これもどこで知ったのか?覚えてない本。Googleさんが教えてくれたのでしょう。
この本、台湾を自転車で一周するお話とガイドブックもあるのですが、私は台湾一周ライドを目論んでいる訳ではありません。私が外国語に堪能で、日本国中もうどこも行った事がない場所が無くなったら~考えるかな。(つまり絶対にないですね)
本の紹介文
環島は「島をぐるっと回る」ことです。台湾をぐるっと回れば、台湾に対する既成概念が覆され、新しい台湾の発見につながるかもしれません。
この本は、私が昨年(2016年)自転車で台湾を一周した8泊9日の還島体験を中心に、鉄道や車、バスなどを含め、日本のみなさんに、環島の楽しみ方を紹介するために書きました。たぶん、日本で初めての台湾環島をテーマにした本となるでしょう。
と台湾一周の体験記+ガイドブック的な本になります。
台湾自転車「環島」体験記
第二章で彼女の台湾一周体験記が詳しく書かれています。8泊9日で966kmのライドになります。獲得標高は書かれてませんが、西岸の平坦な場所もあれば、東岸の起伏に富んだルートもあるようです。なかなかの距離になりますね。(ツアー会社のサイトでは全行程で3,000m+位の獲得標高になるようです)
作者さんは、このライドに挑戦する前には、お買い物にママチャリを使う程度でして、本格的なロードバイクはほぼ初めてだったようです。年齢は40歳代だそうですから、全くの初心者だと心配ですね。
なので、この初心者の一青さんが、トレーニングして、当日に集合して連日ライドを重ねていく様子は、ロングライドの経験があるものとしては、楽しく読ませてもらいました。そして、全くロングライドの経験がない方でも、「これなら自分でも行けるのでは?」と思ってもらえるような内容になっています。
ロードバイクって何?から始まって、ビンディングシューズなどの紹介、日焼け止めなどの必需品に至るまで、全くの初心者さん向けに「始めてみようか」と思った時の最適なガイドブックを目指されたように感じました。
参加されたのはツアー形式で15名ほどの参加者に、サポートカーが付いて、同伴してくれるライダーが3名、それ以外のサポートも居て、参加期間中の宿泊や食事の手配、手荷物の搬送などもやってくれると言います。費用は掛かるでしょうが、こうした、至れり尽くせりのタイプのツアーが成立しているってことは、それだけ広範囲な参加希望者がいるってことでしょう。
「環島しなければならない」の意味
この挑戦を誘ったのが、台湾から生まれた世界最大の自転車メーカーのジャイアントジャパンからだそうです。そこには、こう書かれていたようです。
台湾にご縁のある方は一生のうち一度、いつか自転車で環島しなければなりません。
えぇ~。このさも、このロングライドが当然という調子で始まります。この「環島しなければなりません」のバックグランドに関しては、第一章で詳しく記述されています。
台湾ではある映画からブームになって当時73歳のジャイアントの創業者さんが挑戦されました。15日間かかったのですが、この様子がテレビや新聞で報道されたようです。そして
以降、自転車に乗っての環島という行為は、家族旅行や大学生の卒業旅行、中高生の学校行事として取り入れられ、さらには高齢者や身体障碍者、小学生たちにも拡がり、成人を迎える若者の「儀式」になるほど台湾人社会に浸透した。
とあるのです。
これは、一青さんのブログの中でこの本を紹介しています。写真も多いので是非どうぞ。そして、このブログ紹介では「毎年数万人が挑戦する」とあります。この数字には、列車や自動車も含まれているのだと思いますが、自分の国を一周して、その姿を見てみたい、と言う行為が、自分を見つめたりする時間になっている様子が想像できますね。
また、台湾は日本と違って多民族な国です。そして、日中戦争の後に移ってきた人達も居て複雑な構成になっています。そういう中で、「自分達は台湾人」ということを強く感じさせるのが「環島」という行動らしいです。
日本との比較
同じような日数や距離をこなすロングライドは日本だと四国一周(シコイチ)ですね。愛媛県は台湾と交流推進をされています。四国一周はなんと言っても「しまなみ海道」を持っている愛媛県が御熱心です。自転車乗りには憧れですね。
私も2022年の秋に挑戦して達成させてもらいました。公式サイトが有って、完走したスタンプやデーターを送ると完走証を発行してくれます。(有料)私は、3574番目にエントリーして、1567番目の完走者でした。走っていた当日も感じましたが、少ないですね。
本で紹介されている旅行社
この「プラネットアドベンチャー」さんには、2023年秋のツアーの様子が掲載されていました。2014年からの分は随時紹介ってことでしょうか。
もう一軒紹介されているのが「ダイナスティーホリデー」ですが、2021年に事実上の廃業になっていました。コロナ渦が厳しかったようです。
本には台湾国内の業者さんでも毎月のように環島ツアーが組まれている、と紹介されていますが、英語か中国語が堪能でないと難しいかな。
一青妙さんのこと
作者の「一青妙(たえ)」さんは、「一青窈(よう)」さんではありません。そっちは歌手。でも、この本では詳しくは触れられていませんが、wikiで調べたら「一青窈」さんは、彼女の妹さんだそうです。
一青妙さんは、台湾と日本の両方にルーツを持つ人のようです。本から引用します。
誰でも故郷、と呼べるものがあると思う。私にとっての故郷はどこだろうか。齢40を超えて、最近よく考えるようになった。
私の父は台湾人だ。1928年に日本統治時代の台湾で生まれた。10歳から内地留学のために日本に渡っている。終戦後は一時台湾に戻ったが、再び日本での生活を選び、日本人の母と出会った。
父と母が結婚したのは1970年。私と妹・窈の2人の子供を授かったが、私が生まれて間もなく、台湾に生活の拠点を移した。
その後、11歳から日本で暮らし始めて、現在はエッセイスト、女優、歯科医(えぇ!)として活躍中。日台の架け橋になる文化交流活動に力を入れていて、台南市親善大使、石川県中能登町観光大使、四国一周サイクリングPR大使などを務められています。