だったのです。その彼が演奏しようとしたのか、多彩なのです。そして、これを売り出したら、すぐに高値で売れるのも有れば、下げても売れ残るのも有ります。
書き上げると
ブレッド&バター 3,699円
ゴダイゴCMソンググラフィティ 5,270円
大滝詠一ナイヤガラボックス 2,999円
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング 3,450円
YMOバンドスコア 1,999円
レッドツェッペリン 1,999円
山下達郎ギター弾き語り 1,999円
佐野元春ベストソング 1,000円
バンドスコア山下達郎Big Wave 9,886円
そして、何時までも売れなかったのが、
イルカ、ニールヤング、エルトンジョン、井上陽水、
サイモン&ガーファンクル
50歳の妹を持つ兄貴なので現在55歳程度か。すると私より15歳くらい若い訳だ。このラインナップはどう考えよう、と思いました。しかし幅広く集めたものですね。作家さん(1962年生まれ)の兄貴なら、ドンピシャかな?
それと、この落札価格って絶妙なのでしょう。やっぱり希少価値がありそうなのが高く売れて、広く知られているけど、きっと当時の販売数も多かっただろう楽譜は需要がないのか、売れないで残っていますね。
私的には、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング が高値で売れて嬉しいですが、どうしてニールヤングは売れないのか?納得行きませんね。
映画「卒業」は2人の願望?
このお話の中で、サイモン&ガーファンクルの楽譜が売れないで残ります。
ヒット曲の「サウンドオブサイレンス」をノエチが楽譜を打ち込んで演奏してみたり、これが映画音楽になった「卒業」の話が何度も登場します。
これって意味や意図があるのか?と思いました。映画の方は、ご存知かもしれませんが、結婚式の真っただ中に乗り込んで花嫁を取り返すっていうラストシーンが有名な映画です。(超簡略)ラストシーンに「サウンドオブサイレンス」が流れます。
この曲、内容が抽象的でして、私には理解不可能。単に映画のラストの花嫁がさらわれるシーンが、50歳独身の彼女達の願望って事なのか?