角野英子さんは、あの「魔女の宅急便」の原作者さん。ジブリの映画で有名ですよね。あの映画に原作本が有るって知らなかった人多いのと違いますか?ジブリの映画化の時には、主題歌に採用されたユーミンの楽曲とか、クロネコヤマトと「宅急便」の商標の事とかが話題になったと思いますが、原作って?

 

私はジブリの後の実写映画化の時に初めて原作本が有って、原作本は一冊だけでなく、何冊も連載されていて、映画化されたのは最初の方だけなんだと知りました。

wikiで見ると「魔女の宅急便」以外にも膨大な絵本や児童書を書かれています。

 

 

 

  【~ing=現在進行形】

 

本は最初に「大西洋」というプロローグ的な数ページが有りますが、本編は「市ヶ谷 イコ 十三歳」から始まります。このイコが13歳の時が題名の中の「1948」につながってくるのでしょう。1948年というと、終戦の年からわずか3年。傷病軍人が物乞いをしたり、闇市の臭いが充満する世界。学校では、突然流暢に英語を話す先生が現れたかと思うと、その唐突さに違和感を感じる主人公です。

 

そんな中で英語の時間に習ったのが【~ing=現在進行形】に不思議に惹かれます。戦後の復興の時代です。価値観も180度変わってしまうような時に、疎開先から東京に戻った女子中学生が、「現在進行形」という英語の(アメリカのと言うべきでしょうが)文化に触れて、自分の可能性を試してみたくなったのです。

 

ただ、障害もいっぱいあって、自分の自由になるお金なんて少ないし、新しい音楽や本などは、まだまだアウトローな雰囲気が漂っています。しかし、新しい事は魅力的。本は、「市ヶ谷 イコ 十六歳」では高校生時代。そして、「早稲田 イコ 十八歳」では大学時代を描きます。

 

ただ、自分の中で計画的に新しい事に向けて準備が進んでいたか?と言うとそうでもなく、時代の流れみたいなものや、交友関係も流動的ですね。高校の時に「翻訳をしたい」と教師に宣言するのですが、それもなかなか手つかずのまま。この時代ですから、家族、特にお父さんの許可を得るのは難しい~。お父さんは「女の子は勉強はそこそこで良い家庭に入って子供を産む」という概念から抜け出せていない(普通の)人です。

 

 

  旅立つ時

 

転機になるのが、「新宿 イコ 二十二歳」。運よくというか、新宿の紀伊国屋書店に入社します。まだまだ女性は補助的なお仕事しか与えられない時代ですが、食らいついているご様子。少しづつ自分の範囲も増えていきます。

 

そういう時に大きなチャンスが来るのです。なんと、ブラジルで日本語教師のお仕事を受けないか?と打診されます。当時はまだ一般人の海外渡航には厳しい制限があった時代のようです。(ブラジルは移民政策もあって可能だったようです)行くのも今なら飛行機以外は考えられませんが、当然のように船便。なんと二か月の船旅だそうです。

 

ここで思い出すのが「魔女の宅急便」で主人公のキキが13歳の時に自宅から旅立つシーンですね。本の題名の「イコ トラベリング 1948」はイコが13歳の時です。実際に旅立つのは、後10年ほどの時間が必要ですが、13歳の時に感じた「現在進行形」を胸に抱いて、その気持ちが開花するようです。「あぁ~あの時からもうその気持ちが始まっていたんだ」と思いましたね。

 

自分が13歳、中学生の頃にどんな気持ちを抱いていたかな?って(ちょっと)考えました。

 

 

  本は自伝のようです。驚くべきカラフルな作家さん

 


この本は、2022年9月に出版されています。手に取った理由はもう忘れていますが、2023年のNHKで番組があって、その時のインタビューなどを元にした映画まで公開されていたのです。その番宣にでも出会ったのかと思います。

 

wikiで調べると、角野さんご自身の年譜とほぼ合致します。唯一違う点があるとしたら、ブラジルに向かう時には、結婚されていたようですね。

 

それと、ご自身は今も創作活動をされていて、児童書とか絵本は出版数が小説などに比べると多いのでしょうが、市の図書館にも毎年新しい本が蔵書されています。そして、当市の図書館でも260冊以上の蔵書があるのです。

 

また、私が驚いたのは、そのカラフルなお姿です。

 

公式サイトから拝借しました。(下にリンク貼って置きました)

 

みなさん、この角野栄子さん、

何歳に見えますか?

 

 

 

(少し空白を開けますね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この本の題名のように1948年生まれなのかな?と思いましたが、実際には1935年ですから、2014年だと89歳になられています。

 

いやぁ~こういう年齢の重ね方したいものです。

 

wikiだと

角野 栄子(かどの えいこ、本名:渡辺栄子、1935年1月1日 - )は日本の童話作家、絵本作家、ノンフィクション作家、エッセイスト。日本福祉大学客員教授。江戸川区角野栄子児童文学館(魔法の文学館)館長。神奈川県鎌倉市在住。

 

 

公式HPから拝借しました。